FF16インタビューでの吉田直樹プロデューサーの回答が海外で物議を醸す
IGNのインタビューで、「ファイナルファンタジー16」の登場人物が白人ばかりであることに言及され、黒人などの有色人種のキャラクターも登場するのかについて尋ねられた際、吉田氏は「一部の人にとってはがっかりすることになるかもしれない」と前置きした上で、有色人種のキャラクターが登場しないことを示唆し、次のように答えた。
開発初期段階からの私たちのデザインコンセプトは、中世ヨーロッパの歴史的、文化的、政治的、人類学的基準を取り入れて特徴づけてきました。私たちが伝えたいストーリー、つまり疫病に悩まされている土地のストーリーに最も適した設定を決定する際、地球規模で作るのではなく、範囲を1つの大陸に限定する必要があると感じました。 飛行機やテレビ、電話のない時代に地理的および文化的に世界から隔離された国です。
地理的、技術的、地政学的な制約から、現代の地球や、惑星(と月)全体が国家、民族、文化の集合体であるファイナルファンタジー14のような多様性は、ヴァリスゼアには望めませんでした。しかし、この領域の孤立した性質は、最終的にストーリーに大きな影響を与え、ヴァリスゼアの運命が他の世界と結びついている理由の一つになっています。
最終的には、「ヴァリスゼア」に民族の多様性を取り入れることは重要ですが、非常に大きな世界の一部分にすぎないヴァリスゼアに過剰に取り入れると、最初に設定した物語の境界線に反することになりかねないと考えました。私たちが語る物語はファンタジーでありながら、現実に根ざしているのです。
この回答が海外で問題視され、Kotaku.comは「酷い回答」だと報じ、「黒人と褐色人種は中世ヨーロッパにも常に存在していた」と指摘し、「現実に根ざしている」と説明するのには無理があるとした。
PC Gamerは、「ファイナルファンタジーは常にかなり"白い"シリーズだったが、それでも多様性の問題に対する吉田の回答は、彼が予想していたように残念です」とし、「ファイナルファンタジー16はリアリズムを言い訳に黒人のキャラクターを排除するゲーム」だと批判した。
Rock Paper Shotgunはかなり批判的な内容で報じており、吉田プロデューサーの発言を「間違ったこと」だとし、「ファンタジー設定における同質性の理由として中世ヨーロッパを引き合いに出すことは腹立たしい」と述べており、「中世ヨーロッパには人種の多様性が皆無だったという嘘を信じていたとしても、FF16は極めて選択的な方法でしか歴史を利用していない。全員、あるいはほとんどの人物を白人にしたのは選択だった」と非難している。
Massively Overpoweredは、「中世ヨーロッパを少しでも知っている人なら、ムーア人のスペインや中国との陸上交易路といった単純な現実を考慮に入れる以前に、様々な理由から当時から多民族文化が一般的だったことをもちろん知っているはず」と指摘しつつも、FF14のコミュニティでは多様性が尊重されており、この不十分な回答がどうやってでてきたのかわからないと述べている。
ファイナルファンタジーXVIは2023年夏に発売予定である。