日ごろは袖にされているのに、なぜ都市の有権者は自民党政権を延命させ続けてきたのか?/倉山満
日刊SPA! / 2023年7月17日 8時51分
有権者の「マトモな野党が欲しい」との欲求は、顕在化してきた。それが、衆議院選、参議院選、統一地方選と、維新が着実に勢力を伸ばしている理由だろう。勢いは、都市以外にも広がっている。
◆自民党を生まれ変わらせる方法
ただし、今すぐ解散総選挙をすれば、維新は大阪以外でどれほどの議席を獲得できるかが未知数だ。100議席を超えるのも、立憲民主党を抜くのも難しいと思われている。だが、時間をかけて浸透していけば、立憲民主党を抜いて100議席超の野党第一党になるのは確実だ。
そこで、むしろ自民党支持者にこそ問いたい。自民党を改革するのは簡単だ。マトモな野党第一党が登場すればいい。政権を失いそうになった時の改革能力は、世界一だ。どんな嫌われ者でも総理総裁にするし、最後はまとまる。
55年体制において、自民党は論外の野党に助けられ、国民の消極的支持で権力の座に安住してきた。それは自民党支持者にも不満だろう。
むしろ、強力な野党第一党を登場させて(それが維新である必然性は無いが、現時点では最も現実的だ)、自民党を生まれ変わらせた方がよくないか。
マトモな政党が二つないと、選挙の意味がない。地方と都市の利益は宿命的に対立する。そして、どちらも必要だ。対立軸を明確化した方がよくないか?
【倉山 満】
’73年、香川県生まれ。憲政史研究者。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務め、’15年まで日本国憲法を教える。ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰し、「倉山塾」では塾長として、大日本帝国憲法や日本近現代史、政治外交についてなど幅広く学びの場を提供している。主著にベストセラーになった『嘘だらけシリーズ』や、『13歳からの「くにまもり」』を代表とする保守五部作(すべて扶桑社刊)などがある。『沈鬱の平成政治史』が発売中
―[言論ストロングスタイル]―
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