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新しい地質時代「人新世」代表にカナダの湖 ベップワニアンは落選

毎日新聞 / 2023年7月12日 2時0分

カナダのクロフォード湖=英サウサンプトン大提供、Ⓒサラ・ロバーツ氏

 国際地質科学連合の作業部会は11日、人間活動の痕跡が刻まれた新しい地質時代「人新世」の始まりを示す地層「国際標準模式地」(GSSP)に、カナダのクロフォード湖を選出したと発表した。今後、同連合で人新世を地質時代として正式に認めるかも含めて審査する。候補に残っていた大分県の別府湾は落選した。

 人新世は、世界規模で人口が爆発的に増え、工業化が急速に進んだ20世紀半ば以降の地質時代として提唱されている。約1万1700年間続いた「完新世」とは異なる新たな時代区分の証拠として、作業部会は、化学物質や核実験由来の放射性物質など人間活動の痕跡が刻まれた地層を評価し、別府湾や南極氷床、太平洋のサンゴ礁など世界の12地点を模式地の候補にリストアップしていた。

 クロフォード湖はトロント市郊外にあり、作業部会は「湖底で発見された堆積(たいせき)物は、過去数千年にわたる環境変化を絶妙に記録している」と説明した。

 別府湾にも、米国が1954年に太平洋のマーシャル諸島ビキニ環礁で行った水爆実験で放出されたプルトニウムや、化石燃料を燃やした際にできる「すす」などが堆積しており、日本の研究者らが「ベップワニアン」という年代名で模式地に提案していた。

 国内では2020年に「中期更新世」(約77万4000~12万9000年前)の地質年代が「チバニアン」と命名され、千葉県市原市の地層「千葉セクション」が模式地に認められた。【阿部周一】

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