恋愛相談

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わたしに寄せられる相談といったら恋愛相談が多いのでまあ、みなさん悩んでいるんですね。

ということでここらでいっちょ、もう勝手に恋愛相談に答え始めようと思うに至ったわけです。

 

さて記念すべき第1回は、好きな女性に告白して振られてしまったという関東圏在住、30歳の男性「キリンさん」より。


はじめまして。いつも楽しく記事などを読んでいます。さっそくですが相談です。ずっと好きだった女性に付き合って欲しいと告白しました。思えば生まれから初めての告白でした。とても緊張しました。答えはNoでした。それ自体は仕方がないかなと思うのですが、やはり辛いです。特に彼女を好きな気持ちをどうやって消していったらいいのかわかりません。世の皆さんはこういう時、どうやって好きな気持ちを消散させているのでしょうか。

(関東圏、30歳、キリン)

 

 

好きな気持ちを「消散」とはなかなかいい表現ですね。勉強になります。

 


さて、好きで告白したけど振られてしまった。

辛い、どうやって好きな気持ちを諦めたらいいか、という相談です。


告白はとても勇気がいることだったと思うし、その思いが届かず、大変辛いことと思います。

そのうえでどうやって好きな気持ちを消したらいいか、という相談です。

お答えします。

 

ずっと好きでいればいいじゃん

 

まず、告白してNoだった、だから「好きな気持ちも諦めなきゃ」となるのは、自然な流れだと思います。

思いが届かないのに好きでいることは苦しさしかないですもんね。

 


ただ、ちょっと立ち止まって考えてみてください。


 

「好き」「付き合いたい」


 

実はこれ、繋がっているようで強固には繋がってはいないんです。


 

「ある人が好き」


 

これは理解できるし、自然な感情であると思います。これは自分の中で完結する感情です。

相手がどんな意向であろうがこちらで勝手に好きになることが可能です。


 

「ある人が好きだから付き合いたい」


 

これも理解ができるのですが、そこには必ず他者が存在します。

好きという感情は自分の中で完結しますが、付き合いたい、は相手の要素と意向が含まれてきます。


 

こうして、他者の意向が必要なものと必要でないもの、これは本来は分けて考えるべきです。

ですが、それらが「好きだから付き合いたい」で繋がっているから歪な形になるのです。


 

付き合いたい思いが届かない時、それはちょっとしたエゴのような形になります。


こちらは付き合いたいのに向こうはそう思っていないわけですからね。

人はそのエゴな形を良しとはしません。


 

振られたわけですから付き合う、などの希望は実現しない。

だから好きという気持ちを消さなければならない、こうなるわけです。


でも、本当にそうでしょうか。


 

わたしは根底にある「好き」という感情は「推し」に向ける感情に近いと思っています。

「推し」にも色々なスタイルがあるとは思いますが、少なくともわたしの中にある定義では「推す」という行動に対して個人的な見返りを求めないものだと思っています。


 

推しに対して、良い作品やパフォーマンスで返して欲しいと思いつつも、個人的に連絡して欲しいとか、繋がって欲しいとは思わないのではないかと思います。

もしそれがあるのならばそれは、純粋な「推し」とは違うのかもしれません。


 

誤解のないように言っておくと、好きな人に対して付き合いたい、みたいな気持ちがあるのは全然かまわないのです。

むしろそれが自然であると思います。

ただ、それらを「好き」と繋げて考える必要はありません。


 

本来「好き」と「付き合いたい」は繋がっていないものです。

誤解がないように付け加えると「好き」から見た「付き合いたい」は繋がっています。

好きでもない人と付き合いたいと思わないから。

けれども「付き合いたい」からみた「好き」は繋がっていません。


付き合えなくても好きでいられるからです。

そこを繋げて考えるから辛く、苦しいものになるわけです。


 

ただ、ここでの「断られても好き」は、自分の感情や行動を制御できるものである必要があります。


振った相手にいつまでも好きな感情やそういったアプローチ的な行動をされるの、普通は怖いですからね。

推しにもそんなグイグイアピールしないですよね。


 

振られた直後、本当に悲しい感情が心の中を支配すると思います。

これは「思いが届かなかった」という悲しさと「好きな気持ちを諦めなければならない」という二つの断絶が混在するからだと思います。


思いが届かなかったのは残念です。

けれども、無理をしてまで好きという気持ちを抑え込む必要はないのではないでしょうか。


 

自分の気持ちをコントロールできないのなら無理にでも抑え込んだ方がいいでしょう。

コントロールできるのならば、推しとしてひっそりと好きを継続させてもいいのではないでしょうか。


 

そして、月日が経てばその思いは本当に「推し」に対するものに昇華しているかもしれません。

他の誰かが気になるかもしれません。

もっと夢中になる何かがあるかもしれません。

本当に彼女のことが好きだったあなたの気持ちも消散するのかもしれません。


無理に抑え込むのではなく文字どおり消散させる。

すっと消え散らせる、そんな未来もきっと来るのではないでしょうか。


そう、実は相談者さんの相談文の中に答えがありましたね。


いつかきっとそういう日がきますよ。

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