ニュース

日本を震撼させた「昭和の未解決事件」と旧統一教会の関係。有田芳生氏らが語る

警察の捜査の手が教団に伸びていたのは事実

赤報隊事件 元朝日新聞大阪社会部記者・樋田毅氏の著書『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』(岩波書店)によれば、陸上自衛隊市ヶ谷第32連隊を除隊後、右翼団体・大日本誠流社を経て、統一教会の非公然軍事部隊のメンバーとなっていたこの人物に、兵庫県警も重大な関心を寄せていた。  ’87年、右翼団体に所属し、東京・新橋で街宣活動をしていたこの人物に樋田氏が取材を試みると、ひと言も発さずに雑踏のなかに走り去ったという。警察も行方を追うが足取りは掴めず、その後、僧籍を得たこの人物は、’90年に奈良県の小さな寺で一酸化炭素中毒で死んでいた。 「兵庫県警幹部は、この元自衛隊員の信者が『赤報隊事件に関わっていた可能性はある』と話したが、本格的な事情聴取はできておらず、事件と繋がる証拠は得られなかった。赤報隊事件は、右翼や新右翼か、あるいは統一教会による犯行なのかはわからない……。ただ、警察の捜査の手が教団に伸びていたのは事実です」

教祖・文鮮明氏は説教で朝日新聞に攻撃命令?

 だが、赤報隊事件の前後、統一教会の文鮮明教祖は説教のなかで驚くべき発言をしていたという。 「事件の半月前の’87年4月18日、文氏は韓国の漢南洞公館で、朝日新聞の教団追及記事に怒り、『ぐずぐずしていたらやられてしまうのです』と話したという。  さらに、赤報隊事件後の5月30日、秘密裡に教団幹部を呼びよせ、韓国のリトルエンジェルス芸術会館で『私が命令するだけで彼ら(編註・日本の信者)はどんなことでもやる』『朝日新聞と読売新聞を攻撃するように言いました』と命令を出したことを認めている。  文氏自らが言ったように、狂信的な信者のなかには、教祖が命令すれば凶行に走る者がいたとしてもおかしくはない」
次のページ
旧統一協会「当法人の関与はございません」
1
2
3
統一協会問題の闇 国家を蝕んでいたカルトの正体

ジャーナリストが語る「空白の30年」の全真相!

テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート