あなたはなぜ、ジャニーズタレント(芸能人)にならないのか?|平本淳也のジャニーズ社会学 (1/3ページ)
前回までは「ジャニーズに入るための方法」をより具体的に、実践的に伝えてきた。そこで今回はあなたはなぜ芸能人にならないのか? なるためにはどうすればいいのか……そんなテーマで進めていきたいと思う。
テレビや映画のオーディション時に行われる面接でよくある質問に「志望の動機」がある。あなたは何故この番組に応募しましたか?というものだが、就活的に言うと「当社を選んだ理由」と同じで、それなりの動機を言葉にして伝える必要がある。とくに芸能界の場合は「直球勝負」が求められる。
なぜ芸能人になりたいのか?と尋ねられたり、あるいは「応募書類」にこれを記すと意外と合格(通過)しやすいというのが、「有名になりたい!モテたい!金持ちになりたい!」の3つである。単純明快でわかりやすくてとても素直な印象で伝えられる言葉の代表だろう。つまり「どれだけ直球」で「素直」なのかを問いたいのが制作側の捉え方だ。「私の歌で世界を幸せにしたい」とか、「自分の演技で世の中を感動させたい」とか、そういう格好つけたメンドクサイ者はいらない。ただ素直に「何故か?」をストレートに答えられる者が使われる世界である。
要するに性と金で、人間が持つ欲の単純なところではあるが、これこそ芸能人に必要な「表現」のチカラの見せ所にも繋がり、歌手としても俳優としても成功する例が多くある。自分自身を適当に飾り建てると「それ、本音?」と突っ込まれるし、僕は萩本欽一さんからも「本心で自分を表現できない子はいらない」と教えられた。
実際にメジャーの舞台でタレントとしてデビューすれば、「有名になれて、モテて、金持ちにもなれる(かも)」の3つは概ね約束される。スキャンダルでどんなに嫌われても有名人となればやはり世間での待遇も格段と違ってくる。繁華街のお店に入れば、「これはお店からです」と頼んでもいないメニューが追加されたり、飲食代そのものが無料となったり、最近ではSNSに載せてくれたらお礼に無料するという店の申し出も少なくない。有名人って得だなとまず最初に思うのが環境の変化だ。
こんななにかとお得な特権を持ちながら、そのうえ高収入でセレブになれるなら芸能人は憧れの職業でありつつけると思いきや、最近では「ユーチューバー」に将来なりたい職業の座を奪われているのが時代の流れを感じさせる。芸能人=稼げるという印象は誰もが抱くが、それを証明するように被災地へのお見舞いにしても数百万円からの寄付は珍しくはなく、バラエティ番組ではギャラや貯金にまつわるエピソードでも注目されるのは桁違いの収入だ。最近ではV6の岡田准一が5億円の大豪邸を建設中と報じられたり、何やら大金を稼げそうな雰囲気ばかりは伝わってくる。