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なぜ「ビッグモーター」で不正が起きたのか レオパレスや大東建託との共通点

ITmedia ビジネスオンライン / 2023年7月19日 10時32分

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「ビッグモーター」のダイナミックな不正が明らかに!

 「クルマを売るならビッグモーター」というテレビCMでお馴染みのビッグモーターのダイナミックな不正が明らかになった。

 ビッグモーターの第三者委員会が損害保険大手各社に提出した調査報告書によれば、ゴルフボールを靴下に入れて車体を叩く、ドライバーで傷つけるなどして、修理費用を水増しして保険金を請求していたというのだ。これらの不正は、5年以上前から行われていた可能性が高いという。

 ご存じの方も多いだろうが、ビッグモーターといえば、テレビCMや広告で盛んに「買取台数6年連続日本一」をうたっている。現場でせっせとクルマを傷つけながら「日本一」の座を守っていたということになる。

 なぜ現場の人々がこんな無茶苦茶なことをやっていたのかというと、「厳しいノルマ」があるからだ。

 報告書によれば、同社では事故車両の修理費用に1台当たり14万円前後のノルマを課していた。本来、修理費用は車両の損傷状況によって決まるが、同社の場合は板金や塗装部門が修理工賃や部品から得る粗利の合計額が14万前後になるように求められていたというのだ。

 この理不尽な目標を達成するため、現場ではさまざまな不正が行われていたらしい。特別調査委員会のサンプル調査では、検証した案件のうち、34カ所の工場で4割を超える不正が疑われる行為があった。また、このノルマについて「@(アット)」という隠語で呼ばれていたことから、かなり組織の中で浸透していたことがうかがえよう。

●問題が起きた背景

 では、なぜこんな問題が起きたのか。特別調査委員会が同社に指摘した原因としては、「不合理な目標設定」「経営陣に盲従し、付度する歪な企業風土」「現場の声を拾い上げようとする意識の欠如」などが挙げられている。

 しかし、報道対策アドバイザーとして、この手の不正も山ほど見てきた立場で言わせていただくと、これはなにもビッグモーターに限った話ではない。「団塊ジュニア企業」が、この10年あまりこぞってハマっている「定番の失敗パターン」だ。

 「団塊ジュニア? なんだよそれ?」と思った方のために説明すると、団塊ジュニア企業とは第二次ベビーブームによる需要増が大きな要因で急成長して、全国展開を達成した大企業を指す筆者の造語だ。

 分かりやすいところでは、1973年創業のセブン-イレブン・ジャパン、同年に創業したレオパレス、翌74年創業の大東建託などがこれにあたる。76年創業のビッグモーターは人間で言えば、団塊ジュニア世代(71~74年)ではないが、団塊ジュニアを授かったファミリーが国内で爆発的に増えて、その恩恵を得た会社のことを「団塊ジュニア企業」と呼ばせていただく。

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