女児虐待の疑い、AIの「保護率39%」評価参考に児相が保護見送り
4歳の娘への傷害致死容疑で母親が三重県警に逮捕された事件をめぐり、県は10日、虐待に関する過去のデータを職員の判断に生かすAI(人工知能)の評価などを参考に、一時保護を見送っていたと明らかにした。「保護率39%」だったといい、在宅での定期見守りを決めたという。
県議会の全員協議会で説明した。児童相談所は昨年2月、女児にあざが見つかったとの連絡を受け、母親らと面会。あざが虐待によるものと断定できない▽母親が児相の指導や支援に応じる姿勢をみせたなどのほか、AIで評価した際、「保護率39%」だったこともあり、一時保護せずに定期的な見守りとすることを決めたという。
児相はその後、女児が保育園を長期欠席しているとの情報も得ていたが、面会などの対応はしていなかった。
AIシステムは虐待や虐待を疑われる過去事例を職員の判断に生かすもので、2014年度以降の約6千件分のデータを集め、20年7月に県が導入した。データをもとに一時保護の必要性を示すというが、「あくまで参考値で、判断は人間がしている」(県子ども・福祉部)としている。
政府が昨年9月に公表した児…
- 【視点】
児相の負担軽減のためにAIを活用しているということは、そのうち救急車を呼んでも、AIで「保護率39%」と判断されて見送られるような時代が来るのだろうか。 この件では、最初に母親が保護を求めたということだから、当人からしたら、もっと虐待しな
…続きを読む - 【視点】
子どものデータを連携させることで虐待のリスクを測ろうとする国の事業は、いま多数の自治体で進められています。しかし、根本的に解決すべきは、児相職員をはじめとした専門職の数が圧倒的に足りない現状です。 いくらリスクを抽出したとしても、その「精