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「百万遍こたつ事件」救援会

@kotatsu-jiken

★救援カンパのお願い★ 

百万遍こたつ闘争被弾圧者当該の一人からの声明

京都大学当局による学内管理体制強化のなかでの警察権力と一体となっての不当弾 圧を許さない!

弾圧により 30 万円以上も当該が経済的損失を被っている!

警察権力による道路交通法の恣意的な適用による不当逮捕

2018 年 5 月 22 日に同年 2 月 25 日に京都市の百万遍交差点に仲間と共にこたつを持ち込 んで座り込みながら拡声器で京大の学内管理強化への反対などをアピールしたことをもっ て私は道路交通法違反で京都府警に逮捕されました。他にも仲間が 1 名逮捕され、京都地 検は私たちを拘束し続けるために 10 日間の拘留延長を京都地裁に要求しました。しかし、 その要求は却下され、二日後の 24 日に私たちは釈放されました。しかしその後も警察に よる取調べのための出頭要請は続き、結局、5 ヶ月後に略式起訴で 4 万 5000 円の罰金の支 払いが当該に命じられました。私はこの事件の当該として起きたことは不当な政治弾圧だ と訴えます。

まず、逮捕容疑は私たちが百万遍交差点にこたつを持ち込んで交通を妨害したというこ とですが、座り込んだ場所は交差点内の三角地点という自動車が通れないエリアであり、 自動車の通行を妨げたとは必ずしも言い切れません。しかも座り込んだ時間もおよそ 5 分 間ほどで、通報を受けた警察が撤収するように指示してきたのを受けて私たちはすぐに引 き上げました。仮に私たちのしたことが明確な違法行為で逮捕案件であるのであれば、こ のときに現行犯逮捕されていたはずです。以前にも京大周辺で同様なことをした人は何人 もいますが、逮捕された人はいません。三ヶ月経過してからの急な逮捕はこの事件をわざ わざ立件する何がしかの目的が警察にあったことを疑わせます。

次に取り調べの内容は事件の解明とは関係のない京大の学内問題についての情報収集が 相当を占めていました。例えば、私は吉田寮生ですが、吉田寮の内情や京大の学内の運動 の内部事情のようなおよそ今回の事件とは関係のない話題を取調べの警察官はたびたび聞 き出そうとしてきました。私が取り調べに対して黙秘していると、「君たちはほんと恐ろ しい集団に属しているんだな」という内容のことを言われました。警察の捜査が道路交通 法違反の事案を対象にしたものであるならばこのようなことを聞く必要などないはずです。

さらに逮捕時には実名報道がメディアを通して行われ、およそ道路交通法違反程度の事 件では考えられないほど幅広く全国的に事件が報道されました。その報道の内容自体、事 件を京大の学内運動と恣意的に結びつけた学生運動へのネガティブキャンペーンと言える ものでした。さらに被逮捕者の性別を本人の性自認を無視して報道するというハラスメン トが行われたこともとても重大なことです。もともとこの事件は 2 月 25 日の行動の後、翌月 8 日に突然警察からのリーク情報でメディアで「警察が捜査中」と報じられ始めたも ので、逮捕時期は京都大学で 5 月 1 日から学内及び周辺の立て看板への規制が施行され、 学生らの抗議もあって京大の学内問題が社会的に話題になっていた時期でした。事件に対 する捜査を後日始め、メディアにリークし、京大の学内問題が焦点化されてきた時期に逮 捕し、大々的に報道させた警察のやり方は明らかに学生運動つぶしという他はありません。

なお、京都地検での検事調べは交通事案を扱う交通部の検事ではなく、公安事件を担当す る特別刑事部の検事により行われ、検事の口からも今回の事件は政治事件として対処した、と語られています。

以上を踏まえ、私は今回の事件を警察による不当弾圧であると訴えます!

