岩田温「日本の選択」 「リベラル・ファシズム」に反対 自民・有村議員が悲痛な叫び、自身と異なる見解に「差別」のレッテル貼る恐ろしい世に
zakzak by夕刊フジ / 2023年7月18日 6時30分
自民党の有村治子参院議員がツイッターで悲痛な叫び声を上げていた。少し驚いた。
「皆さま助けて下さい! 証人になって下さい!」
一体何事だろうと思い、その訴えの全文を読んでみた。経産省におけるトランスジェンダー問題をめぐる訴訟について、日刊ゲンダイが有村氏を批判しているというのだ。記事にはこうあった。
「保守系の一部は『性同一性障害の人と、わいせつ目的の侵入者を見分ける基準はあるのか。女性スペースにおける安全・安心は重要だ』(有村治子・元女性活躍相)と懸念の声を上げ、SNSにも同様の主張が散見される」
だが、有村氏は最高裁の判決について懸念の声を上げていないという。三権分立を守るのが常識なのだから、当然の態度である。私人である筆者とは立場が異なる。仮に、立法府に属する国会議員が司法の判断に誤っていると言えば、それは三権分立を破壊する暴挙となる。
有村氏のツイッターを読むと、共同通信の記者が11日夕、最高裁判決へのコメントを求めて事務所に来たという。その後、有村氏の前出のコメントに、勝手に「懸念を示した」と書いて出稿したというのだ。
有村氏は記者に強く抗議し、共同通信は同日夜、配信記事の「懸念を示した」を、「コメントした」に差し替えたという。日刊ゲンダイの記事は、差し替え前の原稿を使用したのではないか。
気になるのは、五野井某なる人物のコメントだ。
「糾弾すべきは『性別を偽る犯罪者』でトランスジェンダーの当事者ではない。あえて混同しているのなら、それこそ理解増進法にも明記された<あってはならない><不当な差別>です」
トランスジェンダーの当事者を差別するなというのは当然の主張だが、「性別を偽る犯罪者」が「トランスジェンダーである」と言い張った際、どのように対応するのか。女性スペースにおける安全・安心を求めるのは当然だろう。圧倒的多数の女性を不安に陥れることが問題の解決になるとは思えない。
有村氏の国会での質疑を精査してみたが、トランスジェンダーの当事者を否定するような発言は全くない。犯罪者とトランスジェンダーを混同するような無礼で差別的な発言などしていなかった。
有村氏は、シスジェンダー(=生物学的に女性であり、心も女性)の女性が不安を感じることのないような世の中にしたいという常識的な主張を展開しているだけだ。自身といささかでも異なる見解を表明したら「差別」のレッテルを貼る世の中は恐ろしい。昨今の「リベラル・ファシズム」には断固として反対する。 =おわり
■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。大和大学准教授などを経て、現在、一般社団法人日本学術機構代表理事。専攻は政治哲学。著書・共著に『日本再建を阻む人々』(かや書房)、『政治学者、ユーチューバーになる』(ワック)、『エコファシズム 脱炭素・脱原発・再エネ推進という病』(扶桑社)など。ユーチューブで「岩田温チャンネル」を配信中。
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