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武の戦争記 少年と少女
 

 ラークは村に続く道を急いでいた。今日の昼までには用事を済ませ、自分の村に帰ってくるはずが、ついつい久しぶりの町に浮かれてしまい遅くなってしまった。

 アリシアおこってないかな……
 ラークの村は、クレアモルン南方に存在している田舎だった。最もクレアモルン自体が田舎ということもある。昔はアイシア王国から来る商人や旅客が訪れ、村も賑わっていたのだが、今ではそれもめっきりと減ってしまっていた。そのため必要なものがあると、一山越えた先にある町に行かないといけない。
 そういうわけで、ラークは町に行っていたのだ。

 でも……これを買ったから遅くなったんだしな。
 ラークはポケットに入っている髪飾りをそっと触る。彼の恋人であるアリシアに上げる予定だった。これを買うために、ラークは町に行くことを村長に希望したのだ。
 アリシアは、村長の娘で村一番の美人だ。いや町を含めてもアリシアほどの美人はいない、ラークはそう思っていた。ここら辺では珍しい真っ黒な髪にパッチリとした目、ラークはまだキスもしたことはなかったが、彼女が笑うと柔らかそうな赤い唇がぷるんと揺れるのだ。

 ふふ、これアリシア喜んでくれるかな
 彼女のことを思い浮かべると自然と足が速くなる。だがそれが致命的だった。彼女のことを考えるあまり、ラークは村の異変に気づかなかったのだ。

 村に戻ったラークは、まず村長の家に向かう。アリシアに会いに行くことと、村長に町で買ってきたものを渡さないといけない。村長の家は山の麓。隣町からは一番近い場所にあった。すっかり周りは真っ暗になってしまい、人の影も見えない。

 あれ、まだ起きているのかな。ラークは村長の家から光りが漏れているのを見つけた。
しかも光りが漏れていたのは、アリシアの部屋だ。いいことを思いついた。アリシアが起きているなら、今髪飾りを渡せるかもしれない。彼女の喜ぶ顔を思い浮かべると、顔がにやけてくる。ラークはそう思い、窓に近づく。

「あ、あ、あ、やぁ。」
 女の喘ぎ声が窓から漏れてくる。快楽に咽び泣き、男に媚びるような甘い声がラークの耳に入る。

 うそだ、そんな……
 ラークの耳に間違いがなければ、その声はアリシアのものだった。普段聞いた事のない甘い声、それがラークに届く。

「ああ、あ、あ、あぅ、いいのぉ」
 そして窓の中から部屋の中を覗く。ラークは自分の目を疑った。
アリシア……なんで……
 部屋に据え付けられているベッドの上で、彼女の真っ白な裸体が、男の腕の中で肌を火照らせ歓喜に喘いでいた。窓からはうっすらとしか見えなかったが、彼女の身体は綺麗だった。胸は大きくはないが、お椀型の美乳、そして村の女達にはないようなキュッと引き締まった腰、そして引き締まったお尻が男の動きに合わせて振られていた。

 そうアリシアの腰は、男のペニスがあるべき場所にぴったりとくっついていたのである。しかも彼女の細い腕は男の首に回され、足は腰に絡み付き、アリシアの美貌は悦楽に蕩けて男を愛しげに見つめていた。そして二人は恋人のように抱き合っていた。

 ラークは動揺した。自分の恋人が、知らない男と睦み合っている。その現実をすぐには受け入れられなかった。
 なんで……こんなことに。
 どこかおかしい、ラークはそう思った。アリシアは浮気をするような女じゃないし、男も知らない人間だった。よくよく見ると、男は東にいる大和の民みたいだった。幼い頃に一度だけ見たことがあっただけだが、おそらく間違えていないだろう。大体これだけ大きな物音がしているのに、村長さん達が起きてこないのもおかしい。

 ラークが悩んでいる間に、男とアリシアの動きはクライマックスにさしかかろうとしていた。アリシアの喘ぎ声が大きくなり、ぎゅうっと男に抱きつき、腰を揺らす。男もそれに答え、腰を大きく振る。

