さて今回はグリスの話。まず前提としてGOTALはグリス自体が悪いとは言っておりません。スポーツやレース用自転車のチェーンの潤滑には良くないと申しておりますのでお間違えのないように
お願いします。何事も適材適所なのです。さてそんなグリスですが、グリスには様々な硬さ(ちょう度)があるのは、みなさんご存知だと思いますが、グリス自体の成分と硬さを決める要素は何かをご存知でしょうか? まずはグリスの成分についてみてみましょう。
グリスとは ” 潤滑油+増ちょう材 ”という組み合わせで構成されます。 潤滑油に様々な種類や粘度がある様に、この増ちょう材にも様々な種類そして添加量がありこの組み合わせでグリスの硬さ(ちょう度)が変わります。 柔らかい潤滑油に大量の増ちょう材、硬い粘度の潤滑油に少量の増ちょう材。双方とも同じ硬さ(ちょう度)にすることができます。そのためグリスを語るのなら潤滑油の種類と粘度、そして増ちょう材の種類と量までを考えなければなりません。
さて、ここに出てきた増ちょう材の拡大写真が下記の写真です。網目状の増ちょう材が立体構造になっており、この間に潤滑剤が入り込み、半固形となります。 実際の運用では、この中にチェーンの摩耗粉や砂などが入り込みます。 この取り込まれた摩耗粉や砂は取り除けません。さて?どうなるでしょう。 さらにグリスの油分は洗浄や蒸発により抜けていきます。 しかし増ちょう材と摩耗粉や砂は残りスラッジとなり、最後はカーボン化して内部に張り付きドライバーなどでも削れないぐらいの硬さになってしまいます。 一度チェーン交換の際にチェーンをバラしてみてください。皆さんのチェーンの状態どうなっていますか? こんな状態ではチェーンは気持ち良く動かないのです。 なのでGOTALは最初に抜いてしまえ!! とご提案しています
では、オイルで潤滑すれば良い? 実はそう簡単な話ではないのです。 グリスは付着性が高いので境界潤滑領域や流体潤滑領域でも潤滑面に残りやすいです。でも抵抗も高い。
いくつかのチェーンルブはこの問題を解決するために粘着性の物質を混ぜていたりします。溶剤が含まれているルブはこのタイプが多いのですが、この手法ですと結果的にグリスと同じ結果を招くのです。では入れないとどうなる? よくWETタイプは飛びやすいというお話です。 ではどうやって解決するのか? それは基油の種類によって解決できるのです。 次回はオイルの基油について少し考えてみたいと思います。
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