ビッグモーター、なんと30年以上前に「車庫飛ばし」で山口県警に摘発されていた!
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「車庫飛ばし」で摘発の過去
中古車販売大手のビッグモーター(東京都港区)の不正が次々とあらわになっている。顧客から預かったクルマを故意に傷つけたり、迷惑を顧みない販売手法を採ったりなど、さまざまだ。東京の一等地に本社を構える企業が、なぜこのようなことに手を染めたのか。
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ビッグモーターは、現・最高経営責任者(CEO)の兼重宏行氏が1976(昭和51)年に山口県岩国市で設立した「兼重オートセンター」が基となっている。1980年、社名を「ビッグモーター」に変更。山口県内で販路を拡大したのち全国へ進出し、2015年、本社を現在の場所に移転している。
同社は成長期からコンプライアンス精神が欠けていた。それを裏付けるのが、同社がまだ一地方企業にすぎなかった時代に行った不正行為である。不正行為とは、1990(平成2)年に山口県警によって摘発された
「車庫飛ばし」
である。車庫飛ばしとは、自動車購入時に警察に提出する「車庫証明書」に記載された場所と異なる場所に自動車を保管することである。
『朝日新聞』同年9月1日付が「会社ぐるみで「車庫とばし」 岩国の中古車販売会社を摘発」の見出しで報じている。以下、引用する。
「山口県警交通指導課と長府署は31日、岩国市川西3丁目、中古車販売会社「ビッグモーター」が、車の保管場所を村にすれば、車庫証明がいらないことに目を付け、所有を同県玖珂郡本郷村にある営業所名義にして中古乗用車を売っていたとして、同社と社長、社員8人を、電磁的公正証書原本不実記録(中国運輸局山口陸運支局にうその登録申請をし、コンピューターに登録させた)、同供用罪と道路運送車両法違反(変更登録不申請)などの疑いで、山口地検に書類送検した。調べによると、同社は1987年から今年6月までの間、下関市や山口市、防府市内などの車庫のない客に販売した中古車10台を、形の上では本郷村内の本郷営業所の社有車に見せ掛けて、山口陸運支局の登録を受けたり、名義変更しなかった疑い。同社は岩国市の本社のほか県内6カ所に営業所を持ち、県内最大手の中古車販売会社。本郷営業所は83年に開設。県警は「車庫とばし」をするために、営業所を設けた疑いもあるとして、調べている」