安倍元首相銃撃事件《最大の謎》「なぜターゲットは安倍晋三だったのか」…山上徹也が熱心に読んだ記事の著者・鈴木エイト氏が辿り着いた「答え」

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事件前日に、山上からダイレクトメッセージ

山上は犯行前日、島根県松江市に住むルポライター・米本和広へ手紙を出している。その中で山上は安倍について、「本来の敵ではない」と書いている。だが、この手紙だけでは安倍晋三という政治家個人に対する山上の感情がいかなるものだったのかは判然としない。

私は、山上が安倍晋三を直接憤りの対象とした可能性も高いと見ている。なぜなら、山上は安倍がいかにして統一教会と密接な関係を築いていたかを知っていたからだ。
なぜ、そう言い切れるのかと訝しむ人も多いだろう。それは、私と山上本人とのやり取りが根拠となっている。

実は私は、事件の9日前、山上のツイッターアカウントとメッセージのやり取りをしていた。これは私の失態でもあるのだが、ツイッターアカウントが山上のものであることに気づいておらず、今年1月までその事実を知らなかった。事件後に取材した山上の弁護人から、「事件前に(山上は)ツイッターでダイレクトメッセージを送っている」と聞かされたのだ。

'22年6月29日に行われた山上とのやり取りは、以下のような内容だった。

山上 「『やや日刊カルト新聞』(編集部注・カルト問題を追及してきたウェブメディア。エイト氏が主筆を務める)を従前からずっと見ていました。初めまして。家族に信者がおり、統一教会をウォッチしている者です。やや日刊カルト新聞を始めエイト氏の日ごろの活動には頭が下がります。

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最近の統一教会ですが、7月10日、日曜日にさいたま市民会館、キャパ二〇〇〇人で何らかの催しがある旨、浦和家庭教会のホームページの礼拝週報から知りました。コロナ禍で大規模な集会は控えてきた統一教会ですが、何年ぶりかに活動を始めるのではないかと懸念しております。この大会について参加者等ご存じのことはないでしょうか?」

エイト 「情報提供ありがとうございます。(中略)私のほうでもチェックしておきます。」

山上 「ありがとうございます。よろしくお願いします。」

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