「だめぇ~、私またいっちゃうぅぅぅぅ」
 アリシアは絶頂した。身体をぴくぴくと痙攣させ、その美貌を蕩けさせる。
「俺もいくぞ、アリシア」
 男は腰をアリシアに押し付ける。
 もしかして……中にだしているのか……
 ラークの想像通りだった。男はアリシアの最奥に押し当て、次から次へと射精する。アリシアはそれを拒むことなく、絶頂したまま男の精液を子宮で飲み干していた。しかもアリシアは射精を続ける男の腰に、喜んで自ら腰を密着させる。

「ア、アリシア!?」
 ラークは、窓から部屋に侵入しようとする。彼に何が出来る訳でもなかったが、この状況を座視する事は出来なかった。
ドスッ。
あれ……なんで、空が見え…………
 後ろから鈍い音が聞こえ、視界が反転する。意識が薄れてゆく中で聞こえたのは、アリシアの歓喜の声だった。


「大尉殿、周辺の調査が終わりました」
 武は腰の上の少女を犯しながら、報告を聞いていた。昼にこの村を制圧してから、かれこれ10時間近くこの少女を犯している。この村に来るまでの2週間の間、前線で死と隣り合わせでいたためか、一度女を犯し始めると止まらなくなるのだ。今も武の肉棒は締りのいい少女の膣内に包まれ、柔らかい体が彼に必死にしがみ付いていた。

「そうか、ごくろうだった。それでここら辺に敵戦力は存在するのか?」
 武は腰をグイッと突き上げる。それに反応して少女の膣内はきゅーっと収縮し、先ほど出した精液を子宮が吸い込んでいく。

 正直、この少女はかなりの当りだった。名前はアリシア・ラングストン、村長の娘ということだった。この村の女性達の中でも飛びぬけた美貌を持っており、その身体も素晴らしい。彼女の胸、括れ、腰、どこをとっても芸術品だった。それに処女を奪ったときから、ぎゅうぎゅうに武の肉棒を締め付ける彼女の膣内は極上の一言だった。

「近くの町に、一個小隊が配置されているだけで、後の防衛戦力は見当たりません。ですが、この村のように抵抗は起きるでしょう」
 兵士はにやりと笑う。この村を襲ったとき、男達は全員で武の部隊に抵抗した。もちろん戦争のプロフェッショナルである武達は素人の抵抗など、屁でもなかった。ほぼ全てを殺戮し、残った男達は捕虜として監禁していた。

 市民に抵抗されることは武達にとって好都合だった。規約によれば、軍に対して抵抗を行う町村の人間は潜在兵士として扱われる。潜在兵士は正規兵とは違い、条約等々には守られない。女を犯そうが何をしようが、後から戦争行為の一環だとすることが出来るのだ。

 つまり男達は、自分達の村を守ろうとして、逆に武達に献上してしまったのだ。もし彼らが降伏していたら、村は連邦との協定によって守られ、こうしてアリシアが武の上で犯されることもなかった。

「ここを拠点にして、一月も王国の補給線を叩けば、本隊も突破してくるだろう。神埼少尉、君も楽しんできたまえ。噂通りクレアモルンは美人が多いぞ」
 武はアリシアの顎を掴み、見せ付けるように口づけする。アリシアも拒むことなく積極的に、口付けに答え、部屋の中にちゅぱちゅぱと水音が響く。その光景に、兵士達はごくりと喉を鳴らす。

 敗北した後、集められた女達を待っていたのはお世辞にも幸せとはかけ離れていた。もしかしたら、武に犯されているアリシアは幸せな方かも知らない。他の女達は、処女であっても母親であっても関係なく多くの兵士達に犯されている。山の麓にあるこの家までは聞こえていなかったが、下に降りれば女達の嬌声がこの村を満たしていた。それに比べれば武に性感を開発され、恋人のように優しく犯されているアリシアの方がましだった。

「大尉殿、この部屋の外で少年を見つけたのですが、いかがなさいますか」
 そういえばさっき、外で声がした。武は彼女に種付けすることで忙しく、気にも留めなかった。
「そうか、じゃあこの部屋に連れて来い」
 すぐさま、若い男が担ぎこまれる。裸で縛り付けられたまま、意識を失っていた。

