国会での虚偽答弁の連発
わたしは、旧社会保険庁の杜撰な業務運営によって、5095万件もの年金記録が持ち主不明となった「年金記録問題」が発覚した2007年、社会保険庁を監視する「年金業務・社会保険庁監視等委員会」の委員に任命された。
その後、社保庁を解体し、あらたに日本年金機構を設立するにあたり、同設立委員会の委員に就任。引き続き'21年12月まで日本年金機構を「調査審議」する「社会保障審議会年金事業管理部会」の委員をつとめてきた。
日本年金機構が業務委託した事業者(SAY企画)から、厚生年金受給者のマイナンバーのほか、住所、電話番号などの個人情報、さらには所得情報までが中国のネット上に流出したのは、わたしが年金事業管理部会の委員在任中のことだ。
この流出問題を調査する「検証作業班」が、同管理部会の中に設置された際、わたしも4人の検証委員のひとりとして調査にあたってきた。
「検証作業班」での調査は約1年半におよび、その過程で判明したことは、機構と厚労省年金局が国権の最高機関である国会で、虚偽答弁を繰り返していたという驚くべき事実だった。
日本年金機構と年金局は、「虚構のストーリー」と「欺瞞の論理」で国会を欺き、国民を騙し続けていたのである。その犯罪的行為を、事実をもって集中連載で明らかにしていくことにする。
ただし、委員時代に課せられていた国家公務員法の守秘義務規定は遵守していることをあらかじめお断りしておく。
すべてのはじまりは、'17年12月31日の大晦日だった。
この日、日本年金機構の「法令等違反通報窓口」に2通のメールが届いた。