「処理水」放出を控えてなお、東電原発事故関連フェイクニュースが「ファクトチェック」対象にならないのはなぜか?

林 智裕 プロフィール

これまで示してきた現状からは、「日本のファクトチェックは党派的中立性が充分に確保できておらず、対象者やテーマ選定に大きな影響を与えている」「相互批判や検証の仕組みが確立されておらず、ファクトチェックの正当性や妥当性の担保が不十分」と判断せざるを得ない。

こうした課題や権威の枠組みを乗り越え、来年の「ファクトチェックアワード2024」には東電原発事故のフェイクニュースを検証した記事も並ぶことを強く期待したい。

一方で、InFact編集長である立岩陽一郎氏は6月30日にツイッターでこう発信している。

〈 何か勘違いをしている方がいるようですが、私は誰かに「これをやれ」、「あれをやれ」と言われてやることはありません。InFactの編集長としても、スタッフにそれを指示することはなく、それぞれが自主的に取り組むという方針です。勿論、報じる内容に編集長として責任を持つのは当然です。〉

批判の声は、届くだろうか。

 

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