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台風、火災…災難続きの郡山八幡神社、再建へ 鹿児島

毎日新聞 / 2023年7月8日 14時47分

国重文の郡山八幡神社本殿=鹿児島県伊佐市大口大田で2007年8月29日午後5時半ごろ、福岡静哉撮影

 2022年、台風で鳥居が壊れた直後に社務所が全焼し、災難が相次ぐ鹿児島県伊佐市大口の「郡山八幡神社」。23年3月に鳥居がリニューアルされ、社務所も再建費を募ったクラウドファンディングで必要経費に達し、10月中旬の完成予定で建設が進んでいる。関係者は「災害前より良い神社にしたい」と前を向く。

 郡山八幡神社は1507年再興の記録が残ることから、それ以前の建立とされ、1559年当時の大工が「焼酎」と記した落書きがある本殿は国重要文化財。「焼酎」の字は日本最古で、一帯が焼酎発祥の地とされる。

 22年9月の台風14号で、鳥居のパーツのうち神社名が書かれた神額(しんがく)と2本の柱の間を突き抜ける貫(ぬき)が壊れた。元の石製鳥居の補修は難しく、地元住民や関係者の浄財により鋼材による鳥居を345万円で新設した。

 一方、全焼した社務所は、重文の本殿などへの延焼はなかったが、神符(しんぷ)や巫女(みこ)装束など正月に向けた品々は全て焼失し、大きな影響が出た。再建にあたっては、「地元以外にもたくさんの人の協力を得たい」とクラウドファンディングを採用した。再建費約2200万円のうちの一部300万円を当面の目標に5月12日にスタート。6月2日には300万円に到達した。再設定した目標額の500万円も超え、6月末までに233人から600万4237円が集まり、終了した。協力に応じた人からは、「帰省すると必ず寄らせてもらっています」「焼酎好きとしては、落書きを残された方に、時代を超えた親しみを抱いています」などと応援メッセージが多数寄せられている。

 6月8日には地鎮祭を済ませ、再建後に余裕を持って11月23日の秋の大祭を迎えたいという。目標額を上回った分は、参道や周辺環境の整備に充てる。氏子総代会の山下和弘副会長(67)は「協力いただいた方の半数近くは地元外。神社を愛する皆さんの気持ちは本当にありがたい。災害前より良い神社にしたい」と話している。【梅山崇】

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