県内ニュース

07月13日 19:04

アイドルのセカンドキャリア 元AKB48が地域おこし協力隊に 《新潟》

AKB48のメンバーだった女性が故郷の小千谷市に戻り、地域おこし協力隊としてセカンドキャリアを歩み始めました。
仕事先は地元の花火会社。アイドルの経験と伝統の片貝花火を生かして、地域の魅力を発信しようとしています。

7月3日、小千谷市役所で開かれた会見です。

【佐藤 栞さん】
「このたび、地域おこし協力隊と なりました、佐藤栞です。いままでの経験をいかして片貝煙火工業をはじめ、小千谷市のためになれるように頑張っていこうと思います。よろしくお願いします」

小千谷市出身の佐藤栞さん、25歳。元AKB48のメンバーです。
この日、小千谷市の地域おこし協力隊として、新たな道を歩み始めました。

栞さんがアイドルとしてデビューしたのは9年前の2014年。
AKB48のなかでも全国47都道府県から1人ずつメンバーを選ぶ、チーム8のオーディションに合格。およそ5年間、メンバーとして活動しました。

【佐藤 栞さん】
「アイドル生活は楽しかったです。そのおかげで東京で色々したあとに帰って来ても、皆さんに覚えていただけていて。辛いときもありましたけど、本当に無駄なことはなかったなと今になったら思います」

世界最大級の四尺玉花火で知られる小千谷市の「片貝まつり」。400年の伝統を誇り、打ち上げの日、街は花火一色に迫ります。

栞さんは、その花火を手掛ける片貝煙火工業に所属しながら活動する「企業連携型の地域おこし協力隊」に就任しました。

花火会社に所属、といっても花火職人になるわけではありません。栞さんが担うのはSNSなどを活用した、地域の魅力発信。

主に片貝花火を擬人化したキャラクター、「片貝 花火むすめ」を通して、若者に花火や小千谷の情報を発信していきます。

この“片貝 花火むすめ”
去年、片貝煙火工業と新潟デザイン専門学校の学生が協力し、代表的な6つの花火をキャラクターにしました。

【片貝煙火工業 本田 和憲 社長】
「このコロナ禍で、我々花火業界もかなり厳しい状況にあったので、花火以外のところでも収益化を図れるような仕組みを作っていかないと、花火工場を維持できないかなというのがあって」

片貝花火をはじめ、柏崎市の「海の大花火大会」など、手掛けてきた花火大会はコロナ禍で相次いで中止に・・・。会社の経営に影を落としました。

また、少子化も大きな影響を与えています。
小中学校の同窓生がお金を積み立て、成人など節目の年に花火を上げる風習がある片貝。
しかし、小学校の児童数は60年ほど前、1学年150人以上でしたが、現在は30人以下に・・・。
1人あたりの金銭的な負担が増え、花火の規模を縮小する傾向にあるといいます。

【片貝煙火工業 本田 和憲 社長】
「地域に若い人がいないと、お祭り自体も地域を寂れてしまうので、そこをまず何とか若い人に向けて発信していきたい」

若い人たちにも花火の魅力を届けられないか・・。
そのために、花火むすめのグッズも作りましたが、残念ながら、知名度はいまいち。
そこで、SNSなど情報の発信に長けた人材の求人を出したところ、応募してきたのが栞さんでした。

【佐藤 栞さん】
「きっぱり芸能の道やめようと思っていて。自分がやってきたことだったり、経験が生かせるなと思って応募しました」

毎日朝8時半に出勤。慣れないパソコン作業やグッズ開発の打ち合わせなど、忙しい毎日を送っています。

小千谷の人たちも期待しています。
片貝にあるこちらの和菓子店では、花火むすめをパッケージにデザインした、羊かんを販売しています。
ドリップコーヒーのパッケージに羊かんを流し込んだこの「ぽちようかん」。
薄くすることで、食べたときに香りが口に広がりやすいと評判ですが、さらに多くの人に知ってもらうためにどうすればいいか頭を悩ませていました。

【池田屋 本田 啓邦 6代目当主】
「自社だけだとどんなに頑張って も限界がある。発信していただける方がいたら、発信力が数倍にも上がるので、そこは大いに期待しています」

進学や就職で、小千谷を離れる若者は少なくありません。地元に戻って来た若者のひとりとして、栞さんはいま新たな目標を見つけました。

【佐藤 栞さん】
「(小千谷を)離れていった方たちにも、もう一回戻って来てもらえるような、若者がわくわくするような企画だったりとか、戻って来てくれる方たちに刺さるようなものを作っていけたらいいなと思います」

アイドルを経験した自分だからこそできることがある・・・栞さんのセカンドキャリアはいま始まったばかりです。


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