京都浪漫 悠久の物語

KBS京都テレビ
第1・2週 日曜日 21:00-21:55放送 (再放送 第3・4週 日曜日 21:00-21:55)

第126回 狂言師と巡る能楽ゆかりの地~御香宮神社・因幡堂・豊国神社・彦根城

2023年7月9日 放送

同じ舞台で交互に上演されるのを常とした能と狂言は、合わせて「能楽」と呼ばれる伝統芸能。
今回は狂言大藏流五家の一つ茂山千五郎家一門の最年長、茂山七五三(しめ)さんと「能楽」ゆかりの地を巡る。

最初に訪ねるのは、毎年9月に「御香宮神能」が行われる御香宮神社。「ろうそく能」とも呼ばれる奉納能の歴史は古く、600年ほど前から能楽のルーツとされる「猿楽」が境内で行われていたことを起源とする。この神社の能舞台は七五三さんにとっても想い出の場所。楽屋には曾祖父の名が記された古い看板も飾られている。
続いては、「因幡堂」や「鬼瓦」といった狂言の演目の舞台となっている因幡堂へ。実在する寺院がこれほど多く狂言に用いられている例は他にない。その理由を住職に尋ねた七五三さんは、これまで知らなかった大藏流の歴史秘話を教えられ、驚くことに。
豊臣秀吉を祀る豊国神社も「能楽」ゆかりの地だ。秀吉は天皇の前で自ら能や狂言を演じてみせたほどの「能楽」愛好家。秀吉が眠る豊国廟には「豊太閤三百年祭奉納能」の記念碑も残っている。全国から280人の能楽師が参加したこの一大イベントにも茂山千五郎家が深く関わっていた。
最後に訪ねるのは彦根城。城内にあった能舞台が彦根城博物館の中に移築されており、ここもまた七五三さんにとっては想い出の場所だ。京都に拠点を置く茂山千五郎家と滋賀県彦根市の城には、いったいどんな繋がりがあるのか?

第125回 愛宕ものがたり~愛宕神社と月輪寺

2023年7月2日 放送

今回は、火伏の神様で有名な愛宕神社や随筆家・白洲正子が愛した月輪寺を訪ね、時を超えて語り継がれる愛宕山の物語を紐解く。

古くから山岳修行の霊場、国家鎮護の道場として栄えてきた愛宕山が、霊場として開かれたのは今から約1300年前のこと。現在火伏の神様として信仰される愛宕神社は、明治の廃仏毀釈までは白雲寺という寺院で山内には白雲寺六坊と呼ばれる6つの坊が建ち並んでいたという。山内のあちこちに見られる参拝客をもてなすための茶屋跡が、愛宕参りが盛んだった往時を偲ばせる。さらに跡地巡りを続け表参道を少し外れた広場へ向かうと、昭和初めに建てられたという廃墟が姿を現す。蔦の絡まる廃墟が伝えるものとは?
山頂の愛宕神社を参拝した後は、表参道を通らずに月輪寺方面へと下る。月輪寺には、白洲正子が愛した千手観音立像と空也上人像など見ごたえのある仏像がズラリと祀られている。京都市街を一望できる境内に立ち、自然と共生する住職の話に時がたつのを忘れる。
表参道から月輪寺をめぐる山道をプロのツアーガイドの案内で巡り、古より信仰の山として崇められてきた愛宕山の歴史に触れる。