札幌市の繁華街ススキノのホテル一室で、頭部のない男性の遺体が見つかった事件で、北海道警は24日、頭部を切断し持ち去ったとして、死体損壊、領得、遺棄の疑いで、札幌市厚別区に住む職業不詳の田村瑠奈容疑者(29)と父親で医師の修容疑者(59)を逮捕した。道警は2人の認否を明らかにしていない。頭部については「捜索中」としている。瑠奈容疑者と被害男性は知人だったとみて動機を調べている。
2人の逮捕容疑は共謀の上、1日深夜から2日未明にかけ、札幌市中央区のホテル一室で刃物のようなもので男性の首を切断し、頭部を運び出した疑い。捜査本部は24日、親子が同居する自宅を家宅捜索した。修容疑者はホテルには入っていないとみられるが、瑠奈容疑者を送迎するなどした疑いがあり、2人の役割や事件の経緯を調べている。
修容疑者は勤医協中央病院(札幌市東区)に精神科科長として勤務。鈴木隆司院長は「事情が分からない状況で、ただ驚いている」とのコメントを出した。また、精神保健福祉士の国家試験対策教材のDVDには講師として出演していた。40年来の友人という精神科医の男性(59)は「真面目で仕事熱心。社会活動にも取り組み、多重債務者の人たちなど常に弱者の味方だった。彼が医師免許を失うことになれば社会の損失だ」とした。瑠奈容疑者について、近所の人たちは「穏やかで、もの静かな印象」「小学校の頃から学校にはあまり行っていないようだった」と話していた。
捜査関係者によると、被害男性は北海道恵庭市の会社員浦仁志さん(62)。司法解剖の結果、死因は刺し傷による出血性ショックだった。