いささか強引だなあ、と思いつつもこれからすることを思えばこれは準備運動ですらないのかもしれない。
私も彼の求めに応じて口を開ける。そして舌が絡み合った。
何度か触れ合ったり離したりを繰り返すうちに、唾液の橋が架かる。
湿り気を帯びるのは何も口の中だけではなかったようだ。無意識に両脚が動いてしまう。

その様子を見たのか、彼は私を抱き寄せつつベッドに近づける。
正直なところ、妙に慣れた手つきなのが気に食わないといえばウソになる。
しかし、いちいちそんなことを突っ込んでこれ以上失敗したくなかった。
自分の言動のせいで"彼"を手放したくなかった。このチャンスを逃したくはなかった。

だから、私は覚悟を決めた。

「かな……いいか？」
「うん……」

二人ともベッドに腰かけた後、私のバスローブに手をかける。首元から肩にかけて少しずつずらしていき、
私の乳房が顕わになる。服を脱いでいるのに、どんどん熱くなるように感じる。

「……あ、あーくんはげーのーじんだし？もっと凄いの色々見てるんだろうけど？」
照れから反射的に、自虐のセリフが口から出る。
いや、客観的に見て平均未満ってことはないはずなのだ。私の胸も。
しかし、周囲が周囲である。私よりスタイルの良い人間などいくらでもいる。
彼は彼で超美形である。どうしても"不釣り合い"という単語が頭をよぎる。

「綺麗だよ」
私の不安を察したのか、彼は優しい声でささやく。そして、私の胸とお腹の中間ぐらいをそっと撫でた。
いきなり鷲掴みにしたり、乳首触ったりしないのがもうなんか"わかってる側の人間"で癪に障る。
私よりも先に彼の体を味わった人間がいると思うと憂鬱になる。

「大丈夫だから。少し力抜こうか」
そう言って、いったん撫でるのはやめて今度は肩に触れて私をベッドの上で横になるよう促す。
そして、彼は私の上に跨る。顔が間近に見える。
"受け入れる"ことを示すために私は目をつむる。

再び、キスを何度か繰り返す。その過程で私の胸も触られる。声が漏れる。
「んっ……」
「硬くなってきてるね、ここ」
少し意地悪な顔をして、彼は私の表情を確認しながら乳首を触る。
「い、言わないでよ……」
「でも、好きなんだろ？そういうの」
「うぅ……」

耳元で彼にそう囁かれると、抵抗できない。

今度は私の胸に顔を近づけて、左側の突起に舌で触れる。
「あっ……」
私が声を出すのも構わず、そのままペロペロと舐める。そして、右側の突起は彼の手で弄られる。
一方的にやられるのにだんだん癪に障ってきた。

「アクア」
「？」
いったん舌と手を止めた瞬間、私は彼の肩を掴んで上体を起こす。
彼の少し驚いた顔を一瞥しつつ、今度は私が上になるように彼を押し倒した。

「初かと思ってたのに、案外積極的なんだな」
「確かに私は男性経験のない処女よ。でも、その一方で役者で負けず嫌いでもあるの」
「なるほど……」

彼の苦笑もよそに、私はバスローブをはだけさせる。
相手が恥ずかしがる様子を見せないのが気に入らないが、とりあえず無視だ。

私はがっついた童貞男のように乳首に貪りついた。
「あっ！……えぇ」
思わず裏返る声。一矢報いた感がして、頬が緩む。そのまま彼の胸の先端を舌で弄繰り回した。

ある程度舐めて満足した私は、彼の表情を見る。顔を横に向けてふて腐れた様子だ。
「……ヘタクソ」
「は、初めてだって言ってるでしょ！？そういうアンタだって」
「知ってるよ、女のカラダのことなら」
「えっ――」

やっぱりそうなんだ、と落胆する間もなく四つん這いになってた私を抱いて伏せさせて、ゴロンと体勢を
変えられてまた上下逆転してしまう。互いの体を密着させたまま、今度は彼は私の下腹部に手を伸ばす。

「い、嫌……」
この際、乱暴でもヘタクソでもなんでもいい。ただただ、彼の初めての相手が私であって欲しかった。
曖昧なままにして欲しかった。……いえ、私が悪いのね。自業自得なのよ。
恥ずかしがって、素直になれなくて、さっさと想いを告げないから。
どうにも悲しくなってきて、私は顔を覆う。目から雫が流れるのを感じる。

