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作者、喜びより驚きが勝っておりなんとも言えない顔になっております。
一時ルーキーランキング6位だったらしいとか友人から聞きまして、な、何が起きてますのん?
と言う気分でございます。
何はともあれありがとうございます。
このような駄文ではありますが、楽しんでいただければ幸いです。
十師族。それは日本の魔法に関連するものならば誰もが知る魔法師社会のを統括し導くことを目的とした組織であり言わば日本魔法師社会のリーダー的存在である。
表立っての権力こそ放棄したものの、国家の裏において絶対的ともとれる不可侵を示せるだけの力がある。
この十師族と言う組織は細かく見れば非常に大きな力を持った魔法師家系のトップテンで構成されておりその選出も師補十八家と言う十師族を補佐する下部組織を含む合計二十八家から選出されるという形をとっている。
この二十八家も魔法師社会のトップ集団と言う認識で間違っていないだろう。
十師族についてはこのあたりにするとして、俺比企谷八幡に重要になるのは師補十八家。中でも八幡と言う家についてだ。
現在の師補十八家には「八幡家」は存在しない。まぁ、昔はあったのだが。まぁ、ざっくばらんに言えば滅んだのだ。
大亜連合の沖縄侵攻作戦。
この日本の歴史的に大きな戦いの裏で大亜連合艦隊は沖縄上陸の時間を稼ぐため九州に対して攻撃を行っていた。沖縄への軍の派遣を少しでも遅らせるための策ではあったが当時九州防衛の一翼を担っていた八幡家は当然のように参戦した。当時の八代家と共に防衛線は確保され、後は海上の軍艦の対処と言うところで、“沖縄方向への退却を許した場合の被害を考え、確実に殲滅する必要がある”と言うのが軍からの判断であった。
その先鋒となったのが八幡家当主を率いる部隊であった。その活躍は著しく相手保有戦力の8割を無力化することに成功。軍も十二分な戦果として撤退を指示したが撤退の為の船が大亜連合の最後の抵抗により破壊され救助部隊が向かうも連合艦隊は自爆を敢行。部隊は全滅したのだ。
これにより八幡家は衰退の一途を辿った。当主の息子が居たが失ったものがあまりにも多すぎた。その他分家もほとんどは戦死したため、当主の妻もそのショックから魔法力を喪失と言う結果になった。
その後八幡家は戦果を挙げつつも多数の魔法師を失ったという責任を取る形で師補十八家から退いた。
これが八幡家次期当主となるはずだった俺の親父の話である。
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いや、昨日の水波の飯は美味かった。その幸せを噛みしめ、俺は二度寝に・・・
「八幡様、朝でございます!!小町様に“布団引っぺがしてでも起こして”と命を受けておりますのでご無礼をっ」
はい?布団を引っぺがす?などと思っている間に俺の相棒おふつぅーんが取り上げられる。寒い寒い寒い寒い!!
「寒い!」
「お兄ちゃん早く降りといでね~」
春先でも寒いんだからな?あぁもうしゃーない。・・・・・・学校行きたくない。
そう思いつつも階段を降り朝食へ向かう。
「八幡さんおはようございます。」
「おふぁよふぉ。」
どことなく少し緊張気味の深雪に挨拶を返しつつ朝食にありつく。
「八幡はいつも通りだな。今日の事分かっているのか?」
「・・・説明の話なら分かってる。どこでやるんだ?」
昨日の今日だ。さすがに忘れていないが会場の確保は達也が出来ると言っていたのだ。
「昨日そのクラスメイト達とお茶をしたのは聞いたと思うがそこで問題ないだろう。
それより例の二人、しっかり連れて来いよ?」
うぐっ。それが一番難易度高いんですが。と言うか女子に話しかけるの何年ぶりだよ。いや、俺にはマイエンジェル小町と水波が居るじゃないか!!・・・え?家族はダメ?
・・・・・・勘の良いガキは嫌いだよ。
「まぁ、頑張ってみるわ。最悪、・・・・・・深雪に頼むわ。」
「八幡さん・・・・・・。」
やめて!そんな目で見ないで!!
それはさておき、今日はオリエンテーションだったか?まぁ、放課後に大仕事が待ってるし平和な一日だと助かるんだがな。・・・・・・あれ、フラグ、か?
