1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「小学校であだ名禁止」日本の"息苦しさ"の象徴だ あだ名は「メリット」も大きいのに…なぜ禁止?

東洋経済オンライン / 2023年7月21日 7時0分

人はどれだけ進化しても、基本的な動物的本能や欲求という点では、「群れを作って生きていた古代人」と本質的には変わっていません。

その目的はサバイバル、つまり、生き延びることですから、本能的につねに「目の前にいる人が敵か味方かを峻別する」ようにできています。

同じ民族、同じ村など自らの群れの一員である人には心を許し、そうでない人に対しては警戒モードに入る。

そういった意味で、民族、信条、宗教、出身地、言語などどれだけ共通項があるかが、仲間かどうかを判断する材料になるわけです。

あだ名は、そうした同じ群れ、グループ内だけで理解し合える「共通言語」であり、「秘密の暗号」のようなもの。瞬時にお互いを仲間だと認識する「瞬間接着剤」の役割を果たしています。

同じ群れの中で、「〇〇さん」、とくに「苗字+さん」などと呼ぶのは、よそよそしく、他人行儀に聞こえますよね。

ネブラスカ州ベルビュー大学の研究によると、とくに男性は、男らしさを損なわずに愛情を注ぐ方法として、お互いにあだ名をつけるのだそうです。

芸能人に「あだ名」が多い理由は?

また、あだ名は、他の人とは違う独自のアイデンティティを与えてくれます。

みちょぱ、めるる、ひろゆき、ホリエモン、松潤、キムタク、ウッチャン・ナンチャン、ブラピ、浜ちゃん、キョンキョン、ユーミン、マッチ、深キョン、永ちゃん……。

数多くの芸能人、有名人が「あだ名」「ニックネーム」を持っていますが、「呼びやすく、親しみやすく、覚えられやすくなる」というメリットがあるわけです。

ある広島のスタートアップ企業は、全員をニックネームで呼び合っているそうですが、そのメリットとして、社内からは、

親しみを感じる

★話しやすい

上下の垣根が減った

話題の幅がひろがる

相手への安心感がうまれた

仕事のパフォーマンスがよくなった


といった声が上がったそうです。

私自身、昨年5月に、次世代リーダー向けの総合コミュニケーションスクール「世界最高の話し方の学校」を立ち上げましたが、「『先生』とは呼ばないで、『純ちゃん』と呼んで」とお願いしています。

私も生徒の名前をなるべく下の名前で呼ぶようにしており、これによって、学校としての一体感や心理的安全性が格段に上がっていると感じます。

ニックネームの効用はこれだけにとどまりません。実は、ニックネームがある人ほど、成功するという研究さえあるのです。

あるアメリカ企業の社長がLinkedIn上で発表した記事によると、フォーチュン50のCEOの60%がニックネームかニックネームに似た短いファーストネームを持っていることがわかりました。

CCPA Notice
あなたにオススメ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング