今回は、シングルモルトの代表格の一つとも言える、ザ・マッカランのシェリーオーク12年を改めて飲みます。
ザ・マッカランは、イギリスの百貨店「ハロッズ」がウイスキーガイドにおいて「シングルモルトのロールスロイス」と賞賛したと言われていますが、その製法はとても厳しいものになっています。
蒸留に使われるポットスチルは24種類あるものの、容量は3900Lとスペイサイド地方の蒸溜所の中でも小さいものを使っています。
そこから抽出されるニューメイクもすべて使われるのではなく、16%しか樽に詰められて熟成されないのです。
さらに使用する主な樽はヨーロピアンオークのシェリー樽ですが、それを作る上で、スペインのヘレス地方のシェリー酒醸造所に対して、指定された工程でシェリー酒を作って樽を生み出させるほどのこだわりを持っています。
そんなザ・マッカランのレギュラーボトルは大きく3つあります。
一つが今回飲む「シェリーオーク」で、熟成の樽としてヨーロピアンオークを使ったシェリー樽原酒のみを使っています。12年の他、18年、25年、30年がラインナップされています。
二つ目が「ダブルカスク」で、ヨーロピアンオークのシェリー樽に加え、アメリカンオークのシェリー樽の原酒が使われています。
最後に「トリプルカスク」で、上記2つの樽に加え、アメリカンオークのバーボン樽原酒が使われています。かつてラインナップされていた「ファインオーク」に相当するものと言っていいでしょう。
ダブルカスク、トリプルカスクは、どちらも12年もののみのラインナップです。
使用される原酒の総量が異なることもあって、価格としては同じ12年ものでも、トリプルカスク、ダブルカスク、シェリーオークとどんどん高くなっています。
2014年に初めて飲んだとき、シェリーオーク12年は4000円台で購入できましたが、2023年7月の時点では定価で9,990円、実売においてはプレミアが付いて、安いところでも13,000円もします。
現状、12年もののシングルモルトという範疇でもとても高いウイスキーになってしまいました。
液色は濃い琥珀色です。
味わいは、アルコールからの辛みは少なく、渋味から柔らかい酸味へと変わっていきます。
ウイスキーのはずなのに、ワインやブランデーを飲んでいるような錯覚に陥ります。
味わいは、酸味が強く感じられるようになり、後から苦みが追いかけ、甘さが最後を締めます。
味わいは、渋みは抑えられて甘みがメインになり、炭酸とともに酸味が奥から訪れます。
ハイボールにすると香りが薄まってしまうのは仕方ないですが、それでも香りの強さが残っていて侮れません。
ロックやハイボールでも香りが衰えることがなく、初心者レベルでも十分その香りを堪能できます。
また、12年もののシングルモルトだとまだアルコール感が強いものもありますが、シェリーオーク12年はしっかり熟成されたかのようにまろやかで飲みやすいのに驚きます。
一般的なブレンデッドウイスキーの傾向から比べると、シェリーオーク12年は一般的なウイスキーの概念から離れた香り、味わいを持っているため、あまり飲み慣れない人には驚きをもたらしてくれると思います。
今は冒頭でも書いたように高価なものになってしまったので、まだ飲んだことのない人はバーで一度頼んで飲んでみてほしいと思います。
シングルモルトのロールスロイス
蒸留に使われるポットスチルは24種類あるものの、容量は3900Lとスペイサイド地方の蒸溜所の中でも小さいものを使っています。
そこから抽出されるニューメイクもすべて使われるのではなく、16%しか樽に詰められて熟成されないのです。
さらに使用する主な樽はヨーロピアンオークのシェリー樽ですが、それを作る上で、スペインのヘレス地方のシェリー酒醸造所に対して、指定された工程でシェリー酒を作って樽を生み出させるほどのこだわりを持っています。
そんなザ・マッカランのレギュラーボトルは大きく3つあります。
一つが今回飲む「シェリーオーク」で、熟成の樽としてヨーロピアンオークを使ったシェリー樽原酒のみを使っています。12年の他、18年、25年、30年がラインナップされています。
二つ目が「ダブルカスク」で、ヨーロピアンオークのシェリー樽に加え、アメリカンオークのシェリー樽の原酒が使われています。
最後に「トリプルカスク」で、上記2つの樽に加え、アメリカンオークのバーボン樽原酒が使われています。かつてラインナップされていた「ファインオーク」に相当するものと言っていいでしょう。
ダブルカスク、トリプルカスクは、どちらも12年もののみのラインナップです。
使用される原酒の総量が異なることもあって、価格としては同じ12年ものでも、トリプルカスク、ダブルカスク、シェリーオークとどんどん高くなっています。
2014年に初めて飲んだとき、シェリーオーク12年は4000円台で購入できましたが、2023年7月の時点では定価で9,990円、実売においてはプレミアが付いて、安いところでも13,000円もします。
現状、12年もののシングルモルトという範疇でもとても高いウイスキーになってしまいました。
テイスティング
グラスからの香り、液色
グラスからは、ゴム、プルーン、レーズンの香りが強く感じられます。液色は濃い琥珀色です。
ストレート
先にブドウの香りが強く広がり、後からバニラ、バターの香りが続きます。味わいは、アルコールからの辛みは少なく、渋味から柔らかい酸味へと変わっていきます。
ウイスキーのはずなのに、ワインやブランデーを飲んでいるような錯覚に陥ります。
ロック
ストレート同様にブドウの香りが強烈に鼻をつきます。その後オレンジ、リンゴの香りが続きます。味わいは、酸味が強く感じられるようになり、後から苦みが追いかけ、甘さが最後を締めます。
ハイボール
ブドウの香りとともに、ゴム、プルーン、バターも一緒にやってきます。味わいは、渋みは抑えられて甘みがメインになり、炭酸とともに酸味が奥から訪れます。
ハイボールにすると香りが薄まってしまうのは仕方ないですが、それでも香りの強さが残っていて侮れません。
格の違うシェリー樽原酒
改めて飲んでみて、数あるシェリー樽原酒のボトルよりも遙かに濃厚なブドウの香りがあって、ストレートではワインやブランデーを飲んでいるようなほど強烈にアピールをしてきます。ロックやハイボールでも香りが衰えることがなく、初心者レベルでも十分その香りを堪能できます。
また、12年もののシングルモルトだとまだアルコール感が強いものもありますが、シェリーオーク12年はしっかり熟成されたかのようにまろやかで飲みやすいのに驚きます。
一般的なブレンデッドウイスキーの傾向から比べると、シェリーオーク12年は一般的なウイスキーの概念から離れた香り、味わいを持っているため、あまり飲み慣れない人には驚きをもたらしてくれると思います。
今は冒頭でも書いたように高価なものになってしまったので、まだ飲んだことのない人はバーで一度頼んで飲んでみてほしいと思います。
<個人的評価>
- 香り AA: ワイン、ブランデーを思わせるほどの強烈なブドウ。バニラ、バター、加水でオレンジ、リンゴ。
- 味わい A: ストレートでもアルコールの辛みが少なくて飲みやすい。渋みが先行するが、酸味、甘みが続く。
- 総評 AA: ウイスキーを飲んでいるなら一生に一度くらいは飲むべき逸品。