首相周辺発言、再び波紋 今度は本田参与
安倍晋三首相周辺の発言が20日も波紋を広げた。米ウォール・ストリート・ジャーナル電子版は19日、経済ブレーンの本田悦朗内閣官房参与が首相の靖国神社参拝について「誰かがしなければならなかった。首相の勇気を高く評価する」などと発言したと報じた。
首相の経済政策のアベノミクスを巡っては「強い経済を必要としているのは、より強力な軍隊を持って中国に対峙できるようにするためだと(本田氏が)語った」とも伝えた。
本田氏は20日、靖国発言について「(直接、発言を報道しない)オフレコのつもりだった」として同紙に抗議。アベノミクスへの言及には「そういうことは言っていない」と記者団に語った。
菅義偉官房長官は記者会見で、本田氏の抗議に同紙から「修正する用意がある」と回答があったと述べた。だが発行元のダウ・ジョーンズは「記事は正確だと確信している。修正は不要と考えており、修正する用意があると申し出た事実もない」との談話を出した。
衛藤晟一首相補佐官が首相の靖国参拝で米国を批判したことを巡っては20日、公明党の山口那津男代表が党会合で「言動に気を配り、外交の発展に努めないといけない。改めて自覚を促したい」と苦言を呈した。
衛藤氏は所属する二階派の会合で「米国を批判したつもりはない。不徳の致すところだ」と釈明した。首相には電話で「ご迷惑をおかけした」と伝え、首相は「そうですか」と応じたという。