3・初期設定2
「あんまし変わってないような……あ、いえいえ、では次は二つ名ですねー」
二つ名はゲーム中に特定の行動を取ることで増えて行き、その中から一つを付ける事が出来るらしい。複数二つ名があれば自由に付け替えでき、その二つ名で町の人の反応がちょっと変わるのだとか。
レベルはそのまま経験を積むことで上がって行き、一つ上がるごとに基礎能力が上がっていく。
HPは体力。これが無くなると死ぬ。死んだ場合は一日ログイン不可か、所持金の半分を使ってその場に再生。もしくはドロップアイテムを残して自宅に再生の三つから選べるらしい。
さすがに自宅再生はアイテム落とすらしいし、無しかな。
MPはマジックポイント。これはソレ系のスキルを手に入れた場合のみ使用するらしい。
要するに魔法とか超能力とか使えるようになるんだとか。
厨二病患者には涎垂物のスキルなんだろうなぁ。
俺としてもハナコさんに会うためには霊感スキルが必要なのでこのMPは捨てポイントには出来ないステータスだ。あれ? これ、使うステータスだよね? GPとかの方になるのかな?
TPはテクニカルポイント。
これは技や技術的なスキルを使う時に必要になるらしい。
ようするにゲーム主人公等が使う必殺技とかのスキル用だ。
このポイントは戦闘中に自動で回復していき、スキルの必要ポイントまで溜まるとそのスキルが使えるようになる、というポイントらしい。
GPはゴーストポイント
MPが魔法や超能力なら、これは霊力と言ってもいいだろう。
要するに幽霊などが扱う能力に必要なのがこの霊力である。
なんでもこの霊力スキルは物理防御をすり抜け、魔法防御もすり抜けるとか。
精神攻撃や呪い関連によく使われるポイントらしい。
状態は自分の状態異常があるかどうかの指標。
ここが毒と書かれていれば毒状態で体力が減っていったりする。
普通であるならそれにこしたことはない。
「さぁさぁ、それではスキルを選びましょう。基礎スキルは6つまで選べまーす。それ以上はゲーム中で覚えられますが、スキルスロットは初期では6つしか無いので他のスキルを育てる場合はスキルを入れ変えてくださいね。戦闘用スキルと通常スキルを設定しておけば戦闘時に勝手に変わりますよー。初期状態は意味無いですけど」
とりあえずまずは必要なスキルを選ぼう。
テイムLv1と霊視Lv1だ。
霊感スキルでもいいんだけど、霊感だと霊がいる感覚は分かるけど幽霊は見えないらしいんだ。
恐らくレベルを上げないとハナコさんが見えないと思う。
なので霊視のスキルを取る。
ずらっとならぶ初期スキル群を見ながら、幸運スキルがあったので選んでおく。
ん? こっちのスキルは?
「あの、特殊スキルってなんです?」
「AI判断でその人特有でプラスされるスキルです。なんでも勇者とかのスキルもあるらしいですよ」
「勇者?」
「はい、NPCの好感度が上昇しやすくなりますが強敵が出現しやすくなりトラブルに遭遇しやすくなります」
デメリットしかなくない?
「ソレを聞く、ということは何かございましたか?」
「あー、うん、一つだけ。幸運スキル取ったら出て来たのが」
「おや。でしたらそちらをお勧めしましょう。基本特殊スキルはそのプレイヤーと相性が良いスキルがでますので、デメリットはほぼないでしょう。ちなみにどんなスキルです?」
「……ラッキースケベ」
「……」
おい、なんか言えよ。黙んなよ!? 視線逸らすなっ。
「これで残りは二つですね。霊感系スキルを取ったのでしたら攻撃系スキルは取っておいた方がいいですよ」
「今露骨に話題変えたな。変えたよな!?」
「ラッキースケベは異性との接触が良く起こるようになりますねー。ちなみに普通にそれが起これば垢BAN確定モノですが、このスキルがある場合ある程度異性との接触が緩和されますよー、やったね」
垢BANの可能性が跳ね上がっただけなのでは?
嫌だぞ、不意の接触でアカウント停止されんの。
とはいえ、ちょっと心震えるスキルなのは確かだ。
「んじゃ、あとは攻撃スキルを……蹴り技とか?」
自分、拳で攻撃とか得意じゃないので。
あと武器もあった方がいいのかな? でも何持ったらいいか……無手、だと!?
あ、あれか、手刀で戦艦叩っ切ったりできちゃうのか!?
「あ、二つ取ったんですねぇ。何でその二つ? いえ、まぁいいです。これでステータスの説明は終わりますねー」
技スキル:
テイムLv1: NPCや敵をテイミングすることが出来る。
霊視Lv1: この世ならざるモノを見ることが出来る。
幸運Lv1: 善い事が起こるようになります。
ラッキースケベLv1: 異性系生物とのちょっとえっちなイベントが起こる気がします。
蹴り技Lv1: 蹴り系統のスキルを覚えます。
得意武器・無手Lv1: 武器を持たないことで能力が上がります。
こんなスキル構成になりました。
うーん、大丈夫だろうか? かなり脳筋な気がしなくもない。
まぁ最悪テイム出来なければ辞めれば……辞めたら、俺の人生が詰むかもしれん。どうしよう。