ツイッター対抗馬「スレッズ」移行へ"3つの不安" ユーザー置き去りの「気持ち悪さ」が最大の障壁
東洋経済オンライン / 2023年7月16日 7時0分
ツイッターとスレッズのどちらがスポンサー企業から見て広告効果のあるSNSであるのかが重要であり、その効果を左右するのはインフルエンサーから見て、どちらが収入になるSNSなのかが重要になります。
今回の混乱の中で、第三勢力としてマストドンやブルースカイのように広告収入に頼らない短文投稿SNSが台頭するのではないかという観測もありますが、私はその可能性は低いと考えています。あくまでSNSとは巨大な換金マシーンとして機能できているからこそ存在できるのです。
勝敗は広告効果で決まる
スレッズは今後の改修予定の機能として、段階的にツイッターに同質化するようキーワード検索ができるようになり、ハッシュタグが使えるようになり、フォローしている人の書き込みがタイムラインに表示されるようになり、DMが送れるようになるはずです。ますますツイッターと同じサービスになるため、ユーザーは今以上にスレッズを使うかもしれません。
しかし本当に重要なのは広告主が効果を感じてくれるかどうか、そしてその広告主とわたしたちユーザーをつなぐインフルエンサーが収益を上げられるかどうかです。ツイッターとスレッズのどちらが勝ち上がるのかは広告効果で決まってくるのです。
その観点で言えばメタが過去にフェイスブックで実現してきた「ビッグデータを駆使し、偏った情報を送ることで広告効果を極大化する」というノウハウがこの先、スレッズに反映されていくことで「新たな悪いSNSが力を持つ未来」が来ることは十分にありえそうです。
そしてスレッズとツイッターの未来を占う、3つ目の不安定要因が国別のユーザー数です。
世界のツイッター利用者は、月間アクティブユーザー数ベースで3.3億人です。これに対してスレッズの1億人というのはあくまで登録者数です。来月、再来月の段階でユーザーがどれだけスレッズを使い続けているかがそもそも大切で、1億人登録したことの意味がどこまで大きいかはまだわかりません。
ただここで理解すべきことは、スレッズの登録がここまで短期間で増えた一つの背景要因がインスタグラムのアカウント経由で登録できたことです。インスタグラムの世界のアクティブユーザー数は10億人いますから、その1割が「とりあえずスレッズを試してみた」わけです。
そして「では残り9割もスレッズを始めたら勢力はいったいどうなるだろう?」というのがこれから先の関心事です。
さらにいえば同じくメタが運営するフェイスブックは世界のアクティブユーザー数は30億人とさらに多いわけで、その意味ではまだメタにはフェイスブックからスレッズにユーザーを流入させる力も温存しています。既存のSNSのユーザー数を武器にスレッズがツイッターを補完するという未来はありえるわけです。
マスク氏に訪れる「意味不明の未来」
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