吉川友梨さん行方不明から20年…情報提供求め両親がチラシ配り　大阪府熊取町、当時小学4年生

取材に応じるＮＰＯ法人「あいうえお」の代表理事を務める三本松義春さん。吉川友梨さんが行方不明になった事件の発生直後から、情報提供の呼びかけなどの活動を支えてきた

　大阪府熊取町で当時小学４年の吉川友梨さん（２９）が行方不明になった事件の発生から２０年となった５月２０日、両親や府警捜査員らが大阪・難波で友梨さんの顔写真入りのチラシやティッシュを配り、情報提供を呼びかける。発生直後から支援するＮＰＯ法人のメンバーも参加。「無事に見つかるまで捜し続ける」との思いで２０年間活動を支えてきた。

　友梨さんは２００３年５月２０日、下校途中に行方が分からなくなった。府警は何者かが連れ去った未成年者略取・誘拐事件とみて捜査するが、これまでに有力な手掛かりはない。

　熊取町に隣接する大阪府貝塚市のＮＰＯ法人「あいうえお」の代表理事三本松義春さん（７６）もチラシ配りに参加。事件発生時は「子どもを守る」をモットーに保育事業をしていたが「少しでも役に立ちたい」と、職員とともにチラシを作り配り始めた。

　愛知や奈良にも足を運ぶなど、これまでに配ったチラシは１０万枚に上る。「周りに配りたい」と言って数十枚のチラシを持ち帰る高校生や、大阪での活動に愛知から参加してくれた親子もいた。三本松さんは「みんなが友梨さんの無事を願っている」と話す。

　事件発生から２０年がたち、チラシ配りの中心メンバーの高齢化が進む。活動中止も検討したが、友梨さんの両親が懸命に情報提供を呼びかける姿を見て「やめるわけにはいかない」と踏みとどまった。「事件の風化だけは避けたい」。三本松さんたちはチラシ配りがいつか実を結ぶと信じ、街頭に立ち続ける。

吉川友梨さん行方不明から20年…情報提供求め両親がチラシ配り 大阪府熊取町、当時小学4年生