京都大学当局による学生処分と学生運動をやめろという誓約の強要

加えて、この弾圧には京都大学当局が深く関与していることも明らかになっています。 まず、警察及び検事の取調べでは、私たちの行動の証拠として大学提供の監視カメラの画 像が示されていました。また、事件が略式起訴による罰金刑で法的に決着した後、大学側 は京大の学生である私を学内の懲戒規定に基づいて呼び出し、密室で事情聴取を行いまし た。このときも事件が京大の学内運動とどう関係しているのかについての情報収集が狙わ れていました。最終的に私は有期停学三ヶ月の学内処分を受け、私は当時休学申請を大学 に出していたのですが、それが取り消され、本来であれば支払う必要のなかった半年分の 学費、およそ 26 万円超を支払うことを余儀なくされました。

 学内処分の理由は「刑罰法令に触れる行為を行った」こと、そして事件の報道により 「本学の名誉や信用を損ない、本学に関するマイナスの印象を社会に与えた」ゆえ、「学 生の本分を守らない行為があった」ということでした。警察による恣意的な道路交通法違 反の適用に関して、大学当局は憲法に定められた大学の自治の観点に則っとり、公権力か ら学生を守るために抗議するどころか、逆に私への処分理由としています。このことは大 学の自治の放棄であると同時に著しく公平性を欠いたことと言わざるをえません。さらに、 事件当時の報道の内容を何ら吟味することなく、報道によって個人などが不利益を受けた ことを問題化することもせず、一方的に大学の名誉や信用を傷つけた、として大学当局が 私を処分する理由に事件報道を扱っているのもやはりおよそ学生を不利益から守ろうとい う姿勢からは程遠く、著しく公平性を欠いています。また、「学生の本分」なるものも定 義が非常に曖昧で、恣意的な解釈が可能であり、大学当局側の判断により一方的に「学生 の本分を守らない行為があった」として処分するのは大きな問題を孕んでいます。

 そのうえ、処分の言い渡し後には大学から運動をやめるという誓約書に署名するように 非公式に強要され、今後学生運動に関わらないようにしろ、それを約束しなければ君は学 内で不利益を被ることになるということを言われました。そもそも大学が警察に情報提供 を行い、学生を逮捕させたことは憲法に定められた大学の自治に反しますし、すでに法的 に終わった案件を大学が改めて学内処分で罰するというのは不当な二重処罰と言えます。 そればかりか、道路交通法違反の案件で処分を受けた学生に対してなぜ学生運動に関与し ないようにという誓約書を書くことを求めるのでしょうか?近年学内管理強化を強める大 学当局が警察の捜査に協力し、学内処分を私に下した目的が学生運動つぶしにあることの 証左と言えるでしょう。

★救援カンパをぜひお願いします!★

今回の弾圧に関して今まで皆様からの暖かい支援とカンパを私たちはいただきました。 本当に感謝します。しかしながら、救援活動のためのお金は不足しており、弾圧の救援の ためにかかった費用を当該が 30 万円以上自己負担している状態であり、改めて皆様には ぜひカンパを何卒よろしくお願いいたします。カンパの振込先は以下の通りです。

ゆうちょ銀行

店名 五五八

店番 558

預金種目 普通預金

口座番号 2087497

口座名 ウエダマサコ

救援カンパ会計報告

この度の百万遍こたつ事件弾圧に際して皆様から寄せられたカンパについて収支報告を掲載します。諸事情により会計報告が遅れたのは大変申し訳ありませんでした。

2020年12月7日時点での寄せられたカンパの総額

265959円

支出の内訳

罰金の支払い

135000円

弁護士費用

30000円

救援活動のための交通費

3140円

被弾圧者の生活費

97819円

以上となります。

カンパしていただいた方には大変感謝致します。なお、弁護士費用など当該が自己負担を強いられている金額が未だ30万円以上あり、引き続き皆様からの支援が必要です。どうか支援のほどよろしくお願いいたします。