「…………やめるか？」
私は、こくんと頷いた。でも、本心ではやめてほしくなかった。
もう好きで好きで止められない、とばかりに乱暴にそのまま犯してほしい。

自分の意に反して、彼の動きが止まる。
「やめろって言うなら、本当にやめるよ」


覆っていた手をどけると、そこには冷めた目で私を見つめる黒髪ロングヘアの「女」がいた。

「そこは止める流れじゃないでしょ！？『嫌よ嫌よも好きのうち』でそのまま続けなさいよ！
　今日は『有馬かなにベタ惚れのアクアが我慢しきれずヤっちゃう』って設定なんだから！」

「アクア君は根は紳士だから、やめろと言われればやめるよ。それに、有馬かなをからかうという目的で
　一旦やめて様子を見るということも考えられる」
「ぐぬぬ……」
「……フン」

ベッドの上で言い争っているのは十代の二人の少女。

私がアクアと呼んでいたのは、彼の演技をしていた黒川あかね。
私の好敵手。役者の上でも、恋の上でも。

でも、恋では二人とも破れてしまった。予想外の人物に。

「あり得ない、あり得ないよ！！どうして、どうしてあーくんは妹なんかに……」
「『なんか』って言い方は良くないと思うよ。……アクア君に今のセリフ聴かせようか？」
「それはやめて」

…………なんでこんなことになってしまったのだろう。

星野兄妹の様子がおかしいのに気づいたのは『15年の嘘』の芝居稽古の途中からだった。

私よりもあかねの方が先に気づいていたようだけど。
そう、私が先に様子がおかしいと思ったのは黒川あかねだ。
仲直りでもしたであろうアクアとルビーを見る彼女の目つきは尋常なものではなかった。

ただの失恋のショックではない。何かの天啓でも授かったような目の開き方だった。

あかねは何も言わなかった。

自分の気づいたことを言うと周囲の人間の芝居に影響があると思ったんだろう。
その認識は正しい。私でも多分そうした。
というか、私も誰にも何も言えなかった。"あの兄妹の様子がおかしい"と。

事態が動いたのは、『15年の嘘』の撮影が終わって開かれた打ち上げの食事会でのこと。

途中で店から抜け出していたアクアとあかね。
戻ってきたのはあかねだけだった。彼女には泣きはらしたような跡があった。

今のあかねに関わりたくねえな、と思っていたら当人に話しかけられる。
「アクア君から話があるから、行って」
「え……はい」

・
・
・
「それで行ってみたら何！？なんなのあれ！？『俺は妹に責任を取らなければならない。俺が君を
　恋人にする可能性は一生ない』って」
「……」
「意味わかんない！わかんないよ！なんでルビーに責任取ったらアクアが恋人作れなくなるの！？
　しかも私だけじゃなくて……」
「……」

ベッドで横に並んで寝ている女二人。一人は口を閉ざしたままだ。
「……多分こうであろうという仮説はあるんだけど」

ずっと黙っていたあかねが重い口を開ける。

「何？それは」
「……言いたくない」
「何故」
「辻褄は合うけど、多分信じてもらえないし、おそらく本人たちに訊いても否定すると思う」
「何よ、それ……」

しばらく沈黙が続いた後、
「私……別に諦めたわけではないから。アクア君のこと」
「それは、私も……」
「あなたとは違う」
ピシャリとしたあかねの口調に、かなは苛立つ。

「アンタのこと好きじゃないけど、アクアのこと好きなのは同じでしょ！？」
「そういうことじゃなくて、戦略の違い」
「戦略……」
「有馬かなは、星野アクアにとっての一番でなければ満足できないでしょう？」
「それは……」
「私は、半分諦めてる。どう見てもアクア君にとっての不動の一番はルビー。そこは揺らがない」
「……」

「だから、私は愛人枠を狙う。愛人と言っても、精神的な意味で。書類上はアクア君の妻」
「それ愛人って言わないでしょ！？」
「アクア君はルビーと結婚できないからね。だから、私が支えるの。あの兄妹を」
「ついていけないわ……」
「あなたに言われたくない」

