ryuchellさん急逝…「SNSで誹謗中傷を繰り返す人」には共通点が
日刊SPA! / 2023年7月15日 8時52分
しかし誹謗中傷の場合、一定の知名度のある有名人をターゲットとした投稿は、公益性を伴う場合があるといった理由で、一般人や未成年に比べ保護されにくい、つまり削除対象となりにくい仕組みとなっています。
一部の海外のプラットフォームでは、悪意ある投稿をAIが瞬時に判断し、最初から非表示としたり投稿できないようにする機能も提供されつつありますが、まだ一般的ではありません。
また、昨今のGAFAをはじめとする世界的なIT業界の不況を受け、各社ではネット上のコンテンツ監視業務に掛かる人員や予算を削減する傾向にあり、リソース不足から対応が追い付いていないことに加え、一部のプラットフォームを除き、悪意のあるユーザーが複数のアカウントを作成し問題投稿を繰り返す行為を制限する仕組みは今のところ存在せず、結果としてそのような投稿が溢れてしまっているのが現状です。
◆誹謗中傷から身を守るためには…
このような誹謗中傷から身を守るには、どうすればいいでしょうか。
まず前提として、まっとうな批判意見には真摯に耳を傾ける必要がある場合もありますが、先に申し上げた通り、酷い誹謗中傷は決して世間のマジョリティーではなく、ごく少数の悪意を持った者が何度も執拗に投稿を繰り返しているということをしっかりと理解し、それらを気に病む必要は全くないことを心得ておく必要があります。
酷いコメントに反論したくなる気持ちは十分理解できますが、彼らのコメント一つ一つに反応せず、ブロックとレポート(通報)に徹し、可能であればコメントを削除したり最初からコメント欄を閉じておくことも有効です。
これらにより「こいつ逃げた」といった類の煽りコメントがさらに投稿される可能性もありますが、反応を引き出すことで優越感に浸るのが彼らの目的であり、同じ土俵には決して乗らないことが鉄則です。それでも収まらない場合は、証拠保全を行ったうえで法的処置を含めた毅然とした対応が必要です。
◆“ていねいに無視”することが一番有効
相手の顔が見えないネットやSNSは、どんなに注意を払っても炎上してしまう可能性はありますが、世の中に大きな影響力を持つ芸能人や有名人の場合は、特に誹謗中傷のターゲットになりやすい傾向があります。
しかし、いかなる場合でも、全く関係のない者が自分の価値観を押し付けたり正義感を振りかざすことは、決して他人を誹謗中傷してもよい免罪符とはなりません。
匿名性の強いネット上で他人を攻撃することでしか自我を保つことができない彼らが最も嫌がるのは、“ていねいに無視”されることです。ネットやSNSを利用する際は、自らが被害者だけではなくそのような加害者とならないように、ネガティブな感情をうまくコントロールすることで負の感情スパイラルを断ち切り、今回のような悲しい出来事がなくなる日が来ることを心より願ってやみません。
<TEXT/井ノ口樹(いのくちたつき)>
【井ノ口樹(いのくちたつき)】
在京テレビ局関連会社、一般企業広報、人材教育コンサル会社を経てネットコンテンツ管理職に従事。自身のメディアやコンサル業界での経験を活かし、主にSNSリスクコンサルタントとしてネットリテラシー向上を目的とした講演や評論活動を行う。また、ホテル運営会社での広報実務経験から温泉や観光業界全般への見識も深い。温泉ソムリエ、温泉入浴指導員、アンガーマネジメントファシリテーター、国内A級ライセンス資格を所有
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