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実質賃金現象、倒産増加、株価低迷…日本経済の“先行き不安”高まる(中西文行)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2023年7月21日 9時26分

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日経平均は足踏み(C)日刊ゲンダイ

【経済ニュースの核心】

 先週、朝の出勤時間帯に地下鉄の某駅に向かっていると、前方から若い男性が歩いてきた。大きな声で「バカ野郎、ふざけるなよ」と怒鳴っていたが、隣には誰もいない。はやりのスマホ対応ワイヤレスイヤホンで話しているのかと思ったら、イヤホンはなく大きな独り言だった。

 同日の昼休み。商店街を歩いている中年女性が私とすれ違うやいなや、「なんでだよ、私のせいじゃない、おまえが悪いんだろ」と突然叫んだ。何かしら仕事のストレスがたまっているのか、社会は病んでいるように思える。石川啄木の「はたらけどはたらけどなお、わがくらし楽にならざり、ぢつと手を見る」を思い出す。

 総務省の5月の家計調査によると、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は28万6443円と物価変動の影響を除いた実質で前年同月比4.0%減少し、3カ月連続のマイナス。項目別では、食料が2.7%減。「節約志向」でスマホの格安料金プランへの乗り換えで通信は9.0%減。高額消費を象徴する自動車購入も減少、自動車等関係費も19.4%減と先行きへの備えが垣間見える。

 実際、厚生労働省の5月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年同月比1.2%減とマイナスは14カ月連続。道徳心が薄らいだのか、小遣い稼ぎか京都・祇園祭で山鉾ごとに販売される授与品「厄よけちまき」がインターネットで、高値で転売されるケースが相次いでいるという。

 東京商工リサーチによれば、6月の全国企業倒産件数(負債額1000万円以上)は、前年同月比41.0%増、前月比9.1%増の770件、件数が前年同月を上回るのは15カ月連続だ。2023年上半期(1~6月)の企業倒産は、前年同期比32.1%増の4042件と2年連続で増加。上半期としては18年(4148件)以来、5年ぶりに高い水準だ。

 6カ月から1年先の景気に先行するといわれる株価。日経平均株価も、6月19日に年初来高値3万3772円をつけて以降、足踏みしている。投資家も先行きを警戒しているようだ。

■巣ごもり消費が復活か

 連日、メディアでは、ウクライナ戦争や熱中症対策などが報じられ、新型コロナの「第9波」も現実味を増し、一部で夏の花火大会の中止まで起きている。首都圏では、記録的な猛暑で「不要不急」の外出を控えるよう注意喚起され「巣ごもり消費」も復活の様相である。

 景気は「気」「気分」であり、夏休みシーズンを目前にして不透明感が高まれば、人々の動き、消費は萎縮し「不景気」になる。とはいえ、株式市場では「遠くの戦争は買い」「不景気の株高」という相場格言がある。多くの投資家が弱気に傾いたときが買い場の到来とされ、富裕な知人は「いまではなく、急落を待ち仕込みたい」と語り、待機資金を抱えて元「気」がいい。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)

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