やはり俺の相棒が劣等生なのはまちがっている。   作:読多裏闇

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さて、3話目です。

3話かけて1日ってヤバくないでしょうか・・・。

後、俺ガイルキャラにアンチヘイトがかかりかねないエピソードが含まれます。今後恐らく容赦なく採用されますので苦手な方はブラウザバック推奨です。


入学編3

 

 深雪の答辞は大方の予想通り見事だったと、会場の人間の顔を見ればわかる。大半はその容姿にあてられているだけだろうけれども、好感触なのは間違いないのだから答辞としては申し分無いだろう。

 

『まぁ限界ぎりぎりのワードが満載だったけどな。』

 

 入学式が終われば後はIDカードの交付がある。ざっくばらんに言えば学生証とクラス分けの発表の事で入学者にとっては心躍るイベントの一つであることは間違いないだろう。

 どうやら達也は二科生の友人ができたらしいので場を乱す必要もないからと個人で動こうとしていたところ先ほど知り合った光井と北山にIDカードを受け取りに行くことを誘われた。目的地も一緒であり固辞する理由も特に見当たらなかった為だらだらと向かうことになった。

 

「司波さんと従兄妹なのには驚いた。」

 

 北山が入学式開始前の話を続きを促す。

 

「あぁ、あいつは親族の中でも容姿が飛びぬけてるからな。」

 

「あ、いえ・・・・・・。あの比企谷君はその・・・目が・・・」

 

 遠慮がちに光井が目を背けるが皆まで言わなくていい。と言うかうまく核心に触れずに言ったんだから汲み取ってほしかった。

 

「でも、あの司波さんの従兄なら次席の成績もうなずける。入試の時の魔法は正直圧巻だった。」 

 

「本当にすごかったよね。私も雫も前の学校ではトップ争いをしていたから自信があったけど、井の中の蛙だったって思い知らされたもの」

 

 あぁ、入試の時の深雪と同じ会場だったのね。ならその感想もうなずける。因みにだが司波兄妹は同じ試験会場で試験を受けていたが俺は別会場だった。まぁ家で同じタイミングで出願をしたならば続き番号になっても不思議はないだろう。

 

「正直深雪と比べられても大したことはできないぞ?・・・っと着いたな。」

 

 IDカード交付場所についた八幡たちは手早くIDを発行した。俺はどうやらA組の配属らしい。確か達也は深雪と待ち合わせていたはずだが、俺は特に呼ばれてない。(深雪は八幡を“含む”達也と待ち合わせたつもりだったが名指しじゃなかった為八幡はそう解釈した)

 

『よし、帰れる!!』

 

 心の中でガッツポーズ気味の八幡である。いやだって帰りたいからね?帰りたくね?

 

・・・・・・え?違う?

 

「八幡は何組?」

 

「あぁ、A組だが・・・・・・。ってなんで名前呼び・・・。」

 

 この質問は北山だ。と言うかなんでこんなにぐいぐいなのこの子。

 

「じゃあ、クラス一緒だよ八幡。後、友達をわざわざ苗字で呼ぶ必要無いし、私は雫でいい。」

 

「私も同じA組ですね。あ、私もほのかでいいですよ?」

 

 いや、フレンドリー過ぎませんかね?と言うか友達って・・・。

 

「いや、いきなり名前呼びはちょっと・・・。」

 

「・・・?なら勝手に呼ぶから八幡は好きに呼んでいいよ。」

 

 いや、その首をかしげながらこっちを見るのやめてくれませんかね可愛いから。そういうのが世の男子を勘違いさせて死地へと誘うと言うことを全国の女性一同は知るべきだと思うのですよ。

 

「私たちはこの後ホームルームを見に行く予定なのですが八幡さんも一緒にどうですか?」

 

「あ、いや俺はそろそろ帰ろうかt・・・」

 

 

「あら、比企谷君じゃない。」

 

 

 空気が凍った。まぁ、こいつらの事を知らないであろう北山たちですら不穏な空気を感じて静かになったのだから相当な雰囲気が出ていたのだろう。

 

「雪ノ下に、由比ヶ浜もか。」

 

「貴方のようなゴミがこの学校に入学できるなんてね。いえ、一色家の回し者なら簡単に入れるのかしら?」

 

「なんで居るしヒッキーキモイ。」

 

 侮蔑を隠そうともしない言い回しで容赦なく切りつける罵詈雑言を浴びせる。どうやら虫の居所が相当に悪いと見える。大方入試成績か何かでも見てよくわからないヘイトを蓄えたのだろう。

 

「目障りだから早々に立ち去ってもらえないかしら?出来ればこの学校から。ここはあなたのような屑が居ていい場所じゃn・・・」

 

「さっきから聞いていたけれど随分と失礼。もし、“あの”雪ノ下家の子女のセリフなのだとしたら軽蔑を通り越してあきれ返る。

 それに成績で間違いなく負けている貴女が八幡に出ていけなんて言える立場にあるわけがない。」

 

