独立系太陽光発電において、設備を拡大していくと、最初に購入したパネルより、高出力のパネルを購入し、すべて置き換えてしまうなどにより、当初のパネルが余ってしまう場合があります。
このパネルを使って、別系統の独立系を作ってと、・・・・次々増殖し・・・  まるで自作DOS/Vパソコンのよう
になってしまう場合があります。

同一仕様のパネルであれば

並列接続例
パネル2_R


直列+並列接続例
パネル3_R

こののように接続できるのは、誰でも、わかっていると思いますが、
たとえば 旧来100Wパネルを使っていたが、200Wパネルに置き換えた。
以前使っていた100Wパネルを現設備に小容量のパネル追加したいと思っても、現在設置しているパネルとは電圧も電流も違う。
こんな場合は、小容量のパネル用にコントローラを追加するという方法が最も手っ取り早い。
しかし、MPPTタイプのコントローラを新たに追加するとなれば、それなりにお金がかかります。

現存のシステムのコントローラの能力に余裕がある場合や、設置面、日陰等により、現在設置しているパネルと発電のピークが重複しないので、コントローラの推奨するパネル容量を超えた過積載でもコントローラの許容電流を超えることがないと見込まれる場合、現コントローラに接続したいと思うこともあるはず。

そんな場合、以下の方法で増設が可能です。

1.並列に接続する場合は、現システムのソーラーパネルの動作電圧と同じ電圧の回路で、増設が可能 電流は問わない。

2.直列に接続する場合は、現システムのソーラーパネルの動作電流と同じ電流のパネルで、増設が可能、電圧は問わない。
 ※現システムで2並列以上になっている場合は、全回路に同じパネルを直列に追加する必要があります。

厳守事項
(1)見込まれる総出力がバッテリー充電電流に換算し、コントローラの許容電流以下であること。

※たとえばMPPT20Aのコントローラの場合 24Vシステムでは 仕様上520W迄となっているが、東西設置、日陰の影響、壁面設置等で 全パネルのピークが重ならない場合、パネルががたとえば800wと過積載されていてもピーク時の実発電能力で、520W以下(バッテリー充電電流で20A以下)であれば問題ありません。
※独立系太陽光のコントローラは、系統連系のパワコンと違い、ピークカットという思想がありません。発電しただけ、バッテリーへ充電電流を出力しようとします。(バルク充電モード) バッテリが満充電になったことを検知し、フロート充電に遷移し電流を低減する機能はありますけど、負荷を使用しながらの場合満充電検知できない場合もあり、仕様を超えた動作が続くと、コントローラが故障してしまいます。

(2)直列に接続した場合は、解放電圧が、コントローラの許容電圧以下であること。


新システムが 200Wパネルとし 2直で運用の場合
例1:
100Wパネルを4直すると200Wパネル2直と同じになるような場合は、以下の方法で接続可
100Wパネル4直で200Wパネル2直と同仕様になる場合
パネル4_R

例2:
100Wパネルを2直すると200Wパネル2直と同じ電圧になるような場合
並列の場合 電流は問いません

パネル5_R


例3:
電圧さえ合えば、更に小さいパネルも合わせることができます。
パネル6_R

例4:
電流が同じであれば、100Wと200Wのパネルは直列接続も可能
MPPTコントローラであれば、コントローラが電力変換します。
バッテリーの電圧にとらわれずに、パネル電圧を高めることができます。
※コントローラの許容入力電圧に注意してください。
パネル7_R


例5:
追加回路の電圧は、合わせているけど、異なる電流のパネルは直列につなぐことができません。
パネル8_R


例6:
追加回路のパネル電流は直列回路で一緒だが、並列接続の電圧が異なるため接続できません。
パネル9_R


なお、並列接続する場合、逆流防止ダイオードが原則として必要です。



こちらの記事にちょこっと書きましたが、逆流防止ダイオードは、常時電流が流れロスになります。
回路毎の多少の1V程度の違いであれば、無くても、発電しているパネルから発電していない(日陰等)に
逆流することは、当家のシステムで実測した結果では、ありませんでした。

理想としては、全パネルが同じ方向角度、同じ日照であることが望ましいのですが、パネル面を段ボール等で覆ってしまうようなことをしない限り、日陰でも日照のあるパネルとほぼ同じ解放電圧を出力しています。
そしてMPPTコントローラにて、動作電圧付近で電流を取り出している(通常解放電圧の80%付近の電圧に落ち着きます)ときも、もちろん逆流せず、日照があるパネルが数Aの発電があるとき、並列につながった日陰パネルも0.1A程度の発電電流が出力されていました。

当家の独立系環境より 
(a)独立系1号機 
190Wパネル2枚並列+50W2直したものを並列接続 190W1枚は、十分日が当たる場所に設置、もう1枚は、常時日陰 春先、日陰パネルに半分程日照
50W2直は、南壁面のため、冬は日照が入るが太陽高度が上昇する春先より、自身の屋根の影が発生

(b)独立系2号機
50Wパネル2枚 東面 50Wパネル4枚西面 建物の影により、排他で日照があるが、解放電圧は、ほぼ同一、


例に当てはまるような、構成が出来れば、コントローラ追加無しに増設可能です。

余剰パネルの合計直列数ががシステム電圧より低い場合は、昇圧タイプのコントローラの追加が必要です。
当発電所でも稼働してますMPT-7210Aがコスト的に安く、便利です。
参考記事:


たとえば24vシステムに 50wパネル(18V)1枚単位で追加する等柔軟なシステムが出来ます。
但し、このコントローラはfan音がうるさいので、対策必要なのが難点


せっかく購入したソーラーパネルです。
余すことなく、発電に寄与させてあげましよう。



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