なお、今までの百万遍こたつ事件救援会の振込口座は諸事情により閉じることとなりましたので、カンパの振込は以下の口座にお願いいたします。

ゆうちょ銀行 店名 五五八 店番 558 普通預金 2087497 口座名 ウエダマサコ

声明文その2

 「百万遍こたつ事件」のその後の経過についてご報告します。

 当事者たちに対しては、春を過ぎ夏を超え、2018年9月に入るまで警察および検察から複数回の出頭要請および取り調べが行われてきました。

 そして2018年10月17日付で、道交法違反で各4万5000円の罰金を払えとの略式命令が裁判所より下されてしまいました。当人たちの経済状況を考えると、少ない額ではありません。だれも被害を受けてなどいない軽微な交通「事件」に対し、京都府警・検察・裁判所が行った対応は、けっして妥当なものではないと私たちは感じています。

 先の声明でもふれたように、当事者たちははじめから出頭に応じ、身元や事実関係などについて認めています(かりに任意での出頭を拒否したり、黙秘権を行使していたとしても、不当な身体拘束や取り調べ等がゆるされないことはもちろんですが)。さらに警察は大学・行政当局から多くの監視カメラ映像を提出させるなどしており、十分すぎるほどの証拠を確保しています。

 それにもかかわらず警察は逮捕・拘束を行い、釈放後にも何度も取り調べが行われ、さらに検事による取り調べが長時間行われた人もいます。その内容のほとんどは、事件とは無関係なことについてだったそうです。当日どんなことを話していたかとか、住んでいる場所、その他大学周辺の動きや人間関係などについて聞くために、わざわざ何度も呼びつけたのです。当然、特に話すことなどなかったので、当事者たちは無意味な時間をただ強いられるだけとなりました。

 この事件を扱ったのは京都地方検察庁特別刑事部であり、通常の交通事件を扱う部署ではありません。そこで当事者のひとりが「特別刑事部とはなんなのか」と担当の藤尾智敬検事に聞くと、かれは「左翼右翼をはじめとする政治活動に関する取り扱う部署である」と答えました。さらに「車道を占有し、学内問題、自治寮、立て看のことを演説していたことが明らかになったので、道交法違反事件としてではなく、道路を占有しての政治活動事件として対応した」と言ったとのことです。

 司法当局が「政治活動」だとみなしたものに対して過剰で抑圧的な対応を行ったという点で、今回の件はまさに「政治弾圧」であると思います。「街頭でなにかを表現すること」が、かつてはどれだけありふれたことであったかを考えたとき、私たちが暮らす社会は日に日に息苦しくなっているように感じます。

 警察は、逮捕時の取り調べにおいて当事者たちをそれぞれ個別に百万遍交差点まで連行し、交通を長時間止めて何度も無駄な現場検証を行いました。事件と直接関係ない背景について何度も事情聴取を行い、大量の文書作成を行った警察や検事に支払われた給料の額を時間で換算するなら、罰金をはるかに上回るものになるでしょう。

 事件は一区切りを迎えましたが、私たちは今後も、この件が持つ意味について考えつづけていきたいと思っています。そして同じように、あるいはまたちがったかたちで不当な圧迫を強いられているひとびとや場所、そうした社会のなかで生きにくさや、きゅうくつな思いを感じているひとびとと、ともにありたいと思っています。

 最後になりましたが、多くのみなさまよりご声援やカンパをいただきましたことに、心より感謝申し上げます。交差点ではなくても、またどこかでみなさんとこたつを囲む機会があればと思います。

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罰金支払いおよび弁護士費用など、救援活動のためのお金が不足しており、カンパを引き続き受け付けています。どうぞよろしくお願いいたします。

ゆうちょ口座 記号14480 番号53283641

ゆうちょ銀行 四四八店 普通 5328364

口座名「百万遍こたつ事件救援会」

連絡先:kotatsu-jiken@protonmail.com

声明文

 私たちの友人であるAさんとBさんが、2018年5月22日・23日に道路交通法違反(道路における禁止行為)の容疑で京都府警下鴨警察署・京都府警交通指導課に逮捕されるという事件が起こりました。この逮捕は、AさんとBさんが2月25日に、京都大学付近の百万遍交差点路上にてコタツを持ちだし座り込んだ行為によると京都府警は発表しています。AさんとBさんのこうした行為そのものについては、私たちのなかにもさまざまな意見があります。しかし、私たちは二人の逮捕・拘束とそれに続く報道には以下のような重大な問題があると考えます。

