素手でトイレ掃除をする意味とは
2013年10月31日 vol.195
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会社は「環境整備」で9割変わる! ~強い企業文化と社風の作り方~
株式会社武蔵野 専務取締役 矢島茂人
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◆ 素手でトイレ掃除をする意味とは ◆
A社は、長年、自分たちで環境整備に取り組んできました。
「全員で掃除をする」ことは、文化として根付いています。
しかし……。
A社の社長は思うところがあったのでしょう、武蔵野に環境整備を強化する
研修を依頼されました。わたしが講義をした後、環境整備の実技。実技指導
には、経営サポート部のスタッフの他、ダスキン事業部などからも派遣して
います。必ずしも、全スタッフが、ご依頼の経緯を知っているわけではあり
ません。
実技終了後、指導をしたスタッフが次のような所感が来ました。A社社長の
抱える悩みやもどかしさが表れている感想だと思います。
「A社様は、掃除をすることへの抵抗は感じませんでしたが、“汚れ”への
抵抗は感じていたように思います」
「“環境整備をしている”という自負はお持ちですが、その目的が、共通の
認識になっていないのではないでしょうか。それでは“徹底”まではいか
ないと感じました」
どういうことでしょうか。
一例を挙げると、「手を洗う事で、心が洗われる」と知って環境整備に取り
組んでいるかどうか?
人間の心は、取り出して、洗って、キレイにすることはできません。ですか
ら、見える物をキレイにすることを通じて、取り出せぬ「心」をキレイにす
るのです。これが環境整備の大目的です。
さらに、「見える物」の中でも、自分の手は、もっとも身近で、もっともわ
かりやすいものです。掃除によって汚れた自分の手を、その都度洗ってキレ
イにすることで、取り出せない自分の心が浄化されるのです。
だから、環境整備は、ゴム手袋などぜすに、手を汚して行なうのが正しい作
法といえます。ただし、抵抗のある方には、皮膚保護クリームのデルマシー
ルドをつけていただきます。
しかしA社では、武蔵野のスタッフがトイレの汚れを素手で触ると、かなり
驚かれ、「大丈夫ですか?」と声をかけられました。「素手はきつ過ぎる」
といった声も、何名かから挙がりました。当社のスタッフによると、ゴム手
袋をはめてトイレ清掃をした人数は、これまでに携わった企業様の中で一番
多かったそうです。
「手を洗うことで、心が洗われる」ことを知らないままに、続けてこられた
ということでしょう。
目で見れば、「汚れたところには、触りたくない」という臆病な心理が働い
てしまいます。しかし、実は、「目」よりも「手」の方が勇気があり、一旦
汚れを手で触れてしまいますと、今までの臆病な気持ちがフッと消えていき
ます。
汚れを触って驚かれたり、ゴム手袋をしたりするのは、「目は臆病だけれど、
手は勇気がある」ということを知らない・体感していないために、起こる現
象です。A社では、共通の認識にはなっていないことがわかります。
手を汚して心を磨き、手についた汚れを洗い流して、心を浄化する。この、
地味な実践をコツコツ繰り返していく習慣整備で、人間は強くなっていくの
です。
もう一つ、象徴的な出来事がありました。
実技は50分間ありますが、20分で「終わった」と言って戻って来た方々
がいらっしゃいました。やはり、ただ単に、キレイにすることが目的になっ
ているのですね。
だからこそ、社長は武蔵野を頼って、プログラムを導入されたのだと認識し
ています。これから、環境整備とは単なるお掃除ではないことを、しっかり
とお伝えしていきます。それが共通の認識になったとき、武蔵野が抜けても、
社内で教えあえるようになっています。環境整備がマンネリ化することなく、
習慣整備として定着するのです。
株式会社武蔵野
専務取締役 矢島茂人
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