「ラークなの……?」
 少年の顔を見て、アリシアが反応する。
「そうか、彼がラーク君か。もういいぞ、君らは楽しんでこい」
 兵士達はラークを椅子に縛りつけ、部屋から出て行く。

「アリシア、どうだ?恋人の前で犯されるのは……?」
 武は彼女の耳元で囁く。アリシアは顔を真っ赤にして隠す。
「そ、そんな……あぅ」
 武は一度彼女を持ち上げる。鍛えられた武に彼女は軽かった。ほとんど武のペニスが抜けるところまで持ち上げ、彼女を反転させる。対面座位から背面座位になり、ラークが目を開ければ、二人の結合部が目の前にくる。

「いやよ。お願い……ラークには見られたくないのぉ」
 泣きそうな顔で武を見つめる。だがその顔は悦楽にそまり、男に媚びているようにしか見えなかった。武は彼女のことを無視して、腰を動かす。

ずん、ずん、ずん、ずん、ずん。
「あ、あん、あん、だめぇ。動かないでぇ」
 言葉とは裏腹にアリシアの膣肉は武のペニスを受け入れ、甘えるように絡みつく。
「ほらアリシア、愛しのラーク君に見せつけてやろう」
 武は腰の動きを早める。激しくアリシアの膣内を出入りし、淫靡な香りが部屋に充満する。その度にアリシアのピンク色の肉襞が、雁に引っかかり外に引き出される。すぐにアリシアの抵抗はなくなり、武の上で甘えるように喘ぎ続けるだけだった。


「あ、あ、あ、気持ちいいのぉ~~」

あれ、ここは……?
 ラークは女の喘ぎ声と、ぴちゃぴちゃと響く水の音に目を覚ます。後頭部に鈍痛を感じ、意識が朦朧としていた。少しずつ、ラークは今の状況を思い出す。
俺は街に行って、そうだアリシアに髪飾りを買ったんだ。
それから村に戻って……
 何か恐ろしいものを見た、そんな感じがした。

「んぁ、奥に当たってるぅぅ。あぅぅ、きてるぅ」
 甘い声がラークの劣情を刺激し、自分のペニスが勃然としてくるのを感じた。次第に意識が覚醒してくる。そして、ラークは目を開く。

え……?
 最初ラークは目に飛び込んできたものが、何なのか認識できなかった。恐らく男と女の下半身、そしてそれらはガッチリと結合していた。ラークの目の前で、男のペニスが女の中に出入りし、くちゅ、くちゅ、と水温をたてる。

「おや、アリシア。愛しのラーク君が起きたみたいだぞ」
 男の声がラークの耳に入る。まだラークは状況を理解できず呆然としたままだった。

「え!?いやぁぁぁ、ラーク見ないでぇ~~」
 アリシアはラークがじっと自分と武の繋がっている場所を見ている事に悲鳴を上げる。手を当てて隠そうとするが、武はぐいっと手首を掴みそれを許さない。むしろ大きく腰を振り、アリシアの秘部を抉る。

「ア、アリシア!?」
 漸くラークは眼前の状況を知った。自分の恋人が目の前で犯されているのだ。彼が夢にまで見たアリシアの白い体が男に貪られ、自分のものになるはずだった彼女の花園は男に蹂躙されている。

「ラークぅぅ、ごめんなさい。私、私ぃぃ。あん、あん、あん」
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ。
 目の前で男の肉棒が出入りするたびに、恋人が嬉しそうに喘ぐ。愛液と男の精液が飛び散り、ラークの顔にかかる。
「どうしてだよ。何でこんな…………」
 ラークは目の前の光景を信じたくなかった。

「すまないね、ラーク君」
 アリシアを犯している男が口を開く。彼を見てラークは少し驚く。どちらかといえば優男という言葉が似合う男だったからだ。それに口調も丁寧で、諭すようにラークに話しかける。
「でもクレアモルンと連邦は戦争しているんだよ」
 男はゆっくりと続ける。だがその腰はアリシアに突きこまれ、彼女に甘い喘ぎを上げさせている。
「君達の村が抵抗したおかげで、こちらの兵士も4人死んだ」
 この村の人間がそれ以上に死んだが、男はそれを語らなかった。
「つまり君達の村は連邦の敵になったんだ。敵に何をしたって構わないだろ?」
 男は上品な笑みを浮かべ、アリシアの首筋を舐める。アリシアはくすぐったそうに微笑む。まるで仲睦まじい恋人同士のようだった。

