個体潤滑とはオイルに固体の潤滑剤を混ぜ、低摩擦性や対摩擦性、極圧性を向上させる方法。古くは1920年代のゴールドラッシュ時代、トロッコの車軸の潤滑のために金鉱脈付近で取れる黒鉛(グラファイト)を使ったのが始まりと言われています。高性能ルブで有名になった製品にグラフェンという物質が使われていますが、グラファイトとグラフェンは異なる物質なのでご注意ください。
みじかにあるもで例えると鉛筆の芯の。これは紙の表面に多層化した黒鉛が剥がれながら紙にくっつくことで文字が書けます。固体潤滑剤の多くは同じように荷重がかかると表面の層が剥がれることで低摩擦化し極圧性を向上させます。しかし、鉛筆の芯と同様、黒鉛は荷重に弱く摩擦低減性も低く、昨今ではあまり使われません。
そこでモリブデンの登場です。ここでのモリブデンは二硫化モリブデン。(前にお話したゆうきモリブデンではなく固体のモリブデン)溶解温度が高く人工的には作り出ず鉱脈の中から採取されます。最近は質の良い鉱脈がなくなり工業界でも大きな問題になっているのはあまり知られていません。
そして革命児が誕生します。38年ロイ・J・プランケット博士が冷媒に関する実験中に装置の操作を間違えてしまったことで誕生したテフロン。これはデュポン社の商標。現在ではフッ素樹脂PTFE、PFAなど分子構造で呼ばれます。このフッ素樹脂は革命を起こします。防汚性、撥水性、低摩擦性を生かし、クリーンルームやハードディスクなどのオイル、個体潤滑の粉体、樹脂など様々な用途に利用されます。
今回はここまで、次回から様々な固体潤滑剤の種類、特徴、デメリットなどをご紹介していきたいと思います。
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