何のためにナンバープレートを盗難するの？ 盗難リスクを減らす方法をカーディーラーに聞いてみた

ナンバープレートの盗難が増えている。 タイヤ、カーナビなどの数ある部品のうち、ナンバープレートの盗難割合は46.8%も占めているという。(令和4年度・警察庁『自動車盗難等の発生状況等について』より)

先日も、明らかに怪しいナンバープレートを見つけた投稿主が通報したTwitter投稿が話題になった。最終的にそれが盗難されたものかどうかの確証は得られなかったが、

・ナンバープレートの留め具に封印がしていない
・普通、3ナンバーか5ナンバーのセダンにも関わらず480の軽貨物用ナンバー
・軽貨物用のナンバープレートは黒地に黄文字のなのに、白色のナンバープレート

など怪しい点がいくつかあった為、偽造もしくは盗難されたナンバープレートではないかといった声が数多く寄せられていた。

カーナビなどの、それ自体に商品価値があるものならわかるが、ナンバープレートはメルカリなどフリマアプリで相場を見ても数千円程度。それ自体の商品価値は高くなさそうなのに盗難されるのはなぜだろうか。

ナンバープレートの盗難事情について「ネッツテラス尼崎店」の寺嶋良平さん（以下、寺嶋）に話を聞いた。

ーー先日、怪しいナンバープレートがTwitter上で話題になりました。

寺嶋：例のツイートの写真を見る限り、色々な違和感がありますが、そもそもプレート左上の封印が外れていました。軽自動車以外の車は、封印なしで公道を走ることは禁止されています。この封印は陸運局など限られた場所でしか行えない上、破壊しない限りナンバープレートを外せません。なので、封印のないナンバープレートは、非常に怪しいと言えます。

ーー車に詳しい人が見たらすぐに分かるのに、盗難してまで偽装するのはなぜでしょうか？

寺嶋：犯罪を遂行する際の一時的な時間稼ぎのためでしょう。警察に職務質問でもされたらすぐにバレてしまうはずです。

ーー自分のナンバープレートが犯罪に利用されるのを、防ぐ方法はありますか？

寺嶋：例えば、盗難防止のロックボルトがあります。ホームセンターなどには売られていない特殊なネジ穴を採用しています。弊社のものは、ブランドロゴでネジ部分を隠してあります。それを外したとしても、何パターンもある特殊な工具でしかネジが回りません。最近では、ナンバープレートだけではなく、カーナビやタイヤにも同様の機構が導入されるケースが増えています。盗難に有効なのは、いかに泥棒に時間をかけさせるかだと思います。

ーーナンバープレートを盗難されたらどうなるのでしょう？

寺嶋：まずは警察に通報する必要があります。また、ナンバープレートのついていない車で走行することが禁止されているので、盗まれた時点で運転ができなくなります。JAFなどのロードアシストに連絡を取り、レッカーで移動させるか役所に出向いて、仮ナンバーを取得する必要があります。かなりの手間なので、弊社に代行を依頼されることもありますが、費用もかかってしまいます。さらに、まったく同じ番号のナンバープレートは発行できないため、お気に入りの番号だった場合は、抽選をする必要があります。

ーーナンバープレート盗難について、ディーラーとしてどう感じますか？

寺嶋：私が担当しているお客様ではなかったのですが、過去に当店でも何名か被害に遭われています。イタズラや部品盗難などの被害を受けたお客様から連絡を受け、直接出向いたことがありますが、どの方も非常にショックを受けていました。私達としても、購入いただいて送り出した車で、素敵な思い出を紡いでほしいと願っているのに、本当に"なんでやねん！”という気持ちになりますね……。

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お話を聞いてナンバープレートの盗難に犯罪転用のリスクがあること、そしてそれを防ぐ手段もわかった。当たり前だが一番悪いのは盗む側。所有者の思い出を踏みにじる、こういった犯罪がなくなることを願うばかりである。なお、もし怪しいナンバープレートを見つけ通報する際は、緊急性が高い場合は「110番」、高くない場合は警察相談窓口「＃9110番」に連絡することをおすすめしたい。

（よろず～ニュース特約・ぽすわんのカノー）