「じゃあクレアモルンは負けた……?」
 ラークはポツリと呟く。彼も自分達の国が戦争をしていることは知っていた。現に彼の村からも何人かが戦争に行っていた。だが1年近く前から戦線は一進一退であったし、クレアモルン方面は第4次アナタリウスの主戦場ではなかった。そのため両陣営は余り戦力を投入せず、ラーク達は普段の生活を乱されることなく、いつもどおりの生活を送っていた。だから、戦争の話をされても実感がないというのが本当のところだった。
「いやそうじゃない。正直君の国や援軍を送っている枢軸側はよくやっている」
 男は一呼吸置いて、くすりと笑う。
「でも少し甘かったな。連邦は浸透作戦でいくつかの部隊を戦線の後ろ、つまりここに送り込んだのさ」
 とん、とんとベッドを叩く。つまりこの村がその標的になってしまったということだった。

「後は補給線が絶たれ、主戦線は崩壊。そしてクレアモルンは崩壊する。こういうときは何というべきなのかな……」
 男は視線を漂わせて、言葉を選ぶ。だが的確な言葉が見つからなかった。
「お悔やみ申し上げる、まあ大和ではこうかな。俺が言うことではないか」
 自嘲気に言った。
「あん、あん、あん、あん」
ずん、ずん、ずん。
 愕然とするラークの目の前で、二人は交わり続けていた。経験のないラークにも分かるほど、アリシアは快楽に溺れる。
 
「ごめんね、ラーク。私、もう……」
 アリシアの白い体が紅潮し、ひくひくと痙攣する。男もそれに答えるように、激しく腰を動かす。
「アリシア……なんでこんな男と……」
 自分の前で絶頂しようとしている恋人を前に、つい彼女を責めてしまう。ついこの間、自分の気持ちを受け入れてくれた彼女が男に犯され、歓喜の声を上げる。ラークの目には彼女が嫌がっているようには見えなかった。
「そんなにアリシアを責めるなよ、ラーク君」
 男は彼女の太腿を掴み、思いっきり開く。ラークの目と鼻の先に二人の結合部が突き出される。
「彼女は可哀想なぐらい、必死に抵抗したぞ。何度も俺に犯されながら、君の名前を呼んでな」
 今度はゆっくりとした動きでアリシアを焦らす。彼女はラークの事など目に入らぬようで、切なげな視線で男を見つめる。

「最も……」
 首筋から、彼女の唇まで舌でなぞる。そしてアリシアの唇に優しく口づけする。彼女も蕩けた顔でそれに答え、ちゅぱちゅぱという音がラークを苦しませる。
「今は俺のものだがね」
ぐちゅう。
 男の肉棒がアリシアの性器に完全に埋まり、結合部がガッチリと合わさる。アリシアは歓喜の声をあげ、自分からぐりぐりと腰を押し付ける。男の巨根がアリシアの子宮を圧迫し、彼女に途方もない快感を与える。

「アリシア……」
 ラークはアリシアが犯される姿に涙と共に、ペニスを立ててしまっていた。素っ裸で縛られ、自分のペニスを晒される姿はラークには耐えられない屈辱だった。
ぐちゅう、ちゅく、ちゅぷ。
「いい……大きいのが奥でぇ、さいこぉ…あ…あぁ」
 男はアリシアの最奥まで征服したまま、円を描くように動かす。肉棒が膣壁をすみずみまで刺激する。

「……アリシア、今の君をラーク君にも教えてあげてくれないか」
 男は腰を動かしながら、アリシアの耳元で囁く。
「あん……ラークぅ、私、今気持ちいいのぉ、この人の大きいのが私をみっちり満たしてるのぉ」
 アリシアは快楽のあまり、朦朧とした意識のまま、自分と男との交わりをラークに伝える。ラークが今まで聴いたことのない、男に媚びる甘い声だった。
「それでねぇ……何度もつかれると、彼のが私の中を擦るのぉ。それが気持ちよくって」
 生まれてから十何年もアリシアを見てきたラークが、見たことのない悦楽の表情だった。白い腰が、男を求めて揺れる。

