この現象は、ほぼ起きないと予想されるけど、こちらは可能性があるかもしれないなど、ESやiPS細胞に熟知した人達の意見が無視された。

STAP論文には、問題あるいくつか記載がありますね。
たとえば、メソッドにある幹細胞作成の記載です。STAP stem cellを作って、さらに解析(clonal analysis)時は、幹細胞を選択したとあります。
つまり、幹細胞には2種類のクオリティーがあると読めます。でも、桂報告書は触れていないんです。

For clonal analysis of STAP stem cells, single STAP stem cells were manually picked by a thin-glass pipette, and plated into 96-well plates at one cell per well.
The clonal colonies were cultured in ES medium containing 20% FBS, and expanded for subsequent experiments.

科学知識では、STAP(幹)細胞が、どういう動態の細胞であるかが決まらないために、現象として起きたことをそのまま書いてあるのがSTAP論文です。
現象についての不明点が多い論文がアクセプトされるのは、酸浴刺激が自律的に初期化に向かった実験結果が貴重だからです。
理論は後から検討するという流れです。とにかく、起きた現象を世界で共有するという位置づけの論文なのでしょう。

一般人でも、そうしたSTAP論文把握はできるはずです。むしろ、中途半端な知識人は、STAP論文の原則的価値をつかめないみたいです。中途半端な自前の知識が邪魔してしまうのでしょう。

さらに、未知なる現象をあつかったSTAP論文の理論の限界を攻撃して、著者ら否定をする人たちが出てきます。おかしな部分を指摘できず、おかしくない部分をおかしいと言い出すのが、ため息ブログメンバーです。


STAP stem-cell conversion culture. For establishment of STAP stem-cell lines,
STAP cell clusters were transferred to ACTH-containing medium36 on MEF feeder cells (several clusters, up to a dozen clusters, per well of 96-well plates). Four to seven days later, the cells were subjected to the first passage using a conventional trypsin method, and suspended cells were plated in ES maintain medium containing 20% FBS. Subsequent passaging was performed at a split ratio of 1:10 every second day before they reached subconfluency.

STAP cells could not be efficiently maintained for additional passages in conventional LIF+FBS-containing medium or 2i medium20(most STAP cells died in 2i medium within 7 days; Extended DataFig. 8a). Notably, an adrenocorticotropic hormone (ACTH)1LIF containing medium (hereafter called ACTH medium) known to facilitate clonal expansion of ES cells36 supported outgrowth of STAP cell colonies. When cultured in this medium on a MEF feeder or gelatin, a portion of STAP cell clusters started to grow (Fig. 5a, bottom; such outgrowth was typically found in 10–20% of wells in single cluster culture using 96-well plates and in .75% when 12 clusters were plated per well). These growing colonies looked similar to those of mouse ES cells and expressed a high level of Oct4-GFP.
After culturing in ACTH medium for 7 days, this growing population of cells, unlike parental STAP cells, could be passaged as single cells (Fig. 5a, bottom, and Fig. 5b), grow in 2i medium (Extended Data Fig. 8a) and expand exponentially, up to at least 120 days of culture (Fig. 5c; no substantial chromosomal abnormality was seen; Extended Data Fig. 8b, c). Hereafter, we refer to the proliferative cells derived from STAP cells as STAP stem cells.

こうした問題点は、小保方氏一人に帰せられるものではありません。読者も、そう考えながら読む必要があります。

STAP論文を評価するには、それまでの初期化細胞におきる細胞現象に熟知していることが必要です。
ES研究やら、iPS研究をしている人たちが、最初からSTAP論文作成に参加していた訳ではなかったのです。


まったく、新規的な細胞だったわけですから、実際に起きた現象が、それまでの予想を超えていたのです。
ですから、STAP現象のどこの何が予想を超えるのかを、把握できる細胞知識が必要でした。


何が起きる可能性があるのか?
何か起きないと予想されるか?
この現象は、ほぼ起きないと予想されるけど、こちらは可能性があるかもしれない・・・。

そうした専門的展望が必要なんです。
これができる研究者は少ないのです。
新発見のつもりが、どこかで実験ミスがあるかもしれず、それに気づく力も実験者には必要なのです。例えば、エピジェネテイクスにおいて脱メチル化は、いかなる条件で進むのか?脱メチル化を進ませる条件やら、逆に押さえる条件など、過去の論文を網羅している人たちはいるはずです。こういう科学議論がでる前に、興味本意のES捏造説に、一般人はとりつかれました。ため息ブログは、そうした物語で盛り上がれるんですね。