"あなたに言われたくない"。これは有馬かな本人も同意せざるを得なかった。
何故なら、今夜のことをあかねにお願いしたのは彼女だったのだから。
「受ける方も受ける方よ」
「何事も勉強。演技の足しになるなら、私は何でもする」
「……」
「それに……」
上体を起こしてかなをじっと見つめるあかね。

「アクア君の演技してわかったけど……かなって結構可愛い所あるんだね」
「んなっ！？」

かなは恥ずかしさのあまり、シーツを被ってそっぽを向いてしまった。


【かなとあかねの呉越同床】　おわり

>かなとあかねの呉越同床
いいタイトルだ…

そんなことだろうと思ってた

いけいけアクアの理性を壊せ

ナイスモラル！
と思ったら滅茶苦茶インモラルだった！
ナイスインモラル！

本当にそれでいいの！？

あかねはアクアの２番でいい概念もっと流行れ

ルビアクカップルが成立した後でかなとあかねが傷の舐め合いしてる的なレスを見て
我慢できず書いてしまった

純粋に重曹アクアが見たかった人には申し訳ない

>あかねはアクアの２番でいい概念もっと流行れ
"アクアくん"の一番だけど？

>>あかねはアクアの２番でいい概念もっと流行れ
>"アクアくん"の一番だけど？
せんせーはルビーに
アクアはあかねに
コレね

あかかなも地味にいいコンビだもんな

ねえこれ二人とも既に脳破壊されてない？

>本当にそれでいいの！？
よくねーよ

あかねはかなちゃんに憧れて演技の世界に入ったからな…

>ねえこれ二人とも既に脳破壊されてない？
アクアが悪いよアクアが

あかねちゃんの本命って…

>あかねはかなちゃんに憧れて演技の世界に入ったからな…
アクアくんの愛人兼かなちゃんの恋人
好きな人とは戸籍上、推しとは演技を通して繋がり続けられるから脳が破壊されつつも回復するね…

>あかねちゃんの本命って…
いつかきっと全部手に入れる私はそう欲張りな大女優☆

>いけいけアクアの理性を壊せ
アクアほぼ出てないよ！？

>ねえこれ二人とも既に脳破壊されてない？
いい感じに元カレだとか気がある風に接してたと思ってたらある晩を境に妹とイチャイチャベタベタし始めたら脳も破壊される

>>ねえこれ二人とも既に脳破壊されてない？
>いい感じに元カレだとか気がある風に接してたと思ってたらある晩を境に妹とイチャイチャベタベタし始めたら脳も破壊される
さすがに実妹はノーガードだよなあ
しかも妹本人が別に好きな人がいるって言ってたんだし

このあかねは「なんとなくルビーアクアの事情察してる」状態か....

>このあかねは「なんとなくルビーアクアの事情察してる」状態か....
プロファイラーさんなら情報揃えば気づくよなあ…

クトゥルフ神話TRPGの探索者のような気分になったあかねだな…

>>このあかねは「なんとなくルビーアクアの事情察してる」状態か....
>プロファイラーさんなら情報揃えば気づくよなあ…
あかねって既にかなりの情報持ってるんだよな
転生なんて非現実的な事じゃなけりゃ一直線に真実に辿り着けるくらいの

>仲直りでもしたであろうアクアとルビーを見る彼女の目つきは尋常なものではなかった。
>ただの失恋のショックではない。何かの天啓でも授かったような目の開き方だった。

これを本編で見たい

>クトゥルフ神話TRPGの探索者のような気分になったあかねだな…
アイデアロールに成功した黒川あかねさんはSANチェックです…

かなちゃんかなちゃんかなちゃんするあかねもいいよね…

>プロファイラーさんなら情報揃えば気づくよなあ…
というかあかねのはプロファイルの域完全に超えてるので…

あの目だ
fu2352201.jpg[見る]

>>>このあかねは「なんとなくルビーアクアの事情察してる」状態か....
>>プロファイラーさんなら情報揃えば気づくよなあ…
>あかねって既にかなりの情報持ってるんだよな
>転生なんて非現実的な事じゃなけりゃ一直線に真実に辿り着けるくらいの
なんならゴロー先生への理解度で言えばあくまでも患者の範囲でのスパダリせんせしか知らないルビーより踏み込んで知ってる

