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酒米 SAKAMAI

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高知県土佐市

■お酒の原料「酒米」をご存じですか?
酒米とは、おいしい日本酒を造るのに適した特別な米です(酒造好適米)。また、加工用米(酒造好適米ではないがお酒の原料として使用できるお米)もお酒造りに使用されます。
土佐市では波介地区を中心に、主に「吟の夢」という品種の酒米が作られています。
土佐市でつくられた酒米は土佐市内の酒蔵で日本酒となって、消費されています。

◇酒米の特徴…
・心白と呼ばれる白色不透明の部分が大きい。
・粒が大きくて丈夫
・たんぱく質や脂質が少ない。

■お酒ができるまで
お酒ができるまでの工程について、酔鯨酒造株式会社さんにご協力いただきました。

精米:食用米とは違い、ゆっくりと時間をかけて精米します。ここでの削り残った割合(精米歩合)によってお酒の質も変わります。
洗米・浸漬:よく洗ったお米に均等に水を吸わせます。
蒸し・放冷:大きな釜で蒸します。その後、熱くなったお米を冷まします。
麹付け:蒸したお米に麹菌を付けて、一定の温度・湿度に保たれた麹室(こうじむろ)で麹菌を寝かせて増殖・成長させます。
酒母造り:米麹と蒸米、酵母菌を入れて酵母を培養し、お酒のもと(酛(もと))を作ります。
仕込み:麹と蒸米と酛(もと)などをタンクで約1カ月間かけてじっくりと発酵させます。
搾り:発酵させたものを搾ってお酒が出来上がります。

完成

■土佐市の酒米農業をもっと盛り上げたい。生産者の声
◇土佐市の酒米 野村和仁さん
土佐市で酒米作りが始まったのは、波介の出間沖の基盤整備が行われた平成10年頃です。波介地区の水田を活用した新しい作物として、15人ほどで始めました。
作物には、早く成長する早生(わせ)、遅く成長する晩生(おくて)、その中間の中生(なかて)などの種類がありますが、酒米はこの中生にあたります。中生の米農業は、一般的には山間地域などの比較的涼しい地域で行われており、温暖な平地農業地域である波介では、同じものを使っても上手くいきません。また、苗を扱う時期も異なることから、安定して適した苗を入手するため、育苗施設を作り、苗から育てることとしました。
酒米作りの経験が乏しい土佐市での挑戦には、たくさんの失敗もありました。酒米に必要とされる心白(米粒の中心にできる白色の部分)の発現や、病害虫の予防、状態に合わせた肥料の管理など、通常の稲作より気を遣う部分もあります。
また、平場は、山間地域に比べ温度が高いため、米の質が落ちやすく、小まめな手入れや適切な時期に刈り入れることも重要です。
10年ほど前には、4人になっていた酒米農家ですが、5年ほど前から少しずつ増えており、今は9人になりました。
酒米作りをする仲間は、年に5回ほど集まって勉強会をしたり、育成状況を確認したりと、仲間たちが栽培に失敗しないよう情報共有もしています。その甲斐あって、土佐市産の酒米は、良い評価をされるようになってきました。
これからは、生産維持をしながらも、更に良いものを作りたいです。また、多方からの支援を受けながら、土佐市に酒米農家や加工用米農家がどんどん増えて欲しいと思います。

◇酒米農家を始めて 松本誠二さん
4年前に酒米を作り始めました。農業をすることすら初めてのことで、栽培の難しい吟の夢への挑戦でしたが、野村和仁さんや栽培指導員に指導、アドバイスをいただき、無事に収穫まで辿り着くことができました。
2年前から酒造適正のある品種(たちはるか、とよめき)を加工用米として作っています。
これらの品種は病気にも強く、吟の夢に比べると随分と作りやすい米で、収量もたくさん取れました。
自分たちが土佐市で作ったお米が、土佐市の酒蔵で美味しいお酒になると思うと、すごくやりがいのあることだと感じています。
今は、土佐市で加工用米の取り組みはほとんどありません。加工用米は、転作作物として補助金を受けることができますが、食用米よりも売値が下がるので、これだけで生計を立てていくのは難しいのが現状です。今後、加工用米農業が安定してできるような仕組づくりができれば、土佐市の農家や農地を守ることにも繋がると思っています。

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