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誰だよフラグとか言ったやつ。回収しちゃったじゃねえか。・・・俺だったわ。
「司波さん一科と二科のケジメはつけるべきだ。」
「何よあんたたち!!深雪は達也君とご飯食べようとしてるだけじゃない!!」
やべえなぁ、なんかヒートアップしてきてるぞ。
「軽い状況説明願っていいか?」
近くにいた光井に状況説明を求めた。
「あ、八幡さん。えっとね・・・。」
「司波さんが二科生の人たちとご飯を食べようとしたのをみて司波さんのクラスメイトが絡んでる」
なるほどな。しかし、どれだけ浸透してるんこの差別意識。一年の入学したてでこれって相当でしょ。
「深雪、俺はもう食べ終わったから行くよ」
達也が動いたか、なら。
「深雪どこか別の席に行こう。多分これ以上は達也にも迷惑になるぞ」
ぼそっと耳元で囁いて今日は諦める様に促す。
深雪も不本意そうではあるものの折り合いはつけてくれるようだ。
食事中の深雪の不機嫌さで、食事がどうなったかはご想像にお任せしよう。
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立てたフラグは回収した。もう大丈夫だ。
そう思っていた時期が俺にもありました。
帰りがけは順調だった。北山と光井はどうやら昨日の事を話すのは放課後まで我慢してくれていたらしく、出来れば詳しく事情が聴きたいと話しかけてくれた。
その申し出はこちらの予定通りだったのでこれ幸いと本日の要件を伝え、一足先に達也との待ち合わせ場所に向かった深雪を追いかけたのだが・・・。
「司波さんは僕らと一緒に帰るべきだウィードと一緒に帰るべきじゃない!!」
「深雪は達也君と帰りたいだけじゃない!!なんであんた達が出てくんのよ!!」
あぁ、またこのパターンかよ。この後の事を考えると面倒事はご免なんだが・・・。
しかし、独占欲強いわ、エリート意識の塊だわどうなってんだ?ここ。
「これは1-Aの問題だ!ウィード如きが俺たちブルームに口出しするな!!」
「なら、俺は口出していいわけだ。」
面倒だがここで達也が目立つのは得策じゃないし俺が出るしかないだろう。それに何よりこいつらはちょっと気持ちが悪すぎる。
「1-Aの比企谷八幡だ。悪いが深雪は向こうが先約だ。譲ってやってくれないか?」
「・・・・・・お前、ウィードの肩を持つのか?」
おい、ここまで毒されてるのかよ。
「いや、どっちの方を持つとか以前の・・・」
「おや、この学校の流儀もわかっていないのかい?やはり君は身の程を知るべきだよヒキタニくん。」
「・・・葉山。」
恐らくこの場に最も不必要な存在が侮蔑的にこちらを見つめていた。
「またお得意の欺瞞に満ちた人助けごっこかい?」
面倒なのが出てきやがったな。
「お前が俺の事をどう思ってようがどうでも良いが、この話にお前が介入する理由はないだろ。」
「お互い同じ新入生なんだ言い合いに発展していたら止めるのが人情と言うものだろう?
どうかな深雪さん。森崎君たちも少し相談があるから時間を貸してほしいだけだと思うんだけど、それでも無理なのかな?」
お得意のみんな仲良しだが、この場では・・・。
「無理だってさっきも言ったでしょうが!」
通らねえよな。むしろ油注いでるまである。
「引っ掻き回しに来たんなら帰ってくれ。正直迷惑だ。」
「引っ掻き回してるのは貴方でしょう。葉山君は建設的な意見を提示しただけよ。」
今度はこっちかよ・・・。
「私たちはみゆゆんに話を聞きたいだけだから!!ヒッキー邪魔すんなし!!」
みゆゆんって誰ですかね・・・。さて、どう収めるかねぇ・・・。
「深雪さん、そんなに時間を取らせるつもりはないわ。どうかしら?」
「あんたは唐突に出てきて何様のつもりよ。外野は引っ込んでてほしいんだけど?」
「私は一科生。貴女は二科生。どちらが外野なのかわからないかしら?」
相変わらずの上からだなー・・・・・・。
「同じ新入生じゃないですか・・・貴方たちブルームが今の時点でどれだけ優れているというんですか!!」
気持ちは分からないではないがそれは不味い・・・。このプライドの塊にその挑発は・・・!