>このあかねは「なんとなくルビーアクアの事情察してる」状態か....
あかね（本人たちに訊いても否定する……鎌をかける？それで確定させてもいいけど
本当に「転生」だとわかって、私に何か得がある？どうしようもなく敗北確定するだけでは？）

こんな感じで悶々としてそう

濃厚なかなあかありがたい…

重曹はあかねちゃんの脳を焼いたから責任をとろう

>重曹はあかねちゃんの脳を焼いたから責任をとろう
あかねちゃんはアクアにも脳焼かれるし
大変な人生だ

>なんならゴロー先生への理解度で言えばあくまでも患者の範囲でのスパダリせんせしか知らないルビーより踏み込んで知ってる
推理だけで会ったことも無い奴の事そこまで知れるのもう何かの妖怪だろ…

このジャンル読めるのはきっとここだけなんだろうな
…ナイスインモラル！

二人のインモラルがアイドル界の秩序を乱していく

同性愛はいかんぞ非生産的な

あかかな疑似アクかなックスはさすがに罪深すぎない？

>同性愛はいかんぞ非生産的な
だって
赤ちゃん作ろうね❤ゴローせんせ❤

>あかかな疑似アクかなックスはさすがに罪深すぎない？
しかしあかねはそれが可能なのだ

良いものを見れたありがとう

次に見れるインモラルカップルは何？

元社長ｘカントク

おっさんずラブはちょっと…

考察で二人が転生してるところまで予想したあかねの続きか

>次に見れるインモラルカップルは何？
基本的に今ネタ温めてるのはルビアクかな....

アイアクも魅力的だけどどういうシチュにするかは難しい

>>同性愛はいかんぞ非生産的な
そうだねせんせー❤赤ちゃん作ろ❤

>推理だけで会ったことも無い奴の事そこまで知れるのもう何かの妖怪だろ…
そういうキャラなので…

夜になってもまったく涼しくならない…怪文書を書く気力が起きない…ポコマーやめてくれ…

>夜になってもまったく涼しくならない…怪文書を書く気力が起きない…ポコマーやめてくれ…
エアコンつけろ

このあかねはどこで女性の体の扱い方を知ったんだ....？

>このあかねはどこで女性の体の扱い方を知ったんだ....？
アクアの思考をトレース

>このあかねはどこで女性の体の扱い方を知ったんだ....？
だって情報収集能力に定評のあるあかねだぜ？

あかねがコピー妖怪になってる...

>>このあかねはどこで女性の体の扱い方を知ったんだ....？
>アクアの思考をトレース
そんなの絶対おかしいよ....

ルビアク確定させたあかねだったら彼らの自室にカメラつけてもおかしくない

>あかねがコピー妖怪になってる...
原作も似たようなもんだから平気平気

かなちゃんに憧れた
プロファイリングやコピー能力、情報収集能力
それらが可能性を生み出してる…

>>>このあかねはどこで女性の体の扱い方を知ったんだ....？
>>アクアの思考をトレース
>そんなの絶対おかしいよ....
アクアを知ることを極めればスケコマシ医大生時代のゴローのテクもトレース可能

>このあかねはどこで女性の体の扱い方を知ったんだ....？
名子役がその程度の事できないとでも思って？

あかかないいよね…と思いつつ怪文書書けないので短文で何度かスレ立てしてた者です
本当にありがとう…

>>夜になってもまったく涼しくならない…怪文書を書く気力が起きない…ポコマーやめてくれ…
>エアコンつけろ
そんなものは
ない

>あかかないいよね…と思いつつ怪文書書けないので短文で何度かスレ立てしてた者です
>本当にありがとう…
そう言ってもらえるとありがたい

>>>夜になってもまったく涼しくならない…怪文書を書く気力が起きない…ポコマーやめてくれ…
>>エアコンつけろ
>そんなものは
>ない
おいおい死ぬわ

インモラルに同性愛に社長と社員
色んなタイプを取り揃えてるな

あーりま♪セックスしよ❤

>あーりま♪セックスしよ❤
誰だお前は

今ガチ１日目のアクアだよ❤️

推しの子コラボ開催中！
https://shinycolors.idolmaster.jp/ [link]