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誤作動か…時速120キロ高速噴射の水直撃スタッフ死亡 韓国発日本初上陸「ウォーターボム」大阪公演中止

[ 2023年7月15日 05:05 ]

waterbomb大阪公演の公式インスタグラム(@waterbomb_osaka_official)から

 大阪市此花区の人工島・舞洲で14日、音楽フェスティバル「ウォーターボムジャパン」の大阪公演(きょう15、16日)のリハーサル中に時速120キロで水を噴射する装置が誤作動、直撃を受けたとみられる男性スタッフが死亡した。大阪2公演は中止。此花署は業務上過失致死容疑を視野に調べている。

 事故が起きたのはイベント会場「舞洲スポーツアイランド・空の広場」。この日午前11時10分ごろ、「男性スタッフが機材で頭をケガして意識がない」と119番が入った。

 スタッフは自営業の八代達司さん(40)=埼玉県東松山市=で、「ウォーターキャノン」と呼ばれる装置から誤って噴射された水の直撃を受けたとみられる。頭から血を流して倒れているのが見つかり、病院に搬送されたが、死亡が確認された。顔面負傷による脳挫傷だった。

 「キャノン」は長さ約150センチ、口径約7・5センチの筒状。韓国から持ち込まれていたといい、ステージと観客エリアに計40台が高さ約1・6メートルの位置に設置されていた。

 3種類のスイッチを押すと水が噴射する仕組みで、点検中だった別のスタッフが2種類を押したところで「ドン!」という音とともに数本から噴射。八代さんが噴射口をのぞき込むようなしぐさをしていたのが目撃されていたが、関係者は「そんな指示を出すことはあり得ない」と話した。現場には約200人のスタッフがいた。「キャノン」1台から100回以上の噴射を予定していたという。

 「韓国発のウォーターフェス!日本初上陸」とうたわれたイベント。大阪公演は午後0時半に開演し、同8時45分に終演予定だった。2日間で9組ずつ、人気ユニット「BIGBANG」のD―LITE(34)ら計18組のアーティストが出演し、計約2万人の来場が見込まれていた。

 大阪公演のチケットは全額返金される予定。主催者は公式サイトで「これ以上このようなことが起こらないよう、対策をし再発防止に責任を持って取り組んでまいります」と説明した。愛知公演(22、23日)と埼玉公演(29、30日)の開催可否について協議し、主催者の関係者は「現段階では実施したいと考えている」と話した。


 ▽ウォーターボム 2015年に韓国で初開催された、同国の夏恒例の音楽祭。K―POPやヒップホップなどの音楽に、水遊びの要素を加えたイベント。観客も参加して水鉄砲を撃ち合う「バトル」も繰り広げられる。昨年には韓国国内で観客約15万人を動員した。日本上陸は今年が初で、愛知公演は常滑市のAichi Sky Expoで、埼玉公演は所沢市のベルーナドームで開催予定。


 ▽ウォーターキャノン 大砲の筒部分に大量の水を注入し、窒素ガスなどの圧力により押し上げて、上空高くまで噴射させる機械。イベントなどで特殊効果として演出で用いられるほか、砂ぼこりや熱中症を予防する用途もある。ライブで使用する場合、圧力調整によって10~40メートルの水柱を発射する性能が一般的。中には70メートル以上噴出可能な物もある。安全性を確保するため、設営時に周囲3メートル以内に人が立ち入らないよう柵を取り付けるケースもある。

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