テレ朝社員が“三浦瑠麗氏を訴えた”理由「17万人以上に秘密を暴露された」
日刊SPA! / 2023年7月19日 8時53分
取材を前に私も三浦氏の答弁書を何度も読んでみたのだが、本当に意味がわからない。そのことを告げると西脇氏は、こう語った。
「テレビのコメンテーターは、その場の雰囲気に応じて、瞬間的に感じたままを発言することが多いものです。だから、後から文字にしてみると、まったく無内容な発言になっていることも、しばしばあります。そんなコメントが、そのまま答弁書の文章になっているようでした」
◆有名人も「同意見」という主張だが…
その空虚さが如実に現れたのは三浦氏が提出した陳述書である。本書では、裁判の原因となったツイートをした理由についての部分が引用されている。そこで、三浦氏は津田大介氏、古市憲寿氏、池上彰氏、田原総一郎氏らの名前を挙げて、彼らも自分と同意見だったということを長々と記している。
通例、裁判の陳述書だと存在する、原告の主張に対して論理的に、反論するような文章はほとんど見られない。単に、有名人の名前を並べ立てて、自分の味方の多さを見せつけようとする欲望のみが見え隠れしている。これに重ねて、控訴審で三浦氏は憲法学者の木村草太氏の意見書まで提出しツイートを「表現の自由」だと主張しようと試みている。
◆僅か十日で1冊の本を書き上げた
結局、今年3月に最高裁、西脇氏の勝訴が確定するまで、膨大な書面によるやりとりは続いている。しかし、西脇氏の苦悩はわかっても三浦氏が、ツイートによってなにを獲得したかったのかは、最後まで明らかにならない。
本書では、その過程での心情を吐露する西脇氏だが、一方でこの闘いが彼自身が生きる原動力となったのは間違いない。というのも、この1冊の本を西脇氏は僅か十日足らずで書き上げたというのだ。
「編集者から本にしないかと連絡を頂いて、10日ほど後に会うことになりました。その日に打ち合わせという予定だったんですが、てっきりその日までに原稿が必要なのだと勘違いしてたんです。しかし書き始めてみると自分の内側から次々と思いが溢れてきて、10日間脇目も振らずに書き続けました」
◆裁判に勝った先に待っていたのは…
慰謝料30万円に利息が5万9219円。一日で割れば267円。金額に換算すれば、まったく利のある勝利ではない。しかし、この裁判を戦い抜いたことで西脇氏は確かな自分自身の存在理由を得ている。
かたや、今やスキャンダルにまみれた三浦氏はどうだろう。彼女が自分と同意見の仲間だと並べたてた有名人の一人も彼女を守ろうとはしていない。それも、そうだろう。きっと彼女はコーヒーの一つも買ってこないだろうから。
<取材・文/昼間たかし>
【昼間たかし】
ルポライター。1975年岡山県に生まれる。県立金川高等学校を卒業後、上京。立正大学文学部史学科卒業。東京大学情報学環教育部修了。ルポライターとして様々な媒体に寄稿。著書に『コミックばかり読まないで』『これでいいのか岡山』
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