安倍は韓鶴子を礼賛した
このやり取りには、重大な意味がある。
私は'13年以降、ウェブメディア『やや日刊カルト新聞』を始め、多くのメディアに政界と教団の関係を追った記事を寄稿してきた。'13年7月の参院選の際に安倍が直接教団へ組織票の依頼をしたこと。そして、'16年の参院選前に教団の日本会長らを首相官邸に招いたことは、私だけがその証拠を入手し報じたものだ。
山上のメッセージからは、これらの記事をすべてチェックし読んでいたことが窺える。実際、山上のツイッターアカウントは私の記事のリツイートも行っているし、山上は'12年に、「やや日読者」というペンネームでネット上に書き込みしている。これらも、私が記事を書いてきた『やや日刊カルト新聞』の熱心な読者であった証左だろう。
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山上は、時系列に沿ってリアルタイムで安倍晋三と統一教会との関係を把握していた。つまり、山上が安倍をターゲットとした根拠は私の記事だったと言っても過言ではないのだ。
安倍と教団との関係を”正確”に把握していた山上にとって、大きな転機となったのは'21年9月。安倍が「前内閣総理大臣」の肩書で、教団関連団体『UPF』が韓国で開いた集会にビデオメッセージ出演したことだった。