 どう流そうか考えていたところ北山が唐突に食って掛かかった。光井も不快感を隠そうとしない形相でにらみ付けている。これは非常に不味い。

 

「関係ない方はしゃしゃり出てこないで貰えないかしら?」

 

「八幡は友達。だけれどそれ以上にあなたの言い回しや言葉は見ているだけも不快。あまり人格に対して物申すのは好きじゃないけど見ていて嫌悪感しかわかn」

 

 これ以上はマジで不味いな。このムードだと下手したら魔法を使う手段に手を出しかねない。

 

「あーーーーはい。ストップ俺はもう帰るからここまでにしろ。北山、こんな奴に時間を割くの時間の無駄だろ?」

 

「比企谷君、それはどういう意味k・・・」

 

「こんなところで問題を起こすことが雪ノ下家的に問題が無いのなら付き合うが?」

 

 これで引かないほど頭に血は登っていなかったのだろう。一にらみした後由比ヶ浜と共に去っていった。

 

「八幡さんあの人たちは・・・」

 

「中学の時の同級生だ。まぁちょっといろいろあってな。」

 

 変に巻き込むにも忍びないしここいらでお暇するとするか。

 

「悪いがそろそろ帰るわ。今日は巻き込んで悪かったな。あいつらがなんかちょっかいかけてきたら言ってくれこっちで何とかする。」

 

「気にしてない。それに過去に何があったにしてもあれは見るに堪えなかったし。」

 

「そう言ってくれると助かる」と言い残し帰路についた。しかしこの感じだと葉山も入学してる可能性があるな、ちょいと調べるか。

 今後あいつらがちょっかいかけてくるのはほぼほぼ確実だろうという事実に酷い頭痛を感じないではないが少なくとも今日巻き込んでしまった二人を守るくらいはしないといけない為対策を考えつつ重い足を前に進めた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 八幡が頭痛を抱えながら帰路についたころ達也は入学式の際に知り合った千葉エリカ、柴田美月、と共に講堂の出口付近で新入生総代である妹の深雪を待っていた。

 

「お兄様お待たせいたしました。」

 

深雪にとってはいつも通りだがそれでもストレスが溜まっているのだろう。おくびにも出していないが“やっと抜け出せた”という思いが達也には伝わってくる気がした。

 

「早かったね?」

 

 普通に返答したつもりだったが予定外の事に少し語尾が疑問形になってしまったようだ。

 予定通りの待ち人は、予定外の同行者を伴っていた。

 

「こんにちは、司波君。また会いましたね。」

 

 人懐っこい微笑で生徒会長は微笑手を振る。

 本来ならばそちらの対応を先にするのが一般的だろうが深雪の興味は達也の周りの女生徒に移った。

 

「お兄様、そちらの方たちは?」

 

事情説明が待てないらしく気持ちオーバーアクション気味に質問を投げる。まぁ、特に隠し立てする必要もない案件なのであっさり説明するだけの話なのだが。

 

「こちらが柴田美月さん。こちらは千葉エリカさん。クラスメイトなんだ。」

 

「そうですか・・・。早速、クラスメイトとデートですか?」

 

 深雪が可愛らしく小首をかしげる仕草に含みなど全くないパーフェクトな笑顔でこちらを見る。

 ただし目が笑ってない。

 

 挨拶やお世辞の十字砲火で思いのほかストレスが溜っていたらしい。

 

「そんなわけないだろ。深雪を待っている間二人と話して待っていただけだ。

そういう言い方は二人に対して失礼だよ?」

 

「初めまして。司波深雪です。

同じ新入生ですのでお兄様同様、よろしくお願いしますね。」

 

 その後何かを感じたのか3人仲良く交流を深め始めたのを尻目に後ろで見ていた生徒会関係者と思わしき人物、(まぁ片方はあの生徒会長なわけだが)に話しかけた。

 

「深雪に用事ですよね?お時間がかかるようでしたらどこかで時間を潰してきますが?」

 

 と、暗に所要時間を尋ねると、それを察した深雪が戻ってくる。

 

「大丈夫ですよ?今日はご挨拶させていただいただけですから。

 深雪さん・・・と呼ばせて貰ってもいいかしら?」

 

「あ、はい!」

 

その返答に生徒会長は満足そうに微笑み

 

「では深雪さん、詳しい話はまた、日を改めて」

 

 そのまま講堂を立ち去ろうとする生徒会長にお付きの生徒会役員と思われる人間が今後の予定が云々と食い下がったが目で制されその後達也を睨んでいたが深雪はどうあれ達也には何らどうでもいいことであった。

 

 

 

 

 




やっと俺ガイルキャラ出せたよ。味方皆無だけど。

いわゆるアンチヘイトに分類される程度には険悪になっているので苦手な方はお気をつけください。

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