「ほらアリシア、ラーク君のを見てごらん。君を見てあんなに大きくなっているんだよ」
 男は晒されているラークのペニスをアリシアに示す。彼女は言われるまま、そちらに目を向ける。アリシアの美貌にじっと見つめられ、ラークのペニスはぎんぎんに固くなる。
「……でもラークのそんなに大きくなってないよぉ。少し皮も被ってるし」
 だが彼女の言葉にラークは衝撃を受ける。恋人の口から男として最悪の言葉を吐かれ、彼はどん底の気分だった。
「ラーク、私そんなに魅力的じゃない?」
 アリシアの綺麗な顔が、淫靡な表情でラークを見つめ、体を見せ付けるように男の首に手を回す。彼女の抜群のプロポーションが見せ付けられ、ラークは滾るほどの欲情を股間に感じた。

「違うよ、アリシア。ラーク君のはあれで最大なんだ。それに皮を被っているのも別に可笑しいことじゃないんだよ」
 男の目線が蔑む様なものにラークには感じられた。ラークのペニスは別段小さいという代物ではなかった。しかし男の巨根しか知らないアリシアにとって、比較するとラークのものは目劣りしてしまう。
「そうなの……」
 アリシアはがっかりしたように、ラークのペニスを見つめ、視線を自らの結合部に移す。そこには男の大きな肉棒が自分を貫いていた。
「うふふ、やっぱり私これがいいのぉ~……大きくて、硬くて、太くて、あなたの最高ぉ……」
 アリシアは腰を揺らし、男の肉棒を食い締める。

「でも彼は恋人なんだろ?」
 男はそれに合わせて腰を揺らす。二人はぴったりとくっついたまま、厭らしく腰を動かしあった。暫しアリシアは黙って考え込む。
「ラーク、ごめんね。私この人のを知っちゃったから、もうラークのそれじゃあだめだと思うの……」
 そう悲しげな顔で話す。だがその腰は快楽を求めて貪欲に動き、ラークの目の前にある彼女の花園は悦びの涎を垂らしていた。ラークはその光景に思わず目を背ける。
「それじゃあアリシア、そろそろ中に出すからな」
 男はそう宣言する。アリシアは嫌がるようすを見せず、むしろ嬉々として腰を振る。慌てたのはラークだった。

「な、中に出すってそんなことしたら……」
 ラークの言葉を男が続ける。
「出来ちゃうかもしれないな。アリシアは今日から危険日らしいしな」
 ラークの顔が青ざめる。対照的に男はニヤニヤとしながら、アリシアの胎を摩る。彼女は頬を染め、恥ずかしそうに顔を俯ける。しかし彼女の顔は本気で嫌がっているものではなく、むしろ男の子を孕んでしまうことに照れているだけだった。
「何で……アリシア!!」
 離れようとしないアリシアに、ラークは問いかける。

「でもねラーク、私もう彼から離れられないの……あん」
 くちゅくちゅと、結合部が音をたて、彼女の愛液がシーツにしみを作っていた。アリシアの手は後ろに伸ばされ、男にしがみ付いていた。つらい態勢だろうに、彼女はしっかりとしがみ付いて離れなかった。男はアリシアを思う存分突き、その度にラークの顔に汁が掛かる。
「じゃあラーク君。ずっとここから目を離さなかったら、外に出してあげてもいいよ」
 そういって男は二人の結合部を指差す。男の巨根が出入りし、アリシアのピンク色の肉襞が覗いていた。

「あん、あん、あん、奥まで来てるぅぅぅ」
ずちゅ、ずちゅ、ずちゅ。
 男は勢いよく腰を動かす。今度はとめずに何度も抉り、二人の官能をどこまでも押し上げる。アリシアの膣肉は男の肉棒をキュウキュウと締め付け、男の射精を誘う。
「いいのぉ、気持ちいい~~!」
ぐちゅ、ぐちょ、ぐちゅ。
 アリシアはもう、ラークのことなんて忘れていた。ただひたすら、男と男の肉棒と自らの絶頂のために腰を振る。快楽にアリシアの美貌が淫らに蕩け、彼女が動くたびに形のいい乳房が弾む。

