「主語」と「述語」は小学2年生の国語で習います。
しかし主語と述語の見分け方は意外と難しく、高学年になっても理解していない場合があります。
この記事では、主語と述語の見分け方をわかりやすく説明します。
小学生の「主語と述語」が難しい理由
主語と述語の基本
主語と述語は、国語の教科書では以下のように説明されています。
誰が、誰は
何が、何は
に当たる言葉が主語
どうした、どうする
どんなだ
なんだ
に当たる言葉が述語
かんたんに思えますが、子どもにとっては意外と難しいです(汗)
子どもが主語と述語を見分けられないのはなぜか?
主語と述語を教える時に多いのが、以下のような説明です。
「何がどうする」の「何が」が主語で「どうする」が述語だよ。
国語があまり得意でないお子さんは、文のポイントをつかむことが苦手です。
このように説明されても、文の中から「何がどうする」を見つけること自体が難しいので、主語や述語を見分けられないのです。
わが家の子ども達も、主語と述語の問題が苦手でした。「何がどうする」という説明がピンとこないようです(汗)
もっと具体的に主語と述語を見つける方法を教えてあげれば、「何がどうする」をさがすのが苦手なお子さんでも、主語と述語がすぐにわかるようになります。
小学生向け「主語と述語」の見分け方
国語のテストでは、「次の文の中から主語と述語をさがしなさい」というような問題が出ます。
このような主語と述語の問題を解くためのポイントは3つあります。
【主語と述語の見分け方:3つのポイント】
1.述語は文章の最後
2.主語は「が・は」がついた言葉をさがす
3.述語を質問にして、質問の答えが主語になっているか確認する
3つのポイントについて、わかりやすく解説していきます!
述語は文章の最後
主語よりも述語を探すほうが簡単なので、必ず述語から探しましょう!
【述語の例】
●文章の最後(黄色マーカー)が述語です。
・私はとても辛いカレーライスを食べました。
・日本で一番高い山は富士山です。
例外的に述語が最後でない場合もあります。
小学生の段階では、「たまに最後じゃない場合もあるんだ」ぐらいに理解していればよいでしょう。
【参考:述語が文章の最後でない例】
『例文:私は約束を守ります、絶対に。』
「倒置法(とうちほう)」といって、主語や述語などの並び順を普通とは逆にして、言いたいことを強調するなどの効果をねらった表現の方法があります。
文章を普通の並び順になおせば「私は絶対に約束は守ります。」または「私は約束は絶対に守ります。」なので、述語は最後の「守ります」です。
主語は「が・は」がついた言葉をさがす
とにかく「が・は」を覚えましょう!
小学校の国語の教科書にのっている主語の説明は、「〜が」と「〜は」のみです。
中学の国語では、「が・は」以外に「も・だけ・さえ・まで・でも・こそ」などがついた言葉も主語になる場合があることを学びます。
【「が・は」以外の主語の例】
黄色マーカーが主語です。
・妹も歌う。
・妹だけ歌う。
・小学生さえ完走した。
・あなたまで私を疑うのか。
【光村図書 国語1より引用】
小学生はまず「が・は」を覚えましょう。余裕があれば、他にもあるということを知っておきましょう。
【参考】「が・は」がついた言葉でも、主語でない場合もあります。小学生の間はそのような難しい問題が出されることはほぼないので、あまり気にしなくてよいでしょう。
述語を質問にして、質問の答えが主語になっているか確認する
【主語と述語があっているかどうか、かんたんに確認する方法】
→「述語」を質問にして、質問の答えが「主語」なら正解。
実際に文の中から主語と述語をさがして、あっているかどうか確認するまでのやり方を、3つの例文でわかりやすく説明します。
このやり方をマスターすれば、主語と述語の問題でまちがえることはほぼなくなりますよ!
【例文1】きれいなチューリップが花だんいっぱいに咲きました。
述語は文章の最後なので、「咲きました」が述語。
「が」がついている「チューリップが」が主語。
述語の「咲きました」を質問にすると「咲いたのはなに?」。
咲いたのは「チューリップ」なので、主語は「チューリップが」で正解。
【参考】この問題で、まちがえて「花だんに」が主語だと考えた場合はどうでしょう?