「なら見せてやる!実力の差ってやつを!!」
消すか?いや、大丈夫だな。
「この間合いなら体動かした方が早いのよね」
「バカな・・・」
今のうちに何か・・・って不味っ!!
「ウィードの癖に・・・」
取り巻きの一科生がCADを操作し始めた。
「み、みんな・・・ダメ!!」
光井!?あぁ、もうしゃーない。自衛ってことになってくれよ。
「きゃっ!!」
八幡の放った術式解体(グラム・デモリッション)に驚き悲鳴を上げる。
「何をしているのですか貴方たち!!」
あれは確か生徒会長だったか?自発的な魔法発動を実行できてたのはあの森・・・何だっけ?森柳?だけだからな何とか言い訳できないか・・・?
「風紀委員長の渡辺摩利だ、事情を聴きます。まず全員来なさい。」
威圧するように見渡す風紀委員長。
「待って下さい風紀委員長。この場で魔法を使用したのはそこの男だけです。」
「ほう、私にはそちらの女子生徒が攻撃性の魔法を放とうとし、それを迎撃したように見えたのだが?」
「術式解体(グラム・デモリッション)ですね。比企谷君が止めてくれなければ大惨事だったかもしれませんよ?」
と、光井の方を見る七草。
「それはただの閃光魔法ですよ。殺傷能力も非常に抑えられていましたし。」
「どういうこと?」
七草が問う。
「彼女は驚いてしまっただけでしょう。自分が後学の為森崎一門のクイックドローを見せてもらっていたのですが、真に迫っていたのでしょうね。危険だと感じて気を引こうとしてくれたのだと思われます。これは自衛ととれると考えます。」
「どうやら君は展開された起動式を読み取れるようだな?」
「実技は苦手ですが分析は得意なので。」
「摩利、もういいじゃない。ただ教え合っていただけなのよね~?」
更に追求しようとする風紀委員長に被せるようにいうと。
「魔法の使用には細かいルールがあり、今回は入学したばかりと言うことで不問にいたします。魔法を使用した自主活動は控えた方が良いでしょう。」
「会長がこう仰せられるので今回は不問にします。今後はこのようなことが無いように。」
それに伴い周りの生徒が一斉に頭を下げる。
・・・ふぅ。何とか切り抜けられたな。
「君、名前は?」
摩利が問いかける。
「1年E組の司波達也です。」
「君は?」
俺の事か・・・?と自分を指さすと頷かれた。
「1-Aの比企谷八幡です。」
「覚えておこう。」
そう言って颯爽と去っていった。すげえ宝塚な人だな・・・。
「お前が見抜いた通り俺は森崎本家に連なるものだ。司波達也、俺はお前を認めない。それと比企谷、この借りはきっちり返してもらうぞ。」
何の貸しだよ。返さねえよ。
言って満足したのか去っていく森なんとかさん御一行。さて残るは・・・。
「君は本当に、僕の邪魔しかしない男だな。」
そう言い残し憎悪の目を向けた葉山は雪ノ下たちを連れだって帰っていった。
いや、勝手に邪魔されにくんのやめてもらえませんかね?ほんと。
「帰りましょ!あいつらのせいで遅くなっちゃったじゃない。
それにまたしゃしゃり出てきた奴も居るし。達也君、詳しい話聞かせてくれるんだよね?」
不機嫌さを隠す気が無い姿勢、あいつがエリカか・・・?
まぁいいとりあえず合流しよう。
「達也、この子たちが昨日の、だ。」
「君はさっきの閃光魔法の・・・。」
「光井ほのかです。先ほどは庇っていただきありがとうございます!」
そう言って深く頭を下げる光井に北山も続く。
「お礼を言うのは俺よりも八幡にだろう。もし閃光魔法が発動していたら少し説得が難しかったかもしれない。」
「八幡さんもありがとうございますっ」
「気にするな説得は達也がやったんだ実質俺は何もしてない。」
実際説得しようとして失敗してるしな。
「まぁ、ともかく何とかまとまって良かった。さっきの件も含めていろいろ話したいこともある。目的地に移動しよう。」
そう達也に促され目的の店に向かった。
説明までたどり着けなかった・・・。
次回は八幡の過去、雪ノ下達との因縁をガッツリ説明する予定なのでよろしくお願いいたします。