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ryuchellさん急逝…「SNSで誹謗中傷を繰り返す人」には共通点が

日刊SPA! / 2023年7月15日 8時52分

◆自分ではなく他者のせいにする“他責思考”

次に第2段階では、自身の実力や努力が不足しているといった可能性を考慮することなく、自身の失敗や理想と現実のギャップの要因は全て他者にあると考えてしまう他責思考に至ります。自分を客観視して分析する視点に欠け、時としてその原因の矛先が一般社会に向いてしまうと、さらに危険な思考に陥ることがあるのです。

さらに第3段階では、上記の他責思考に至る要因を補完するため、自身と異なる論説や反証となる事象を検討することなくそれらから目を逸らし、自身への賛同意見や持論を肯定する事象しか受け入れなくなるチェリーピッキング行動が現れます。最初は意図的ではありますが、段階が進行してくると無意識のうちにこういった行動をとるようになります。

◆最終的には極端な“ゼロサム思考”に

そして第4段階では、物事を判断するにあたり必要不可欠なバランス感覚を失い、客観的な視点を持つことができなくなり、自分の極端な考えが絶対的に正しいと思い込んでしまうゼロサム思考に至ってしまいます。右か左か、白か黒か、2極に先鋭化し対立する相手の意見だけではなく、中庸な立場の冷静な意見をも受け入れられなくなり、激しく敵視し攻撃するようになるのです。

これらはSNSやネット上の対立構図でよくみられる心理的傾向であり、芸能人への誹謗中傷を繰り返す層だけでなく、政治的な左右対立や陰謀論、カルト、フェイクニュース、ヘイト思考に陥る層や、独善的な正義感に囚われ過激な行動に走る層と親和性が高いのが特徴です。

◆“少数なはずの書き込み”が多数派に見えてしまう理由

もちろん、こういった思考に至るのは全体のネット利用者の割合からすればごく少数ではありますが、同じ考えを持つ者同士がSNSやネットという手段を通して簡単に繋がりやすくなったこともあり、自分の意見を声高に主張するノイジーマイノリティーが世間の多数派に見えてしまう傾向があります。

ネット上で極端な意見ばかりが目立つのは、これらの要因に加え、バランスの取れた中庸意見は対極的な意見を持つ双方から攻撃されたり、そもそも投稿数が少ないためです。

◆ターゲットが有名人だと「削除対象となりにくい」

こうした誹謗中傷から利用者を守るため、どのような取り組みが行われているのでしょうか。

SNSやネット掲示板を運営するプラットフォーム(事業者)では、各社が定めたポリシーやガイドラインに沿って、AIと人の目による監視を組み合わせ、誹謗中傷だけでなく差別や犯罪行為を助長する投稿や性的な投稿など、問題のある投稿の削除やアカウントの凍結といった対策が行われています。

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