述語の「咲きました」を質問にして「咲いたのはなに?」と考えると、咲いたのは「チューリップ」であって「花だん」ではないですよね。
なので「花だんに」は主語ではないとわかります。
【例文2】私の好きなお菓子はいちご味のチョコレートです。
述語は文章の最後なので、「チョコレートです」が述語。
「は」がついている「お菓子は」が主語。
述語の「チョコレートです」を質問にすると、「チョコレートはなに?」。
チョコレートは「お菓子」なので、主語は「お菓子は」で正解。
【例文3】私はがんばって走ったので徒競走で1位だった。
述語は文章の最後なので、「1位だった」が述語。
「は」がついている「私は」が主語。
述語の「1位だった」を質問にすると、「1位だったのは誰?」。
1位だったのは「私」なので、主語は「私は」で正解。
3つの例文で、主語と述語さがしをお子さんと一緒にやってみてください^^
主語とまちがいやすい「に・を」
「に・を」がつく言葉は主語ではない
見分け方のポイントとして、主語は「が・は」(+ も・だけ・さえ・まで・でも・こそ)がつく言葉だと説明しました。
主語とまちがえやすいものに「に・を」がつく言葉があります。
【例文1】兄は妹に勉強を教えた。
主語:兄は
述語:教えた
「妹に」は主語ではない。
【例文2】私は本棚から1冊の本を取り出した。
主語:私は
述語:取り出した
「本を」は主語ではない。
「に・を」がつく言葉を主語とまちがえてしまう原因
この記事の最初のほうで、主語と述語を教える時によくある説明を紹介しました。
「何がどうする」の「何が」が主語で「どうする」が述語だよ。
この説明の意味を子どもがよくわかっていないと、「に・を」のついた言葉を主語だと勘違いしてしまうことがあります。
【主語をまちがってしまう例】
【例文1】兄は妹に勉強を教える。
→「何がどうする」は「妹に教える」だから、「妹に」が主語だ。←✕
→主語は「兄は」が正解。
【例文2】私は本棚から1冊の本を取り出した。
→「何がどうする(どうした)」は「本を取り出した」だから、「本を」が主語だ。←✕
→主語は「私は」が正解。
このようなまちがいをしないためにも、紹介した【主語と述語の見分け方:3つのポイント】をぜひ参考にしてください。
【参考】複文と重文
ここまでの説明は、「単文(たんぶん)」といって1つの文に主語と述語の関係が1組だけある文の場合です。
1つの文に主語と述語の関係が2組以上ある文として、「複文(ふくぶん)」と「重文(じゅうぶん)」があります。
「複文」と「重文」は小学5年生・6年生で習います。
小学校6年生の教科書では、以下のように説明されています。
一つの文の中に、主語と述語の関係が二つ以上出てくる場合もあります。
【引用元:光村図書「国語六 創造」】
①枝が のび、葉が しげる。
②ぼくが 植えた 木が 育った。
①の文には、「枝が−−のび」と「葉が−−しげる」の二つの主語と述語の関係があり、対等に並んでいます。②の文にも二組の主語と述語の関係がありますが、この文で中心となるのは、「木が−−育った」です。「ぼくが−−植えた」は、この文の中心の主語である、「木が」を修飾する言葉です。
「重文と複文」はちょっと難しいので、まずは「単文」(1つの文に主語と述語の関係が1組だけある文)の主語と述語を確実に見分けられるようにしましょう。
【主語と述語の見分け方】まとめ
国語の学習において、「主語と述語の見分け方」は単なる文法の問題というだけではありません。
「その文でいちばん言いたいことはなにか」を理解するためには、主語と述語を見分けることが重要なのです。
主語と述語がわかるようになれば、読解力を上げることにもつながりますね!
【主語と述語の見分け方:3つのポイント】をマスターして、ぜひ主語と述語の問題を得意にしてください!
【主語と述語の見分け方:3つのポイント】
1.述語は文章の最後
2.主語は「が・は」がついた言葉をさがす
3.述語を質問にして、質問の答えが主語になっているか確認する