群馬県民の利便性を向上させるため、県は2025年度までに、県庁と地域機関の窓口全般で、クレジットカード、電子マネーなどによるキャッシュレス決済を導入する方針を固めた。23年秋ごろに県庁の一部手続きと地域機関の数カ所で導入し、課題や効果を検証した上で拡充。事務手続き上、難しい事例を除き導入する。県会計管理課は「キャッシュレス決済への需要が高まっており、納付方法の多様化を進めたい」としている。

 県は22年6月から近代美術館や自然史博物館といった文化・社会教育施設8カ所で、入館料などの納付にキャッシュレス決済を本格導入した。利用割合は同月に8.4%だったが、同決済の普及や各施設での案内充実などが奏功して右肩上がりで増え、同12月には24.8%まで上昇した。利用内訳はクレジットカード46.5%、電子マネー25.8%、QRコード27.7%だった。

 需要の高まりを受けて県は23年度から、証紙や払込書で行われている窓口での支払いで同決済の導入を加速させる。23年秋ごろには、県庁の複数部署の手続きで導入し、支払いと書類を照らし合わせる方法や窓口での効率的な運用方法など課題を洗い出す。課題を解決した上で24年度には、導入が難しい例外的な手続きを除き、県庁の窓口全般に拡大する。

 県の地域機関での手続きについても、23年度秋ごろに数カ所で導入予定。24年度にかけて課題と効果を検証し、25年度には県内各地の地域機関で共通する手続きにも導入する。

 現在、県庁と地域機関の窓口での支払いは証紙や払込書、現金で行われている。証紙は県内各地にある売りさばき所で購入して書類に貼る必要があり、払込書も金融機関に出向かなければならない。同決済に対応することで、その場で支払うことが可能となり利便性の向上につなげる。

 証紙の売りさばきでも店舗に手数料を支払っていることから、同決済を導入しても、県が支払う手数料は大きく変わらないという。