"子どもたちだけ"の水難事故相次ぐ “急に深いところにはまった”…危険をどう防ぐ?
子どもの水難事故が相次いでいます。福岡県では、川遊びをしていた小学6年生の女の子3人が溺れ、亡くなりました。また、三重県では海岸で遊んでいた14歳の男子中学生が高波にさらわれ亡くなりました。いずれも、子どもたちだけで遊んでいた最中に起きた事故でした。
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21日午後5時ごろ、福岡県内の小学校が緊急で会見を開きました。
宮若西小学校 日高暢裕校長
「亡くなった…お子さんについてはご冥福をお祈りするとともに…」
事故は夏休みの初日に起きました。現場は福岡・宮若市を流れる犬鳴川。ここで川遊びをしていた女の子3人が亡くなったのです。
「友達が上がってこない」との110番通報があったといいます。当時、8人の子どもたちが川遊びをしており、小学6年生の女の子3人が流され行方不明になりました。
その後、駆けつけた警察と消防が水深3メートルほどの川底で3人を発見しましたが、心肺停止の状態だったといいます。
救助活動を見たという近所の人は「子どもたちは、一緒に遊んでいた子かな、河川敷で泣いているような感じでした」と話していました。
3人は、搬送先の病院で死亡が確認されました。なぜ事故は起きたのか、当時の状況について学校は次のように説明しました。
宮若西小学校 日高暢裕校長
「最初は浅いところで遊んでいたそうですけども、そのうち遊んでいた4人が急に川の深いところにはまってしまった。1人は近くにいた友達が2人で一生懸命引き上げてひっぱりあげた。3人はそのまま流されてしまった」
女の子たちは、“急に川の深いところにはまってしまった”ということです。
かつて、日本テレビは専門家の立ち会いのもと、川の急な深みの危険性を検証しました。
検証した川は一見、透明で水深が浅く見えました。しかし、番組スタッフが向こう岸まで行こうとすると突然、足をとられ川に流されました。急に川底が深くなり、足がつかなくなっていたのです。
水難事故に詳しい専門家は次のように指摘しています。
日本水難救済会 遠山純司理事長
「予期しない状況でいきなり足をとられて、まず精神的にショックが大きい、パニックになる。そうすると(水面上に)体を冷静に上げて、呼吸を整えるということが非常に難しくなります」
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子どもたちだけで遊んでいた最中に起きた水難事故。それは三重・津市でも発生しました。
入ったのは、「1人が高波にさらわれて見つからない」との通報。ヨットハーバー近くの浜辺で沖に向かって泳いでいた14歳の男子中学生が行方不明になったのです。
その後、岸から100メートルほど離れた海底で発見されましたが、搬送先の病院で亡くなりました。亡くなったのは松阪市に住むフィリピン国籍で中学3年のドゥラン・アキラ・ジェームス・マドゥムさん(14)です。
当時、高校生1人と中学生7人の合わせて8人が遊んでいたということで、保護者はいなかったといいます。専門家は、子どもたちだけでの海や川での水遊びはしてはいけないと話します。
日本水難救済会 遠山純司理事長
「子どもだけだと遊びに夢中になって、周りの状況判断が難しくなる。海、川に入るのに適した天候であるか、流れが強くないか、その場所が泳ぎに適しているか、監視の人がいるかなどをチェックする必要がある」
(『news zero』より)