1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

AIテーマに国連安保理が初会合…軍事利用による「想像を絶する規模の死と破壊」を危惧

読売新聞 / 2023年7月19日 11時42分

18日、米ニューヨークで開かれた国連安全保障理事会によるAIをテーマにした初会合で演説するグテレス事務総長=ロイター

 【ニューヨーク=金子靖志】国連安全保障理事会は18日、人工知能(AI)をテーマにした初の公開会合を開いた。アントニオ・グテレス事務総長は、軍事目的のAI利用に強い危機感を示し、国際ルールが必要だと訴えた。年内に専門家による諮問委員会が開催され、具体的な議論が始まる。各国が支持を表明する一方、ロシアは反対する立場を主張した。

 会合は、年内に開催予定のAIの安全性に関する首脳会議に先立って開かれた。

 グテレス氏は、「国家やテロリストが悪意を持ってAIを利用すれば、想像を絶する規模の死と破壊を引き起こす可能性がある」と警告し、AIを規制するための新しい国連機関の創設を「歓迎する」と表明した。国連の新機関については今後、協議が進められる。

 また、AIに関する国際ルール作りに向け、年内に専門家らによる諮問委員会を開き、報告することを明らかにした。人間の判断に基づかず攻撃するAI兵器を禁止するため、2026年までに法的拘束力のある規制を制定するよう加盟国に求める考えも示した。

 各国の代表者の多くが、AI兵器の無秩序な開発について懸念を表明し、国際ルール作りを支持した。

 議長国の英国のジェームズ・クレバリー外相は「AIには国境がないため、国際的なガバナンス(統治)の形成が急務だ」と指摘し、日本の武井俊輔外務副大臣は「国連の持つ招集力によって世界中の英知を結集することができる」と述べた。

 これに対し、ロシアのドミトリー・ポリャンスキー国連第1次席大使は「AIを監督する機関の創設や、AIに関するルールの一方的な適用は容認できない」と反対した。

 中国の張軍国連大使は「AIの暴走を防ぐ必要がある」と指摘。「国連が中心的な調整役となることを支持する」と述べ、ロシアと一線を画したが、「特定の先進国が技術的な覇権を求めるため、排他的な枠組みを作ることには断固反対だ」と強調した。

 AIの軍事利用を巡っては、AIが標的を選び、攻撃する危険性が問題視されている。

CCPA Notice
あなたにオススメ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事を最後まで読む