「はぅ、あん、あぅ、私、いっちゃう。もう、だめぇ」
ぐちゅ、ずちゅ、ずちょ。
 アリシアは絶頂に昇り詰めていく。彼女の白い肢体が痙攣し始め、その顔が悦楽に染まる。男はラークがじっと見ていることを確認すると、彼女を持ち上げ肉棒を限界まで抜く。

 それにラークがほっとしたとき、アリシアが叫んだ。今まで何度も注ぎ込まれ、その快感を味わってきたアリシアには我慢出来なかったのだ。
「いや、抜かないでぇ。中に、中に頂戴ぃぃぃぃ」
 男はラークを嘲笑すると、思いっきり彼女を降ろし思いっきり突き入れる。
ずちゅう。
 亀頭が彼女の最奥まで侵入し、そこを強烈に圧迫する。

「い、いくぅぅぅぅぅぅぅ」
ドピュルゥゥゥゥゥ。
 アリシアはかつてない絶頂を迎えた。自分の恋人の前で犯される背徳感、行為を人に見られているという被虐心、そして男の肉棒が注ぎ込まれてくる、本能から来る圧倒的な快感。アリシアは大きく絶頂し、体をひくひくと痙攣させる。それが男の肉棒を刺激し、とてつもない量の射精を促す。
ドピュゥゥゥ。
「出てるぅ、ここに一杯……あ」
 アリシアの女としての本能が、目の前の逞しい男の子を孕むために自動的に動き始める。彼女は膣奥に痺れを感じる。

くぱぁ。
 彼女の子宮口は口を開き、男の鈴口に吸い付く。ぱくっと咥え、そこから出る精液を全て飲み干す。
「あん、もっとぉ」
 アリシアは上目遣いで男に媚びる。男は笑ってそれに答え、一層腰を押し付けさらには彼女の唇を奪う。アリシアは男の首にまわした手を引き寄せ、熱心にキスを受け止める。
くちゅ、ちゅく、はむ。
 唇の間で舌が絡み合い、銀色の糸を引く。舌で優しく互いを舐めあい、深いキスに移っていく。
あむ、ちゅう、ちゅく。
 情熱的な口付けが続き、二人はその行為に没頭していく。上の口で体液を交換し合い、下の口で一方的に体液を注ぎ込まれる。

ドク、ドク、ドク。
 目の前で恋人に何度も精液が種付けられ、他の男の子を孕ませられていく行為にラークは呆然と見ることしかできなかった。アリシアの性器から白い粘液が零れる。
そのとき……ドピュ、ドピュ、ドピュウ。
 ラークのペニスから精子が出る。だがそれはアリシアの卵子はおろか、体にすら掛からなかった。

 二人は、男の精液の最後の一滴が子宮に入るまでぴったりとくっつきあい、舌を絡めあって情熱的なキスをしていた。ラークの射精を知ってか知らずか、アリシアは結合部に指を入れ、白濁とした粘液がこびりつくのを見せ付ける。
「ごめんねラーク。私、彼の子供できちゃったかもしれない……」
アリシアは見せ付けるように腰を摩り、幸せそうに微笑んだ。

 それから部屋に朝日が差し込むまで、ラークの目の前で二人は交わりあった。

 次の日、アリシアはラークが監禁された部屋に話に来た。だがラークは彼女と面向かって話すことができなかった。どうしても彼女を許すことができなかったのである。彼女は自分の用件を手早くラークに伝えた。

昨日の事の謝罪。
ラークの事を今まで好きだったということ。
乱暴なことはされていないから、安心してくれということ。
これからあの男の情婦になること。
そしてそれは自分の意思だということ。

ラークはただ黙って聞くことしか出来なかった。


 それから二ヶ月の間、武の部隊はこの村に駐屯した。その間、アリシアは武の情婦として扱われ、毎日のように彼に抱かれた。ラークは他の男達と共に幽閉され、一つの建物での生活をよぎなくされた。女達は兵士達に犯され、何人かは気が狂ってしまっていた。
そして彼らが出て行くとき、女達は老女と幼女を残し全て連れ去られ、男達は監視付で解放された。