ES混入疑いが、ES捏造事件と結びつける学者がいたからこそ、結果としての社会現象があるのです。

研究者は、起きそうもないと予想される実験については、何度もやり直して確認をする必要がありますが、そうした基礎知識が無いと、確認がおろそかになります。

STAP論文には、それまでの常識では起きないと思われる現象が満載でした。
しかし、その中でも、特に起きないと思われる現象も混じっていました。
若山研究室内では、TCRは十分理解はしていないのです。
ですから、丹羽先生、笹井先生が幹細胞やキメラのTCR実験を結果から除きました。


GRASが遺伝子解析をしていますが、わざわざ、細胞遺伝子の確認作業をしたということは、STAP細胞の異変に気付いた人が、GRASにいたということが想像できます。
残念ながら、GRASの研究者と若山研究室の間の議論もなかったようです。
こうした出来事は、小保方単独の責任ではありません。

ESやiPS細胞の基礎的な研究をしている人でないと、STAP論文の問題点は評価はできなかったということですね。



実際に事件化し、日本中にESねつ造情報がまん延した理由は、こうしたESやiPS細胞に熟知した人達の意見が無視されたことでした。
マスコミ記者は、専門家以外の情報を正しいと思い、著者らの専門家の意見を無視しました。

ES細胞に入れ替わっていたことが、すべて小保方氏が単独でES細胞を盗んだ捏造とされてしまいました。
ESねつ造説は、小保方氏以外の著者らは、だまされているという設定になっているのです。

細胞という不確実な対象物を前に、複数の専門家をだまし続けることができるはずはないという常識的な想像ができない人たちがいるんですね。
専門知識はあるけど、全体を評価することができない人たちがいます。
ため息ブログはまさにそんな感じです。
ため息ブログを見れば、問題点に気付くような細胞知識は皆無であることがわかりますし、社会的常識も薄い人たちです。

いづれにしろ、ESねつ造という考え方が導入され、すべての疑惑を小保方氏一人で負ったという事件です。



細胞音痴なひとは、「平たく言う」ことなんてできません。もともとの前提の置き方からして間違っているんだから。

澪標さんは、いつまでたっても、勝手に前提を設置して自説が正しいと主張する。

>「TS細胞2種、FI幹細胞3種の存在により、少なくとも六つの樹形図が書けます。」

TSは確立された幹細胞であるのに、FI細胞の実態なんて不定な細胞だ。どこでどうコンタミしたかもわからずに、実験した人の意図した細胞とは違ってしまっている。
実際には、用いたTS細胞だって、幹細胞なのに、遺伝子発現が変化しないはずにもかかわらず勝手に分化していってしまった。

こうした流動的細胞を扱うタイプの実験には、一般的な再現性なんて期待できるわけではないのに、ここが理解できない人はいろいろいた。
つまり、誰がやっても同じ樹形図となるわけではない。

こうした細胞独自の事情がわからない人が、やみくもに小保方バッシングをしている。

小保方氏に、サンプルをなぜ、再度GRASに運ばせたのは誰なのか?
マウスの遺伝子改定があったからという理由はどこから、だれの指示なのか?

小保方氏ではなく、なぜ、GRASスタッフは、再度幹細胞作成者と連絡を取っていないのか?2012年、2013年には、若山氏も理研にいた。GRASは、混乱していた様子の小保方氏を見ている。しかし、次なる行動に繋げていない。理研、特にGRASは、STAP実験がおかしいことに気付いていた可能性が高いのに、桂報告書は、若山研究室を批判しているが、GRAS責任には言及していない。ただ、全て、小保方氏の問題行動としているのだ。なぜ、小保方氏が、幹細胞の責任までとらなければならないのか?
当時の若山研究室の実験分担は、一切明らかにされていない。

GRASの行動にも不可解な点がある。

なぜ、終わった実験の成果物を再度、GRASは調べるのか?その状態で疑られるのは、FI細胞の異変である。

さらに、ES混入の疑惑を意識的に止めていた人たちがいるかもしれない。そうした事実が世に出ないようになっているのではないか?本来なら、STAP論文の共著者全体がアンテナを持つべきなのだ。


ため息さんの以下のコメントは、何が言いたいのかわからない口から出任せ発言だ。細胞が流動的なら、遺伝子発現が変化し、条件を揃えられないじゃあないの。因果関係がめちゃくちゃ。「細胞が流動的」の意味もわからないで使っているのだろう。

つまり条件を揃えれば、細胞が流動的であっても再現性のある結果になるのです。
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