AIを活用した子どもの一時保護判断 「運用は慎重に検討」こども相
4歳の娘への傷害致死容疑で母親が三重県警に逮捕された事件をめぐり、AI(人工知能)の評価も参考にしつつ一時保護を見送っていたことを受け、小倉将信こども政策担当相は14日、「AIを活用した緊急性の判断ツールの運用は、事案の状況確認も含めて慎重に検討を進める」と記者会見で述べた。
国が昨年12月にまとめた児童虐待対応のプランでは、児童相談所の体制強化などに加え、現場の負担軽減策として「一時保護時の判断に資するAIの活用」を盛り込んでいた。小倉担当相は「最終的な一時保護の要否は、児童福祉司を中心として児童相談所長が判断すべきもの」と話した。 三重県警は先月29日、娘をテーブルから床に落とすなどの暴行を加え、死亡させた容疑で母親を逮捕した。一時保護を検討した児童相談所は、あざなど虐待が疑われる状況があったものの断定はできず、母親が児相の指導や支援に応じる姿勢をみせたことのほか、AIが「保護率39%」と評価したことも参考に、一時保護を見送った。県はAIの評価について「あくまで参考値で、判断は人間がしている」と説明している。(高橋健次郎)
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- 【視点】
児童相談所の業務にAIの活用は必要だが、使い方に留意が必要だ。一口に児童相談所の業務に活かすAIといっても、様々なものがあるので、どのようなAIをどのような目的で使うのか、そして運用をどうするのかということが非常に大事だ。 三重県は他
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