 武が言っていた通り、戦線は連邦に破られ、クレアモルンは瞬く間に占領されつつあった。噂では聖都で、必死な抵抗が続いているらしかったが、それも時間の問題らしい。


 そしてラークは2ヶ月ぶりにアリシアと再会した。久しぶりに会ったアリシアはゆったりとしたワンピースに身を包み、ぐっと大人っぽくなって女の色気を振りまいていた。肌にも脂が乗り、そこから漂う甘い香りがラークの鼻腔を刺激する。

「ラーク、久しぶりね」
 彼女の顔は、ラークが思っていたようなやつれきったものではなく、幸せそうだった。
「ああ、久しぶり」
 話したいことはいくらでもあったが、最初に口から出たのはそれだけだった。

「ふふ、何かラークと話すだけなのに緊張しちゃう」
 口を手で覆って笑うだけなのに、ぞくっとする色気があった。
「ラークにね、話したいことがあって……」
「俺もアリシアに話そうと思っていたんだ」
 アリシアの言葉を遮る。
「そのアリシア……これからの事なんだ。俺達これから……」
 もう一度やり直せないか、ラークはそう言おうとした。だがその言葉は口から出ることは一生なかった。

「わかっているわ、ラーク」
 母親のような暖かい視線でラークを見つめる。
「そ、それじゃあ!」
 ラークは二ヶ月離れていても心が通じた、それだけで雲の上に昇るような気分だった。
「ええ、昔の事はお互い忘れましょう。その方が私たちのためよ」
 アリシアはあっさりと口にする。
「そのね、私もよく考えてみたんだけど、あれは恋じゃなかったと思うの」
 アリシアは微笑を浮かべながら続ける。ラークは絶望の淵で彼女の話を聞いていた。
「二人でいてもどきどきしなかったし、それにね……」
 違う俺はいつもどきどきしていた。
「私、武様……あの軍人さんの事が好きになっちゃったの」
 そんなことは聞きたくない。
「ラーク、あなたも恋をしてみれば分かると思うけど、私達のときとは全然違うのよ」
 俺は君に恋していたんだ。
「いつもあの人の事が頭から離れないし、近くにいるだけで心臓がどきどきして破裂しそうになるのよ」
 そんなこと知っている。俺の心臓は今でもどきどきしているんだ。
「でもよかったわ、ラークも同じこと考えてくれていたなんて」
 違う、違うんだアリシア、俺は……

「そうそう実はね私、大和に行くことになったのよ」
 アリシアは無情にも、この上なく嬉しそうに話す。
「まだあの人は戦場にいるけど、それまで大和で待っていてくれって。うふふ」
 ラークが見たことのないような幸せそうな顔。それを見ると、ラークはやるせない気持ちになる。
「大和って、綺麗な所みたいよ。それにここよりずっと都会なんだって」
 行かないでくれ、ラークはそう言いたかった。だが今の彼にその権利はないことを彼は知っていた。

「そうだ、ラークは知らないのよね」
 アリシアは白いワンピースのお腹の辺りを摩る。
「ほらラークも触ってみて」
 彼女の白い手がラークの手に重ねられ、彼女のお腹に当てられる。ぽっこりとした僅かな膨らみが手のひらに感じられる。
もしかして……
「ねっ。すこし膨らんでいるでしょ。私、ママになるんだ」
 そうやって微笑むアリシアの顔は、優しい母親のものだった。
「こんなときに私だけ幸せになるのはどうかなって思ったんだけど、彼が産んでくれって言ってくれたの……」
 彼女がどうしようもなく幸せだということはラークにもよく分かった。実際のところ、ラークには彼女をこんな幸せそうな顔にはさせられなかっただろう。

「だからね、ラークも幸せになってね。大変なこともあるけど、いいお嫁さん見つけて子供を作るのよ」
 それは今のラークにとって止めの一言だった。
「それでまた会いましょう」
 アリシアは昔と同じ、優しげな笑みをラークに向ける。でもその笑みはもうラークのものではなかった。


戦火は人の人生を容易に変える。
一人の少女は自分の幸せを手に入れ、一人の少年は不幸のどん底に突き落とされた。
誰が悪かったわけではない。
人は戦火の前には無力な存在でしかないのである。


                      武の戦争記 少年と少女 完



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