相変わらず色々言われておりますGOTALですが、先日のチェーンピンの潤滑面のお話の続きです。潤滑面の隙間は僅か数μmといことは前回お伝えしました。この潤滑面は荷重と回転速度が変わると様々に変化をします。この図も違う大学の講義資料からおかりましす。この図はストライベック曲線と呼ばれ物体二面間における摩擦係数の振る舞いを示す曲線として、トライボロジーの世界で非常に多く適用されている概念図です。
この図はチェーンの回転が回転し始めると潤滑面がどうなるかという概念でもあります。それでは図を見ながら説明していきます。
チェーンの回転に合わせ、図の数字の逆から説明します。
Ⅲ .境界潤滑領域
回転が始まったチェーンの潤滑面には油膜が存在していない状態です。実際には化学的吸着面や添加剤などが存在しておりこの上で回転が始まります。摩擦係数は高く、摩耗も大きくります。
金属表面は平らなわけではなく、加工によってできた微細な凹凸があります。この凹凸同士が擦れ合いながら動くと考えられています。
Ⅱ.混合潤滑領域
回転スピードが上昇すると、潤滑面が浮上し始めます。しかし全ての面が浮上しているわけではなく、境界潤滑領域と浮上している面が混在した状態となります。回転スピードが上昇するにつれ、浮上部分が多くなっていき摩擦係数は下がっていきます。
Ⅰ.流体潤滑領域
さらに回転スピードを上げると軸は摩擦面から完全に浮上し低い摩擦係数を実現します。しかし、さらに回転を上げていくと摩擦面と軸を浮上させるための圧力か過剰に増大していき摩擦抵抗は逆に増えていきます。
この概念は、荷重と潤滑油の粘度により変化します。自転車に置き換えると選択したギア、ケイデンス、出力により変化することになります。よく雑誌や解説などでドライブトレインの摩擦によるロスは一定みたいなことが書かれていますが、そんなことはあり得ません。GOTALの説明を否定されたりしたいかもしれません。しかしこれは潤滑の基礎です。一般に語られているのはどこかなおシミュレーターなどを利用した結果なのでしょうが、潤滑、金属表面の状態、荷重、回転スピード、選択したギア、様々な要因からドライブトレインの摩擦ロスは変化します。それがシミュレートできないので一定にしているだけで、変化しないわけではないのです。
話を戻します。上記のような微細な変化をする潤滑面。ここにゴミや鉄粉などがあるとどうなるでしょう? 洗った方が良いと思いませんか?
今回はここまで、次回はそもそも、グリスを抜けといったことが嫌なのか5km/hといったことが嫌なのかわかりませんが、GOTALが抜けと主張しているグリス。
みなさんキチンとグリスを理解していますか? 次回はグリスのお話をしていきたいと思います。
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