議員報酬差し押さえ、約500万の税金滞納…元オリックス選手「評判良い監督が市議でボロボロ」の背景
月約56万円の議員報酬が全額差し押さえ、法人税など500万円ほどを滞納……。
次々にトラブルが発覚しボロボロの議員がいる。長崎県佐世保市の古賀豪紀市議(56)だ。古賀氏は今年4月に、当選者33人中33位とギリギリで市議になったばかり。いったい何が起きているのだろう。
トラブルを詳細する前に、古賀氏の議員としては異例のプロフィールを振り返りたい。
「佐世保で生まれ育ち、幼い頃から運動神経の良さで地元では評判だったそうです。中学まではバレーボールをしていましたが、西海学園高(佐世保市)では野球部へ入部。強肩外野手として、社会人野球の九州三菱自動車へ進みました。
’89年にはドラフト外でオリックスへ入団します。プロでは内野手に転向するなど試行錯誤の日々だったようで、1軍戦に出場することなく’93年限りで退団。引退後は、佐世保で居酒屋を経営していました」(スポーツ紙担当記者)
出場メンバーは選挙で
古賀氏が一念発起したのは’07年だった。佐世保にある長崎国際大学を卒業し、学生野球の指導者になるために教員免許を取得。同じく佐世保にある九州文化学園高の野球部監督に就任したのだ。
「古賀氏は、とても評判の良い監督でした。生徒の自主性に任せようと、大会の出場メンバーは選手に選挙で決めさせていた。試合前のシートノックも行わず、練習メニューの多くは生徒に考えさせていたんです。ユニークな指導法だと、たびたびメディアに取り上げられていました」(同前)
佐世保ではプロ野球の試合が行われる機会が少なく、憧れの選手とじかに接するチャンスがほとんどない。地元愛の強い古賀氏は、プロ野球を子供たちの身近なものにするには政治の力が必要だと市議選に立候補。今年4月に、「夢に向かってフルスイング」のキャッチフレーズで当選したのは前述の通りだ。
しかし……。
「家庭ではトラブルを抱えていたようです。離婚した女性との間で、養育費約225万円が未払いに。女性の申し立てにより、長崎地裁佐世保支部が差し押さえを命じる催告書を市に送付します。古賀氏は、月の議員報酬約56万円が6月から全額差し押さえられることになりました。
さらに市議に当選した4月時点で、自身が出資している飲食店の法人税や従業員の社会保険料など500万円ほどを滞納していたことも判明。古賀氏は地元『長崎国際テレビ』や『長崎新聞』などの取材に対し〈新型コロナウイルスの影響で売り上げが大幅に減り滞納してしまった〉などと説明しています」(地元メディア記者)
古賀氏は滞納したカネを全額納付。今後は身を引き締めて、議員活動を続けるつもりだという。学生監督時代のような高い評価を政治家として得るには、まだまだ時間がかかりそうだ。
PHOTO:時事通信社
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