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ツイッター対抗馬「スレッズ」移行へ"3つの不安" ユーザー置き去りの「気持ち悪さ」が最大の障壁

東洋経済オンライン / 2023年7月16日 7時0分

ただし私たちにとって本当に重要なキーワードは「日本では」どうなるのかとういう視点です。

実はツイッターの利用者を国別で見ると、アメリカが1位で7700万人、そして日本は5900万人でアメリカに次ぐ第2位なのです。一方でインスタグラムはアメリカ1億7000万人であるのに対して日本は3300万人という状況で、日本ではインスタはそれほど強くはないという現実があります。

仮にアメリカではフェイスブック、インスタグラムからスレッズへのユーザー移住が本格的に起きて、スレッズがツイッターを補完する地位を手にしたとしても、日本はそうならない可能性があるということです。

さらに言えばメタからすると、短文投稿アプリでアメリカでツイッターを逆転した後に狙うべき重要市場は、ヨーロッパとインドなどのアジア圏が優先されるはずです。SNSは基本的に国ごとに勢力図が違うわけで、韓国ではカカオトークが優勢ですし中国ではウィーチャットなど国産SNSが主流です。

その流れで世界的にはツイッターが駆逐されても、日本だけガラパゴス的にツイッターが有力な短文投稿SNSとして生き残るというマスク氏にとっては意味不明な未来が訪れてもおかしくはないのです。

さて、このようにまとめてみたうえで改めて感じることは、今回の騒動は結局のところ私たちユーザーを置き去りにして起きているおかしな騒動であるということです。だからこそ、この先どうなるのか不安定で、しばらくの間、私たちは不自由を感じながらツイッターとスレッズ両方をしかめっ面をしながら利用することになるでしょう。

確実に予測できることはただ一つ「明日の私はSNSに対して不機嫌だろう」ということだけなのです。

鈴木 貴博:経済評論家、百年コンサルティング代表

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