ナースをコンセプトにした店で…すすきの”頭部切断事件” 容疑者一家の娘が抱えていた”過去”
曇天広がる7月2日の午後3時ごろ、札幌市中央区の繁華街すすきのにあるラブホテルの従業員が一組の男女の異変に気が付いた。
前夜11時頃にチェックインした中年男性と若い女性。女だけが夜更けの深夜2時に出ていったきり、二人が入ったホテルの一室から連れの中年男性が出てこない。不審に思った従業員が扉をノックするも返答はなかった。
やむなく部屋の中を確認しにいったところ、従業員が目にしたのは、浴室にうずくまる全裸の男。通報を受け駆け付けた救急隊員が浴室を確認すると、男の頭部は無残にも切断されていた――。
事件発覚直後、現場には財布やスマホなど、遺体の身元を示す遺留品が一切なかったという。
「遺体から採取された指紋をもとに身元を調査したそうです。最終的に、行方不明届が出されていた人物の中から、被害者は道内の恵庭市和光町に住む会社員の男性(62)と判明しました。出かけて行ったきり帰ってこない夫の身を案じた奥さんが、3日夜10時半頃に行方不明届を出したそうです」(全国紙記者)
男性の死因は、身体を複数刺されたことによる出血性ショックと診断された。争った形跡などはなく、頭部は死後切断された様子だという。

事件当日の防犯カメラには、男性と一緒にホテルに入った女らしき人物が重そうなスーツケースを運ぶ姿が写っていた。
「ホテルに入った時と出ていく時で、女は違う服装でした。スーツケースも服もマスクまで真っ黒。背中がこんもりとしていて、リュックでも背負っているように見えた。とにかく大荷物でした」(捜査関係者)
捜査には240人を投入。およそ3週間後の24日、北海道警察札幌中央署捜査本部は、精神科医・田村修容疑者(59)と職業不詳・田村瑠奈容疑者(29)を死体遺棄容疑で逮捕。さらに翌25日、同署は修容疑者の妻で瑠奈の母親であるパート従業員の田村浩子容疑者(60)も、同容疑で逮捕した。男性の首は、3人が住む厚別区の自宅で保管されており、一部破損した状態で発見されたという。
「娘・瑠奈容疑者が殺害の実行犯となり、父・修容疑者は車で瑠奈容疑者の逃走を手助け、母・浩子容疑者も一連の流れに関与したとみられている。3人の認否に関しては、まだ明かされていません」(同前)