 そもそも今回のような軽微な違法行為で逮捕・拘束されるのはきわめて異例のことです。AさんとBさんの行為は、実際に事故を招いたり、誰かにけがをさせたりしたわけではありません。交差点に座り込んでいたのは警察によれば5分間程度であり、警察官の注意を受けて歩道に退去しています。警察官が逮捕に相当する犯罪とみなせば現行犯逮捕もできたはずですが、当日にそのようなことはありませんでした。

 しかし、AさんとBさんは後日(それも3ヶ月も経ってから)逮捕・拘束され、さらに検察は裁判所に勾留請求を提出し、二人の身柄拘束を延長しようとしました。そもそも勾留は「罪証隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」などの理由がなければ認められないと法律で定められています。AさんとBさんの場合、自ら出頭して捜査に応じ、住所も隠していないなど理由となりうる状況は全くありませんでした。それを裏付けるように、勾留請求は裁判所によって却下され、AさんとBさんは5月24日夜に釈放されました。

 十分な理由なき勾留請求が却下されるのは当然のことですが、日本では95%以上の勾留請求が安易に認められているという現状があります。その中で今回の京都地裁の判断は司法が正当に機能した一例として評価されるべきでしょう。同時に、今回の逮捕・拘束がもとよりいかに妥当性を欠く不合理なものであったかを示すものといえます。

 比較的短期間で釈放されたとはいえ、今回AさんとBさんは逮捕・拘束によって生活上の多大な不利益を被りました。二人の行為に対比して明らかに過剰かつ暴力的な権力行使がなされました。私たちはこれをAさんとBさんに対する人権侵害と捉え、京都府警および京都地検に対して断固として抗議します。

 また、逮捕を受けて行われた報道には、AさんとBさんの氏名、住所、年齢、性別等の個人情報を公表するものが多数見られました。原則として被逮捕者はその時点では「被疑者」であり、犯罪事実が確定しているわけではありません。その時点での実名報道は、無罪の可能性のある人物が犯罪者のように周知されるという大きな問題をはらむものです。また実際に犯罪を行った者であっても、個人情報を恣意的に報道されることは法的な処罰以外の「社会的制裁」となります。その結果、本人や周囲の人物が私的に迫害を受けたり、それが法的に罪を償った後にも続いたりといった事態が起こりえます。現在はインターネット上に情報が流れることにより、その危険はますます深刻なものとなっています。

 各種報道を含む表現の自由は尊重されるべきですが、逸脱者をさらし者にしたり、プライバシーを覗き見したりする欲望におもねるのはジャーナリズムにあるまじき振舞いです。私たちは、こうした報道に対してもまた強く抗議します。

 上述の逮捕・身柄拘束と実名報道はいずれも、AさんとBさんの人権を恣意的に侵害するものです。これらを容認することは、この社会の市民的自由そのものを広く脅かすことにつながります。「自業自得」と切り捨てるのではなく、「明日は我が身」の視点を手放さない批判的姿勢こそが、権力の横暴を抑止するはずです。私たちは、これらの問題への注目と、そして不利益を被ったAさんとBさんへの支援を呼びかけます。

2018年5月28日 「百万遍こたつ事件」救援会

※AさんとBさんは5月24日に釈放されたものの捜査は継続中であり、今後のさまざまな事態に対応する諸費用が必要です。カンパをぜひともお寄せください。

ゆうちょ口座 記号14480 番号53283641

ゆうちょ銀行 四四八店 普通 5328364

口座名「百万遍こたつ事件救援会」

連絡先:kotatsu-jiken@protonmail.com

2018年5月31日追記 文中に「逮捕・勾留」と記載した箇所がありましたが、報告しているとおりAさんとBさんに対する勾留は今回裁判所によって却下されました。よって「勾留」→「拘束」と表現を訂正しました。

2018年6月27日追記 カンパ口座の情報を追加しました。